まほろばblog

Archive for 10月 23rd, 2012

「ダライ・ラマ法王」講話会

火曜日, 10月 23rd, 2012

                         致知出版社 から

チベット仏教の最高指導者として、様々な苦難を乗り越え、
全世界の人々に仏の慈悲と平和のメッセージを送り続けるダライ・ラマ法王は
「愛や思いやり、優しさから真の活力は生まれる」
と、誰もが理解できる優しい言葉で語りかけます。

【宗教は心の科学】と話され、科学者との対話集会にも参加されていますが、
この度、日本の著名な科学者とのコラボレーションが開催されます。

アジアで初、しかも日本での開催ということで、
ダライ・ラマと親交があり、致知出版社の連載【生命のメッセージ】でもお馴染みの、
筑波大学名誉教授・村上和雄先生が実行委員長を務めらます。

日程は【11月6日(火)、7日(水)の2日間】
会場は【ホテルオークラ東京 平安の間[本館1階]】

たいへん貴重な機会となるため、村上先生からも「致知」の読者の皆さまにも
ぜひにとご紹介くださいました。

法王は、2日間にわたって行われるプログラムのすべてのセッションにご参加されます。

●プログラムは以下の通りです。

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2012年11月6日(火)
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● Session 1 【遺伝子・科学/技術と仏教】

 ・時間  9:10~11:30(開場8:10)

 ・内容 ダライ・ラマ法王 オープニングスピーチ
    「遺伝子オンでいのちを輝かす」:村上 和雄(筑波大学 名誉教授 農学博士)
    「佛教が唱え物理学が明らかにしたこと」:志村 史夫(静岡理工科大学教授工学博士)

● Session 2 【物理科学・宇宙と仏教】

 ・時間  13:25~16:00(開場12:25)

 ・内容 「“こころ”が結ぶ科学と宗教」:佐治 晴夫(鈴鹿短期大学 学長 理学博士)
      「たくさんの宇宙」:横山 順一(東京大学大学院 教授 理学博士)
      「“あいまいさの科学”と人間」:米沢 富美子(慶應義塾大学 名誉教授 理学博士)

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2012年11月7日(水)
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●Session 3 【生命科学・医学と仏教】 

 ・時間  9:05~11:30(開場8:10)

 ・内容 「睡眠の謎」:柳沢 正史(筑波大学-テキサス大学 教授 医学博士)
     「病は気から」:矢作 直樹(東京大学大学院 教授 医学博士)         [
          「幸福感の脳機能を測ることは可能か」:河合徳枝(稲田大学研究院客員教授医学博士)

●Session 4 【クロージングセッション】
  新たな科学の創造への挑戦~日本からの発信~

 ・時間  13:20~15:00(開場12:20)

 ・内容 ダライ・ラマ法王と全出演者による総括的対話:ダライ・ラマ法王のお言葉

 モデレーター(SESSION 1~4
  下村 満子 (ジャーナリスト 元「朝日ジャーナル」編集長)

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詳細・お申し込みは下記のアドレスをご利用くださいませ。

http://www.tibethouse.jp/dalai_lama/2012japan/tokyo.html

※チケットはセッションごとに必要となります。4つのセッションすべてに参加される場合、
 チケットは4枚必要です。

既にご予定がおありかもしれませんが、大変貴重な機会ですので是非にと思い、
ご紹介させていただきました。

                                    致知出版社   

「札幌人図鑑」まほろば農園、出演!

火曜日, 10月 23rd, 2012

1年365日、毎日配信の漢方型メディア『札幌人図鑑』を、

インタビュアー・福津京子さんが実践。

今日、まほろば自然農園の宮下洋子代表が出演。

これまでのあれこれを語っています。

http://sapporojinzukan.sapolog.com/e379885.html#more

 「奇跡の看護術はこうして生まれた」

火曜日, 10月 23rd, 2012

  紙屋 克子 (筑波大学名誉教授)

      『致知』2012年11月号
        特集「一念、道を拓く」より
        http://www.chichi.co.jp/monthly/201211_pickup.html

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まずアメリカの論文を調べてみたのですが、
意識障碍に関する研究がなかったのです。
え? アメリカにもないんだ。であれば、
もう自分たちでつくるしかないと。

【記者:しかし周りには教科書も研究論文も何もないわけですよね】

そうですね。皆目見当がつかないので、
患者さんをじーっとよくよく見て考えたんですね。
すると、あることに気づきました。

健康な人は日中起きて、夜間眠っている。
一方、意識障碍の患者さんは夜中開眼している人もいれば、
昼間いくら声を掛けても、睡眠状態にある人もいたりと、
睡眠と覚醒がバラバラなんです。これではいけない。

健康な人は日中起きて活動する。
睡眠は日中活動した脳を休息させて、
翌日の活動に備えるためのものですから、
夜眠らせて、昼間は覚醒させる。

そうすれば刺激に対する患者さんの反応が
よくなるだろうと考えました。

それから、健康な人は横になって食事はしない。
健康な人は行動を起こす時、たいてい座るか立っています。

だから、胃が食べ物を受け入れやすい形状にするためには、
まず起こして、座位にしないといけないと気づき、
さっそく実行しましたところ、ドクターが飛んできて、
「何をするんだ、君たちは!」と。

【記者:ああ、医師から抵抗された】

私どもの活動と意図を話しますと、賛否両論。
医局対看護チームの対立になったのですが、私たちが
「もともとドクターの仕事である業務の補助をしている
時間とエネルギーを、新しい看護の勉強や実践にも使いたい」
と訴えたのでいよいよ大変なことになりましてね。

最終的には、こちらの言い分が通って、
ようやく私たちのやりたい、
新しい看護を工夫してできる環境が整ったわけです。

【記者:具体的にはどんなことをされたのですか。】  

例えば、人間は通常一日約1・5リットルの唾液が出るのですが、
患者さんからはそれほどの唾液量は吸引しておらず、
肺炎も起こしていない。

ということは飲み込んでいるということであり、
それなら食べることができるのではないかと考えました。

それまであまり意識に上っていなかったことを
丁寧に観察して考えていくと、刺激に対して
反応を引き出すことが可能ではないかと思うようになり、
食べる、排泄する、感情を表現するといったことを
項目ごとにつぶさに調べていきました。

さらに、人間の赤ちゃんの成長理論から、
人間が人間になっていくプロセスを辿ってみたらどうだろうとか、
本当に試行錯誤でいろいろなことをやってみました。

そうすると、それまで治療法がないと言われていた
遷延性意識障碍の患者さんの中に食べられるようになったり、
行動を起こせるようになった人たちが出てきたのです。

そういう積み重ねの中で、意識障碍の患者さんは、
反応しないわけではなく、反応できるような環境づくり、
適切な刺激を与え続けていく生活を
もう一度組み立て直すことが必要だということが分かってきました。

         (略)

私はよく看護師の皆さんに

「一番新しい教科書は、いま目の前に横たわっている
 患者さんご自身ですよ」

と言うんです。

そういう意味で、専門職はチャレンジャーでも
なくてはいけないと思うんです。

教科書から学べるのは安全で確立された、
既に誰かがやってくださった成果ですよね。

けれど、本当に私たちに期待され、
求められていることは、
いま目の前に横たわっている患者さんが
私たちに示しているということです。

ただ、それは見る視点を持たない人には何も見えず、
聞く耳を持たない人には何も聞こえないのです。

そして常に感性を磨いていない人の心には
何も響いていかないものだともいえます。

常に見る視点、
人の意見を尊重する耳、
かつ、豊かな感性がなければ、
看護師としてのミッションは
果たせないのではないかと思っています。