まほろばblog

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「プアなイノベーションより、優れたイミテーションを」

木曜日, 10月 27th, 2011

       
       
    佐々木 常夫

                  (東レ経営研究所特別顧問)
        
   『致知』2011年11月号
 連載「20代をどう生きるか」より
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二十代という年代は知識も知恵も不足しているため、
いろいろな回り道をし、時間をロスしてしまいがちです。

ただ、私のように失敗を重ねてきた人間は、
次は失敗をしないようにと心掛けるため、
三十代に入るとそれほど失敗をしなくなります。

そして管理職になって人を使うようになると、
そこで人間は飛躍的に成長していくものだと感じています。

自分自身を振り返って最も成長したと思われるのは
三十代後半から四十代にかけてでしたが、
本当は二十代の時にもっと伸びなければいけないと考えています。

そしてそのためには二十代の時に
どんな人が周りにいたかが重要になってくる。

しかし会社の中では皆、自分自身の仕事に追われているため、
メンターとなってくれるような人はほとんどいません。

従ってその年代には、この人ならと思える人を自ら探しに行き、
私を指導してくださいとお願いをすればよいでしょう。

当時の私が行わなかったのはその点で、
せっかく優秀な人がたくさん周りにいたのだから、
その人たちに教えを請うようにしていれば、
もう少しよい二十代が過ごせたのではないかと反省しています。

また、仕事を早く覚えるための秘訣は、
優れた人のやり方を真似るということです。

尊敬する上司が朝何時に出社するのか、
お客様とどう接しているのか、
どんな電話のかけ方をしているのか、等々。

私はよく

「プアなイノベーションより、優れたイミテーションを」

と述べていますが、一般的な会社の仕事で、
創造性を求められる仕事はほとんどありません。
従って、優れた仕事をしている上司や先輩のやり方を
注意深く観察し、どんどん真似ていけばよいのです。
http://www.chichi.co.jp/monthly/201111_pickup.html#pick6