まほろばblog

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「私の鼓動を止めてしまうほどの感動」

日曜日, 2月 3rd, 2013

        堀内 永人 様(静岡県三島市在住 82歳 作家)

└─────────────────────────────────┘

………………………………
■はじめに
………………………………

人は馬齢を重ねると、経験が豊かになり、
少々のことには動じなくなる反面、頑固にもなる。

80歳を過ぎて「世捨て人」ならぬ
「世拗(す)ね人」となった私は、
新聞やテレビで報道される若者たちの生態を見て、
「近頃の者はなっておらん」
とかなんとか言って、腹を立てることが多く、
感動することは、すっかり忘れてしまった観がある。

そんな折、三戸岡道夫先生
(作家、『二宮金次郎の一生』の著者)から、

「ちょっとした小話のネタにいいと思いますので、
 ご参考までにお贈りいたします」

と、書かれた便箋が添付されて、1冊の本が送られてきた。

その本の題名は、

『心に響く小さな5つの物語』
(藤尾秀昭著、致知出版社、価格は1,000円)

俳優の片岡鶴太郎氏の筆になる挿し絵が、
随所にちりばめられた上製本で、
巻末の「あとがき」まで入れて、77ページ。

ちょっとの空き時間を利用して、気軽に読める本である。

一見、詩集と見紛うばかりのこの可愛い本が、
私の鼓動を止めてしまうほどの感動を与えようとは、
このときはまったく思いもしなかった。

………………………………
■最初のおどろき
………………………………

それから、数日後の夜、私はベッドに横になり、
この『心に響く小さな5つの物語』を開いた。

本は、14ポイントくらいの大きな活字で、
しかも、1行25字、1ページ8行、
1ページ平均100字くらいの文字数である。

視力の衰えた私にも、老眼鏡なしで、らくらくと読めた。

第1話は、小学生の作文を引用して書かれてあり、
2分足らずで読んでしまった。

「そうか! この作文を書いたのは、
 小学6年生の時の鈴木一朗君か。

〈栴檀(せんだん)は二葉より芳し〉
というが、これは、この少年のためにある詞(ことば)だったのか」

第1話を読み終えた私は、目を閉じ、大きく深呼吸して、
胸の高鳴りを抑えた。

それほど、感動したのである。

続いて第2話も、あっという間に読んでしまった。

読み終わった私は、言葉や文字では表現できないほどの、
大きな感動が胸いっぱいになり、胸がジーンとなった。
口を利けば、涙がこぼれてきそうだった。

ここ10年、いやいや80余年の人生のうちで、
これほど大きな感動を受けた本があっただろうか。

隣りのベッドにやすんでいた老妻が、
私の挙動をいぶかしんで起きあがり、

「どうかなさいましたか?」

と、声をかけてきたほどである。

私は、声が詰まり、返事ができなかった。

「いや、なんでもない」

それだけ言うのがやっとだった。
口を利けば涙がこぼれそうで、それ以上は言えなかった。

私は、本を両手に持ったまま両眼を閉じ、
しばらくの間、胸の高まりの静まるのを待った。

一呼吸の後、私は、

「先日、三戸岡先生からいただいた、
 この『心に響く小さな5つの物語』を読んで、
 久し振りで感動した。胸が熱くなった。
 実に素晴らしい本だ。

 字も大きくて、平易なことばで書かれているので
 とても読み易い。
 年寄りから小学生まで読めるとてもいい本だ。
 あとで読んでごらん」

そう言って、表紙を老妻に見せた。

老妻は、日頃「冷血動物」と揶揄(やゆ)されている私が、
珍しく涙ぐんでいたので怪訝な顔をして、

「そう、どんな内容の本ですか?」

と言って、螢光灯スタンドの灯りに照らされた表紙と私を、
半々に見ながらベッドに戻った。

この『5つの物語』を読んだ、
青森県の中学3年生の小崎絢加(おざき あやか)さんは、

私が、この物語を読んですばらしいなと思ったのは、
物語自体は、この大きな世界で、小さな小さな物語だけども、
この物語を通して私の心に響いてくるものは、
とても大きなものということです。(後略)

と、感想文に書いている。

(致知出版社、『5つの物語新聞』、平成22年7月15日号所収)

寺田家の本それぞれ

土曜日, 2月 2nd, 2013

寺田家の本

寺田家のみなさんの力作本。

 みな まほろばで取り扱っております。

PHP研究所刊
1,575円最新刊 

斎藤一人『発酵力』微生物に学んだ人生の知恵

23代・寺田啓佐が生前まとめておりました『発酵力』が発売されました。斉藤一人さんと出会い学んだことと、お酒造りを通して見えてきたことを重ね合わせ、イキイキワクワク楽しく発酵する生き方のコツを伝授します。
また、5月の偲ぶ会での一人さんのスピーチが特別未公開CDで付録されています。是非ご一読ください。

 

PHP研究所刊
1,365円(税込)

麹・甘酒・酒粕の発酵ごはん
体の中からぷくぷく発酵してくる寺田本家の発酵ごはんレシピ満載

おいしいのもとは“しっかり発酵”
 24代目当主のパートナー、寺田聡美がいつも家族に作っているレシピをまとめました。葉っぱから根っこまで全部食べられる野菜のおかずが中心の簡単レシピ集です。
米麹・甘酒・酒粕を使って和・洋・中、デザートまでさまざまなレシピをご紹介しています。
 寺田本家のこと・発酵暮らしのこと・発酵場のことなどを寺田優が蔵内の写真とともに綴っています。どうぞお楽しみに。

 

農文協刊
1,260円(税込)

みなみ屋さん 南智美さんのおやつレシピ本 新発売
酒粕おやつ
卵・牛乳・白砂糖を使わなくてもおいしい!

寺田本家蔵人なかじのパートナーでともに「みなみ屋さん」を主催する南智美さんの酒粕を使ったおやつ本ができました。智美さんはパトリシオ・ガルシア・デ・パレデス氏に師事、「クシマクロビォティックアカデミィ」講師でもあります。
 卵も乳製品も白砂糖も使わず、植物性の素材だけで作るローカロリーのおやつ。そこに「酒粕」を加えると、うま味やコク、乳製品のような風味、クリーミーななめらかさが出てもっとおいしくなり、お腹の調子もよくなる!そんな酒粕のよさのつまったおやつレシピです。

PHP刊 1,260円

最新刊 『寺田本家の酒粕レシピ』蔵人なかじの酒粕料理本
蔵人頭でマクロビオティック料理人なかじの酒粕レシピ最新刊が発売されました。目からうろこの新しい酒粕の使い方が66も紹介されています。
蔵人だからこそ知り得た寺田本家の酒粕の美味しさを最大限に生かしたレシピの数々をお試しください。
カバーをはずすともと摺り唄の歌詞がでてきます。

河出書房新社刊 1,575円

『 発 酵 道 』 

寺田啓佐著書  酒蔵の微生物たちが教えてくれた人間の生き方

子供の頃から、「どうして争いがなくならないのだろうか」「争わなくても、生きていくことができないものだろうか」と思ってきた。学生時代には、平和運動や学園闘争にも参加したが、戦争に反対するセクト同士までもが対立し、争ってしまう現実に愕然とした。
どうしてだろう。なぜだろう。人と人が争うことが、不思議でならなかった。「こんなひどい世の中になろうとは、想像もつかなかった」近所に住む老人が嘆く。
テレビは毎日のように凶悪事件を報じ、いじめや暴力、恐喝は、日本中どこででも起こっている。見ず知らずの人への無差別殺人も、あとをたたない。家庭の根幹をなす親子関係もが壊れ、親殺し、子殺しへとエスカレートしてきた。世界中、紛争や飢餓、貧困、病気はやむことがない。自然破壊、環境汚染も加速度的に進んでいる。

老人が言うように、不幸がどんどん広がっている。広がっている不幸は、世界などという外の話ではなかった。私自身、身から出たさびで体を壊し、会社を倒産寸前にしてしまった。
どうしてだろう。なぜだろうとふたたび思うようになった。何か大切なものを見落とし、間違った方向に進んできたのではないだろうか。そう考えたとき、発酵醸造を生業とする私自身の世界を見つめた。発酵醸造という微生物の世界。その世界は、互いに支え合って生きる、相互扶助の力が大きく作用している。微生物の世界は、「愛と調和」で成り立っていた。それを見て、「人間も微生物のように、発酵しながら生きれば、争わなくても生かされる」ことを確信した。
目に見えない小さな生き物である微生物が、自然を学ぶうえで大きな手がかりとなった。微生物の世界は、生き物の世界。生き物の世界は、自然界。そもそも自然というものは、なんだろう。自然の仕組み、働き、力は、どうなっているのだろう。
自然界には法則がある。その法則をきわめようとした近代科学は、逆に自然界そのものから離れていったのではないのか。自然から遠ざかれば遠ざかるほど、不幸や病に近づくことになったのではないか。
その学びを進めるうちに、「発酵」と「腐敗」という二つのファクターが、すべての物事を考えるものさしとなり、自分自身が生きるうえでの指針にもなっていった。やっと見つかった。うれしかった。論語の「朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり」の心境だ。涙が止まらなかった。
混迷する世を救い、人として進むべき道を明らかにしてくれる鍵が、微生物の暮らし方のなかには、いっぱい隠されていた。人類が本当の平和、健康、幸福を達成する方法も、そこにあるのではないかと思う。
即席の酒造りをやめて自然酒造りに転向し、発芽玄米酒を製造する過程で、目に見えない生命、微生物に出会った。
彼らから学んだたくさんのことを、ここに記そうと思う。微生物の生き方が、この本を手にしてくれた方々のお役に立つことを願って。~「はじめに」より転載

 

 

酒粕昆布蒸しパン

土曜日, 2月 2nd, 2013

 

寺田本家の酒粕、熟成酒粕と自家製甘酒で作った

とても美味しい蒸しパンです。

これ以上の取り合わせのないような和風パンですよ。

                       ¥280

 

蒸しパン 2

 

七福神の恵方ロールケーキ『三人娘』

土曜日, 2月 2nd, 2013

恵方巻ロールケーキ

昆布の舟に、七粒の大豆が七福神として載っていますヨ。

三人娘ロール

 

 長女「五人娘」(寺田本家の酒粕・五人娘入り)、

次女「秋田娘」(羽場さんの糀で作った甘酒)、

三女「北海娘」(へうげみそと五人娘)

それぞれ¥440ですョ。

 

恵方巻ロールケーキと杏仁豆腐

三人息子とオーガニック・グラッパ

土曜日, 2月 2nd, 2013

三男杏仁豆腐

三種類の杏仁豆腐を作りました。

名付けて梅男、竹男、松男  三人息子」です。

 

梅男 ¥380

山椒風味の杏仁豆腐です。

アルコールを飛ばした梅酒シロップでお召し上がり下さい。

竹男 ¥400

「麹の力」で作った甘酒、黄金生姜入りの杏仁豆腐です。

アルコールを飛ばした梅酒シロップでお召し上がり下さい。

松男 ¥440

イタリアのブランディー「グラッパ」の香りのする抹茶味の杏仁豆腐です。

「麹の力」で作った甘酒ソースでお召し上がり下さいませ。

抹茶はオーガニック抹茶「甜々/てんてん」です。

 

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オーガニック栽培したカベルネソービニヨン種のブドウからワインを造り、

残った物を蒸留して造られた薫りの高いブランディー。

『グラッパ (オーガニック・ブランディー)』 イタリア     

                                500ml アルコール度数45%  ¥5、775

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福岡正信生誕百年祭

土曜日, 2月 2nd, 2013

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福岡先生がご存命ならば、今年で百歳だったんですね。

もっと生きて欲しかったです。

ビデオ撮りを依頼されましたが、いとまなく文章を送りました。

その中に、徐福に関したことを記しました。

そのことは、また何時かお話しますね。

盛会なることを祈ります。

生チッチ!!

金曜日, 2月 1st, 2013

チッチ2

先回も、まほろばの新年会でご紹介した宮の森の「ツィオ ヴィットリオ」さん。

周囲の方々にも隠れファンが多いのにビックリします。

気取らない家庭料理に、心から舌鼓が打てるんですね。

最初に出される前菜のチーズ。

これが、みな手製のチッチなんです。

時折、まほろばでエリクサー水を汲んで、仕込み水にします。

 

チッチ 1

 

乳酸菌やレンネットを使うと、決まりきった固定的な味しかでないのが、

チッチだと、毎回微妙に味が変化して、客としても毎度楽しみにして行きます。

当のシェフ本人さんが、一番喜んでいて、メチャ作るのが面白いということです。

とにかく、今までにないチーズ作りで、ワクワクしながらいろいろな工夫が出来るのが、

また興味が尽きないところということでした。

カッテージ風なのですが、あのカッテージとも違う、微細な風味がたまらないですね。

 

チッチ 3

珍苗字!!!

金曜日, 2月 1st, 2013

イタリアンシェフ纐纈こうけつ)」さんのご縁で、

珍しい苗字をネットで集めてみました。

 染物のこうけつ染めはこの字ですね。 纐纈の「頁」を取って見ると「絞結」となる。 布地を絞って糸で結ぶ染料に浸す。 糸を解くとそこだけが白く染め残る。 まさに纐纈染めですよね。 なぜ「頁」を絞結の文字の脇に付けたのでしょう。 頁は本の「ページ」じゃない。 首のことで、頭と同じ。 頭は人間のもっとも大事な部分だから、人間自体を表す。 「ハ」は足に当たるわけです。 「纐纈」の文字にしたのは、人間がつくった絞り染め」っていうことなんですね。

 

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 ZioVittorio (ツィオ ヴィットリオ) の纐纈(こうけつ)シェフ

北海道札幌市中央区宮の森3条10丁目3-3  011-590-1290 

 

東雲(しののめ)」「母田(ぼた)」「吐院(はいん)」「小万(おまん)」さん!!!

  • 私の大学の教授には羽床(はゆか)先生がいます。
  • 昔の高校野球の審判で“西大立目にしおおたちめ)さんと言うかたがいました。
  • さっか)さん、毛受めんじょう)さん、百足むかで)さん、大豆生田おおまみょうだ)さん、十八女さかり)さんなどの知人がいました。
  • 有名人では 元阪神タイガースにいた 源五郎丸(げんごろうまる) が名字です由来を訊いたら 古くから 染物に携わってきた かなり由緒正しい姓なんだそうです。
  • すずき)さん。古田土こだと)さん。東入来ひがしいりき)さんです・・・・・・。
  • 射鹿いるか)さんです。
  • 久曽神きゅうそじん)という友人、初対面の人は例外なく『クソガミ』と読むと凹んでました。
  • 小鳥遊さんはいかがでしょう。「たかなし」と読むそうです。小鳥が遊べるのは、鷹がいないから、という意味だとか。伽羅谷もしくは伽羅屋キャラヤ)、阿比留アビル)。可児かに)さん・
  • 出戸端(でとばた)、萌出(もいで)、若狭谷(わかさや)、密本(みつもと)さん、(しろ)さん。
  • 宮城出身で 留守るす) さん。
  • 取引先の方で、鼻毛さん(はなげ)います。
  • 高校の同級生で興梠こうろぎ)という名字の人がいましたよ。
  • 一二三 ひふみ

月見里さん。

昔、高いとこでいえば、山。で、月見里とは、山が無い場所。答えは、「やまなし」でした。

さん

 さわやかな苗字ですね。この読みは基本的に「そら」です。 そういう仏教徒の人が、明治必姓令により、苗字をつけなくてはならなかった時に付けたみたいです。 地名から来てる方もいます。こちらは、「くう」という場合もあります。 愛知県・広島県などで、空(そら・くう)の地名があります。上手の土地、山の頂上、高台の田など、上の方、空に近いってことですね。こちらの地名から来ている人もいらっしゃいます。 で、書きたかったのが、これ。 「きのした」と読む方がいらっしゃいます。 豊臣氏流木下氏。徳川の世になり、世間をはばかって出家しました。出家には家名が無いんだそうで、強いて存在を示す時はカモフラージュして、「空」と書くことにしました。 なぜ、「空」の字を用いたか?
 五十音のカ行はカキクケコで「キの下」には「ク」がある。  キノシタは「空(クウ)」

月一日さん

 旧暦の四月一日は、今の暦で言うと、五月下旬あたりです。そろそろ暖かくなってくる頃です。衣替えの時期です。 昔は、衣服を何枚も持てる裕福な時代ではなく、着物の綿を抜いたり入れたりして、調節していました。 で、四月一日はなんて読むか? 四月一日頃には、暖かくなってきたので、綿を抜くわけです。わたをぬく。わたぬき。そう、「わたぬき」と読みます。苗字には、当時の風俗も表れているんですね。

月一日さん

 八月一日さんっていう方もおられるんですね。 旧暦の八月一日は、今の暦で9月の下旬、ぼちぼち稲の刈り入れの時期です。今は、コンバインで収穫していますが、当時は当然手で穂を摘んでいました。 八月一日頃には、刈り入れで穂を摘みます。ほをつみ。ほづみ。そうです。「ほづみ」と読みます。なんか、風情がありますよね。

さん

 「十」数字の10です。こういう苗字の方いるんです。さて、なんて読むんでしょうか? そのまま「じゅう」? まんまやん? まあ、まんまでいいんですけど・・・。そういう方、いらっしゃいます。 他に、「十」っていう漢字は、棒が十字に交差しています。なので、「よこたて」と読む人もいます。「たてよこ」じゃないところがミソですよね。苗字っぽいです。 また、十字路のことで、「つじ」と読まれる方もいます。「辻」の「しんにょう」を省いちゃったんですね。 もうひとつの読み、ひとつ、ふたつ、と数字を数えていきましょう。みっつ、よっつ・・・ここのつ、とう「とう」だけ、なにかがないですねぇ~。「つ」がないんです。これが、基になった読みがあるんです。「つ」がない、なので、「つなし」です。 以上、「十」さんでした。

十の縦棒の根元が跳ねた漢字、さん

 想像して下さい。「十」を書いてみましょう。 横棒を引く。そして、縦棒を書く。で、縦棒の根元を跳ねさせる。 それじゃ、「十」ではないって? そう「十」じゃない。縦棒が跳ねたら、「十」じゃないんです。漢和辞典にも載らない、苗字にだけ使われる漢字です。 この字は、表意文字なんです。「木」の枝がもげた様子、または「枝」ない様子をあらわしているんです。前者から、「もげき」「もぎき」。後者から、「えだなし」という読みが生まれました。 そして、棒が重なっていることから、木々が茂って、枝が重なっている様子を想像。茂る木々で「もきぎ」、またナマって「ももき」と読む。かなり苦しい。なんか、変じゃないですか? なんで、こんな漢字(この苗字の方すみません)作る必要があるわけ?って思いませんか? どうやらですね。毛木(もぎ)・茂木(もぎ、しげき、もてぎ…なんでこう読むのかな~?)・百木(ももき)・桃木(ももき)・李木(もちき…これもなんで?)・百鬼(ももき)・繁木(しげき)・茂樹(しげき)などの苗字が入り混じって、面倒なので「十の縦棒の根元が跳ねた字」で表しちゃったみたいです。

 さん 「はな」さんです。

 鼻は、顔の中で、出っぱてますよね。 地形でも、○○崎や、××岬みたいに出っぱってるところを、九州や、四国では、方言で「はな」、漢字でも「鼻」と書くんだそうです。 つまり、地名が由来なわけです。
「わしゃ、<○○鼻>の、はちじゃよ。」って言ってた人が明治8年の「苗字必姓令」にて、苗字を付けなければならなくなった。「どうすんべ? ○○鼻…でいいべか? 長いな。 ○○とっぱらて、<鼻>にすんべ」 ってな感じで、「鼻(はな)」という苗字が出来たようです。

さん

 「さっか」または「さかん」と読みます。 昔の太政官の役職の、属官(さかん)から、来ているらしいです。文書を書く役目を司っていて、いろいろと「目」の役目をしていたんで、そう漢字を当てたみたいです。読みの「さっか」は、音が詰まっただけのようです。

さん

 「くち」さん。 これはまさに地形からで、「山口」「水口」「滝口」「口沢」「口村」の「口」で、略しちゃったみたいです。

さん 「みみ」さんです。

 昔の戦争。敵を何人倒したか証明したい、首を取るというが、首なんか持ってたら、重くてしょうがない。どうしたか。耳を切って首の代わりとした。その耳の埋葬地が、「耳塚」。耳塚を守ってた人たちなのでしょう。「塚」を省略したわけですね。

さん

 顔さん、いらっしゃいます。でも、由来わかんないんだな~。 「がん」と読むみたいです。孔子の高弟・顔淵がいます。

私市さん

 さて、なんて読むでしょう? 声優ファンなら知ってるかも知れない。男性声優好きなら。私市敦さんっていますよねぇ。子安さんとラジオやってましたね。 実は、わたし漢字で知らなくて、ラジオも数回しか聞いたことが無く、しかも耳で聞いたのも間違ってました。 ラジオだと「ひさいち」と聞こえてましたが、違ったんですね。「きさいち」と読むんです。 どう考えても読める名字じゃない。なんか意味があるんだろうなぁと広辞苑を紐解くと・・・近いのがありました♪ 『私部(きさいちべ)
 后妃のために作られた部所で、元々の漢字では「后部」と書く。この漢字なら、読みとなんとなく結びつきますね。后妃の私的な部所だったんで、「私部」という漢字になったようです。 「私部」に関わった人の末裔なんでしょうねぇ。間違いないでしょう。「部」が取れて、「きさいち」の「いち」に漢字を当てたんでしょう。

九十九さん

 これ、読みは有名ですよね。「つくも」と読みます。 アニメとかマンガで名前で使われることが多いですね。苗字の方もいらっしゃるんですね。 九十九っていうのは、いっぱいって意味みたいです。九十九島という島があるらしいんですが、おそらく、小さい島がたくさんあるんでしょうね。 ところで、「つくも」っていう読みですが、も=百なんです。百が無限くらいの意味なんじゃないんでしょうか。それに届きそうな数が、九十九なんでしょう。 「つくも」って読みの苗字がもう一つあります。それは「」です。百の一を取ったんですね。洒落てますよね。

さん

 まんま、「たい」さんです。 淡路島にけっこういらっしゃるらしい。 いわくは…「島の周りはみな海で魚にとりかこまれているから」 つまり、周りは魚であります。魚周ね(^^;

薬袋さん

 武田信玄が薬籠(やくろう)を落としました。 それを拾った百姓が届けます。 信玄は問う。
 「薬袋を見たか?」(脅し気味? 隠したかったんでしょう)
 「見てないです」と百姓。(怯えつつでしょう)
 「おまえは以後、ミナイと申せ」(答えに満足して、ほくそえみつつ?)
 「どう書けばよろしいのでしょう?」
 「薬袋と当てよ」

 落語入ってますね。 まぁ、ともかく、「みない」です。 この「薬袋」には、読みがもう一つ存在します。「いらず」です。 「みない」も含めたもう一つの説。 甲斐の国に、長田徳本という名医がいました。全国を牛の背に乗り、十八文の旗を立てて周り、薬代を十八文もらって去るという。 江戸で、二代将軍秀忠の風邪を治した時も、「ほうびは汝の思うままぞ」と言われるも、「へい、十八文」と去ったといいます。

 本草学にも素養があり、甲斐の勝沼町の近くの岩崎村に立ち寄った時、村民にブドウの栽培を教え、薬に応用しました。のちの甲州ブドウの恩人です。 彼の功績は、現在の「トクホン」に残ってます。(ただ名を借りただけだと思いますが…) 甲斐の国とは、現在の山梨県辺りです。山梨県の巨摩郡に早川町に「薬袋(みない)」という地名があります。 徳本先生は百十七まで生きたらしい。全国周りを止めた後、落ち着いた先が、ここではないでしょうか。 徳本先生がいたために、富山の薬袋を「みない」。薬袋「いらず」、だったのではないでしょうか。

 九石さん

 読みは、一般的(?)なのがくいしさんらしい。他にも読み、いろいろあります。それはのちほど。 池に9つ石がありまして、とかそういうのじゃないんです。 「九」は、「三三が九」の「九」で、「三三」に意味が隠されてます。 「三三」はササで、小さいこと。さざなみの「さざ」と一緒ですよね。さざなみは「小さい波」ってことなんですね。これ知ってわかりました。 つまり、「小石」ってことです。小石のある地名から起こった。川辺に小石ジャラジャラな近くに住んでたんでしょうね。 それにしても、この苗字、いつできたんだろう? 「明治必姓令」のころに、一般に掛け算ってのは、知られていたんだろうか? 明治とかの数学ってのは、どうだったんだろう…。ちょっと疑問。

 「九石」の他の読みは、「さざらし」「さざれいし」「ささいし」「さららし」「さらし」などいろいろ…。

さん

 「かが」と読みます。 「かが」は雑草、または芝のことなのだそうです。 「禾(か)」が雑草、芝を、そして、つくりの「りっとう」が生えている状況を表しています。象形文字みたいなものですね。 なんで、「かが」とダブるのかはよくわかりません。 「いっぱい」って感じでダブらせたんでしょうか? この「利」、知らないと読めないと思いきや、もう小学生くらいでも自然と読んでたりします。 「足利」を「あしかが」って読めない人あまりいないですよねぇ。 実は自然と溶け込んでる読み方のようです。
 ちなみに、「足利」は、「葦」が生えているところの意味らしいです。 ところで、なんでこの苗字を取り上げたかというと、声優さんで「利田優子」さんって人がいまして、この読みが気になってたんですよねぇ。

 この苗字の場合はどうなんでしょうねぇ。 原っぱを耕して、田んぼにした一族って感じなんでしょうかね? ちなみに「禾」に稲の意味があるから、稲作の一族? いずれにしても、推測を出ないんですけどね(^^;

十八女さん

 「さかり」と読みます。 今も徳島県阿南町に町名が現存してます。 曰くは、神に祈り、交易の中心地・さかり場にするために、その地鎮祭に十八歳の女盛りの巫女を選んだわけです。 そのよく選ばれる場所だったんですかね?

十六女さん

 「いろつき」と読みます。 神様の中にも好みがある。盛りの女が好きな神、色気づく年頃の十六歳くらいの女が好きな神、いろいろだ。この姓はこれがきっかけでできたと思われる…ほんとか?神様に好みがあるのはいいとして、それが苗字になってしまうのでしょうか?(^^;

十八娘さん

 「ねごろ」と読みます。紀州根来(ねごろ)寺の僧が織田信長にそむいて滅ぼされそうになった。 逃げ延びた僧は、カモフラージュとして、「十八娘」と名乗った。 根来寺の再起を誓った合言葉のようなものだ。 しかし、なぜ、この当て字をしたのだろう? 単純に尼さんだったのかしら?

五百頭旗さん

 「いおきべ」と読みます。 五百人の部下を率いて戦う旗頭の意。祖先が立派な武将だったことを後世に伝える苗字なんですね。 …と言いたいところなんですが、違うんです。実は当て字なのです。 同類姓に「五百木部」「伊福部」があります。読みも同じです。 「伊福部」はイフクベ、イブキベとも読みます。 文化放送に伊福部崇という構成作家さんがいますよねぇ…。 古代に伊福部という職業部があったらしく、これに由来するらしい。伊福部がどんな内容の職種であったのだろうか? イブキとは風や雪、嵐の服ことで、人工的に風を起こす工人であったという説。笛吹部ではないか。笛を吹いて風が起こるのだろうか? 風を起こす神の子孫かもしれないという説。息を吹くで、踏鞴族、古代の製鉄をしていた部族の子孫ではないかという説。 古事記に滋賀県と岐阜県の県境にある伊吹山で日本武尊(ヤマトタケルノミコト)がこの山上を攻めてさんざん苦しめられたとある。この伊吹山の神は景行天皇の皇子、五百木入日子命(イホキイリヒコノミコト)と魂で兄君だと知らずに日本武尊がこの山に攻めたからだと言われる。 この神の御名代部(みなしろべ。よくわからんす…)が五百木部で、伊福などとなって後世に続いたという説。すんごく壮大であります。

NHK「うまいッ!」に石孫さん

金曜日, 2月 1st, 2013

石孫さん 室

 

2月10日朝、6;15~6;49放送の

NHK「うまいッ!」は場所が秋田、

食材は「自家製味噌」です。

石孫さんの風景も映りますよ!!!

http://ishimago.main.jp/