まほろばblog

Archive for 12月 3rd, 2011

心に響く言葉

土曜日, 12月 3rd, 2011

特集「生涯修業」より、
 
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● 鈴木 章 (ノーベル化学賞受賞者・北海道大学名誉教授)
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  チャンスを生かすには、注意深い心、
  一所懸命にやろうとする精神、
  それから謙虚であることが大切です。

    何か結果が出て、それを自分の偏った見方で
    捻じ曲げたりせず、正直に見ること。
    そういう積み重ねがあって初めて何%かの確率で、
    幸運の女神が微笑んでくれる機会に恵まれるかどうか、
    というのが我われの世界です。

 
  
  
● ドナルド・キーン (日本文学研究者)
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   人生に大切なことは、私の場合は
   やはり有意義な仕事をすることでしょうね。
      私は自分の仕事をとおして外国人の日本に対する理解が
      深くなったことが一番の誇りであり、喜びなんです。

●福島智(東京大学先端科学技術研究センター教授)
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   人間の理解の及ばない何ものかが生命の種をもたらし
   我われがここに生きているとすれば、
   この苦悩、私の目が見えなくなり、
   耳が聞こえなくなるという特殊な状況に
   置かれたことには何かしらの意味があると思いたい。

●堀文子(93歳の日本画家)
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   絵は他の人から学ぶことはできない。
   ただ、自分のだらしなさが直に現れます。

      ですから自分がいつも未知の谷に飛び込むこと。
      不安の中に身を投げていなければダメだと思っております。
      いつも不安の中に身を置いて、
      昨日をぶち壊していくということです。

被災者の自殺…孤立防ぐ対策を

土曜日, 12月 3rd, 2011

住職、作家・玄侑宗久さんインタビュー全文(上)

 東京電力福島第一原発の事故はいつ収束し、いつふるさとに戻れるのか。先の見えないストレスを抱える福島の被災者の心境を、福聚(ふくじゅう)寺(福島県三春町)住職で芥川賞作家の玄侑宗久さんに聞きました。(佐藤光展)

 ――東日本大震災を境に、福島の人たちはどう変わりましたか。

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 「深刻な心の分裂が起こっています。例えば、飯舘村は津波や地震でやられたわけじゃない。高い放射線量のために、住民は避難したのです。だから今も『除染後、必ず村に帰る』という思いが強い」

 「しかし、心の中では『戻れないかもしれない』とも感じている。そのため誰かが、『戻れるはずはない』と言うと過剰に反発します。心に封じ込めた不安を口にする人が許せないんですね。だからこそ国は、土壌が汚染されたすべての町の徹底的な除染と共に、戻れなかった時のための代替地を早急に確保しなければいけない。分裂した心には、両方が同時に必要なのです」

 ――震災の影響で、檀家(だんか)からも自殺者が出たと聞きました。どのような原因ですか。

 「ある男性は、福島県内のタバコの作付け中止が発表された翌日に、命を絶ちました。うつ病を患い、長く働けなかったのですが、親戚のタバコの作付けだけは手伝っていた。それが奪われてしまったのです。自分の家のお墓が地震で壊滅的に壊れたことにショックを受け、自殺した若い女性もいます」

 ――周囲から見れば、それほど深刻に思えないことでも、自殺の引き金になるのでしょうか。

 「自殺は竜巻のようなものだと思います。竜巻を人工的に起こす装置を見たことがあるのですが、四方向から風を送って発生させていました。自殺も最低、四つくらいの原因が絡んで起こるのではないでしょうか。亡くなった二人は、持病や震災の影響などで、既に三つの深刻な原因を抱えていたのだと思います。追い込まれている被災者はほかにも多く、仮設住宅での生活が四つ目の原因とならないように、孤立を防ぐ対策など十分な支援が必要です」

2011年12月1日 読売新聞)

玄侑宗久(げんゆう・そうきゅう)
 1956年、福島県生まれ。慶応大学中国文学科卒。様々な職業を経て京都天龍寺専門道場に入門。現在は福島県三春町の福聚寺住職。2001年、「中陰の花」で芥川賞を受賞。東日本大震災復興構想会議のメンバー。