いにしえは今
金曜日, 10月 21st, 2011元寇の座礁船が、伊万里湾の海中で発見されたという。
水軍が4400隻というから大軍団、一挙に玄界灘に現れた時の恐怖は察するに余りある。
宋代に無学祖元が、自国の能仁寺にいたとき、元の大兵に取り囲まれ、
一人端座しておられ、剣を突きつけられた。その時、
「この世のすべては空である。剣で斬るならそうしなさい。
しかし斬るといっても空を斬るのだから、電光が光るうちに春風を斬るようなもので手ごたえはないだろう」
見事な禅師の見識と度量に兵は逃げ去ったという。
乾坤、地として孤筇を卓する無し
喜び得たり、人空、法も亦た空
珍重す大元三尺の剣
電光影裏に春風を斬る
母国、宋の滅亡に遭うや、直ちに日本に渡来し、時の執権北条時宗を心血そそいで薫陶し、
彼をして二度にわたり元軍を撃滅せしめた。
時宗が、元の使いを、「・・・・・電光影裏に春風を斬る」と唱えて、一刀の許に斬首したのは、有名な話である。
700年もの長い歴史物語が、水の中から生々しい現実を伴って現れ出でた。
歴史は、常に新しいのだ。
Posted by mahoroba,
in 人生論
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