まほろばblog

Archive for 5月, 2012

「岡潔先生から学んだこと」

火曜日, 5月 8th, 2012

        
       
 占部 賢志 (中村学園大学教授)
        
   『致知』2012年6月号
             連載「語り継ぎたい美しい日本人の物語」より

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岡潔(おか・きよし)先生は、なつかしさの感情が
日本民族にとっていかに大切なものか、
心魂を込めて説いてやまなかった方でもあります。

ある時はこんなふうに言われました。

「ともになつかしむことのできる
 共通のいにしえを持つという強い心のつながりによって、
 たがいに結ばれているくには、しあわせだと思いませんか」

(『春宵十話』)

この「なつかしさ」については、印象深い思い出があります。

時は昭和四十七年、筆者が大学一年生の時です。
博多で開かれていた市民大学講座に岡潔先生がお見えになり、
特別講演をされたのです。

登壇された先生の白髪痩躯(はくはつそうく)の姿を
目の当たりにして息を呑みました。
隆々とした白い眉も印象に焼き付いています。

椅子にお座りになって講演を始められると、
何やらポケットから出される。
一本の煙草でした。

これを両手でいじりながら話が進む。
机の上には中身がこぼれ落ち、
先生は時々それを手のひらで掬われるのです。

演題は「日本人と『情』」というもので、
日本的情緒の恢復(かいふく)を語った珠玉の講演でした。
まず、自分とは何かが分からなければ
何事も始まらないと先生はおっしゃる。

そして、こう断言されたのです。

「日本人は情を自分だと思っている民族です。
 だから、どんなに知的に納得しても、
 情が納得しなければ本当には納得しないのです。

 いいこともいけないことも、情に照らせば分かる。
 これが日本人の道徳です」

こんなことを聞いたのは勿論初めてです。
偉大な数学者が知ではなく
「情」が大切だと言うのですから、びっくりしました。

それだけに、この時の印象は今も鮮やかに胸に刻まれています。

「日本の古典をお読みなさい」

独特の淡々とした口調で、いよいよ話は佳境に入る。
人には表層意識と深層意識の2つがあり、
日本人は本来、深層意識が基調となっていたはずだが、
今は表層意識が中心になってしまったとの指摘でした。

先生によれば、「なつかしい」という感情は
深層意識から生まれたものだそうです。

たしかに西洋人も「なつかしい」とは言うが、
過ぎた昔がなつかしいという意味で使うに過ぎません。
しかし、日本人は違うのだと言って、
次のような例を挙げられたのです。

「たとえば芭蕉に、秋深し隣は何をする人ぞ、
 という句があります。
 あれは隣の人を知らないから、なおさらなつかしい、
 そういうふうに使っているのです。

 ところが今、この日本人本来のなつかしさの感情が
 衰えてしまったのではありませんか」

旅先で襖一枚隔てた見ず知らずの他人、
そこに寂寥感を覚えるのかと思えばさにあらず、
むしろなつかしさを感じるのだとおっしゃるから、またまた驚きでした。

じつはこの時、筆者は少し考え込まざるを得ませんでした。
先生が強調される、「なつかしさ」の感情を
捨て去るような少年期を送って来ていたからです。

小中学校時代、父の仕事の関係でほぼ一年に一校ずつ、
西日本各地を転校しましたから、
なつかしさの元とも言える故郷は筆者にはありませんでした。

そこで、質疑応答の時間に思い切って手を挙げ、
どうしたらなつかしい感情が磨けるのか、質問に及んだのです。
先生は言下にこう応じられました。

「君にもなつかしさを育てる道はあります。
 日本の古典があるでしょう。その古典が君のふるさとです。
 古典をお読みなさい。
 そうすればきっと、なつかしさとはどういうものか分かります」

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以前のブログで、岡先生のことを書いたことがあります。

NHKのアーカイブスで映像が見られます。

http://www.mahoroba-jp.net/blog/2009/04/nhk_1.html

テマヒマ展・・・石孫本店さんが

月曜日, 5月 7th, 2012

 秋田湯沢の「石孫本店」さんからのお知らせ。

あの羊羹の「とらや」さんと「石孫」さんの職人同士のコラボで味噌羊羹の和菓子が完成。

 その発表が、今回の「テマヒマ展」が三宅一生さんの企画で8月末まで、

東京ミッドタウン・ガーデンで開かれている。

そのご案内を、どうぞ・・・・。

有限会杜石孫本店 杜長石川裕子
テマヒマ展(東北の食と住)のご案内
拝啓 薫風の侯、益々ご隆昌のこととお慶び申し上げます。
平素は、格別のお引き立てを賜りまして誠にありがたく厚くお礼申し上げます。
この度、東京ミッドタウン・ガーデンにおきまして三宅一生デザイン文化財団などが

主催する「テマヒマ展(東北の食と住)」が8月26日まで開催されますが、

会場で弊杜商品展示と醸造過程を紹介する映像が放映されております。

また、この企画展のために特別協力の㈱虎屋様が

東北の食材を使用したお菓子をつくりましたが、

㈱虎屋様からご指名いただき弊杜醸味噌を使用したお菓子が出来ました。

こちらは「とらや」東京ミッドタウン店にて販売されております。

お忙しいこととは存じますがお時間がありましたらご覧いただけれぱ幸いに存じます。

先ずは日頃のお礼旁々ご案内まで。

「幸せのケーキ天国」から

とらやでは、企画展の趣旨である“テマ(手間)ヒマ(時間)かけた東北のものづくり”に共鳴し、

東北産の原材料を用いた新菓子を開発。
とらや東京ミッドタウン店 限定菓子として販売します。
「テマヒマ展〈東北の食と住〉」および、「和菓子の手しごと」展にて、

「味噌黒米餅」の原材料である味噌を生産した「石孫本店(秋田)」の職人を、

とらやの和菓子職人が訪ね、

ものづくりに対する想いを響き合わせたドキュメンタリー映像も放映されます。

Photo: Yusuke Nishibe

● 「味噌黒米餅」 1個420円(税込)
販売期間:4月26日(木)-8月26日(日)数量限定販売
秋田県にある味噌蔵、石孫本店の「寒仕込み 雪見蔵」を使用。
独特の風味を活かすため、味噌に煮溶かした寒天を加えて固める、とらやにとっては新しい製法を考案。
それをこし餡と岩手県産黒米粉を使用した餅生地で包むことで、餅・餡・味噌の織りなすハーモニーを楽しめる新しい菓子が誕生。

この好機を逸せず

日曜日, 5月 6th, 2012

みなさま、ご承知のように、昨夜11時を以て、国内原発50基全てが停止しました。

42年ぶりということですが、感慨深いものがあります。

この0地点から、改めて新しい生き方を国民総がかりで模索しなければなりません。

江戸時代は鎖国状況であったとはいえ、自給自足で国全体で自活出来ていた訳です。

電力も、最低限切り詰めて、自活できる道を模索しなければならないでしょう。

北電泊原発のお客様が、北海道は何とかやりくり出来ても、関西が心配だ、とおっしゃっていました。

夏の関西は極めて暑いですから、どうにかこの峠を越えて欲しいです。

岩内の斉藤さんの長年のご努力が実って、今日の日が迎えられました。

でも、これは第一歩、あくまでも通過点に過ぎません。

完全撤廃に向けて、さらに地道な活動を持続しましょう。

子供の日に最もふさわしい、素敵な大人のプレゼントが贈られたと思います。

むそう商事ご一家、来訪

日曜日, 5月 6th, 2012

ムソーさんの貿易部門「むそう商事」の岡田会長ご一家が、

泰典取締役と共に、4日(金)、北海道旅行のついで、

ひょっこりお越しになられた。

ムソーさんのオーガニック商品は、商事さんに負うところが多く、

売り出しの際には、何時も多くのご賛助を頂き、

この場を借りて厚く御礼申し上げます。

商事さんの御蔭で、国内のオーガニックの普及率、認知度が、

格段に上がったことは周知のところ、感謝し尽くされません。

例えば、毎日ご好評を頂いているまほろばのパンの主力小麦粉は、

カナダのオーガニック粉で、この安全性、弾力性、旨みは他にないものです。

つまり、むそう商事さんの存在なくして、まほろばのパンは存在しないのです。

ありがたいことだと思います。

そして、大阪在住の岡田雄公会長は、まほろば専務と同い年で、

故岡田周三会長宅で開かれる故・櫻澤如一先生の講義に参加していた

家内共々まだ高校生で、互いに十代の多感な時をマクロで過ごしたんですね。

そんな岡田家との浅からぬご縁は、もう50年以上も続いている訳です。

これからも、末永くご指導賜りたいと存じます。

半年待った「まほろばアイス」

土曜日, 5月 5th, 2012

一昨日、閉店時に従業員のミサちゃんから(元保母さん)、

「さっき、男の子がソフトが食べられない、と、店で大泣きで泣いてかわいそうでした」

との報告を受けた。

何でも、ソフテリアが閉店後、来店されたらしい。

「それはかわいそう。明日來たら、教えてね」と伝えた。

案の定、昨日、その子が再び来店したとの知らせをソフテから受けた。

可愛い今日5歳の誕生日を迎える日向汀砂(ひなたなぎさ)くんだった。

汀砂くん、何とまほろばのソフトクリームを食べたいために、

半年アイスを我慢して食べないで来た、という!!!

そして、まほろばソフト販売初日を目がけて、

わざわざ遠い旭川から辿り着いて来たのだ。

その健気さに感動してしまったのだ。

なんという子だろう!!と。

そして、ご褒美にミックスナッツをあげると、

これがまた大好物だと、喜んで帰っていかれた。

お父さんの昌弘さん、お母さんの智恵さん、妹の紬貴(つむぎ)ちゃん、

心の豊かな素晴らしい一家にバンザイ!!!

絶品!糠漬け

金曜日, 5月 4th, 2012

糠漬けも絶品!!

その深みのある旨みには、もうビックリ!!

道内では、ニシンの糠漬けが有名ですが、あら与さんのに比べると、

その味わいの違いに、愕然としますね。

それは魚醤の「いしる」やイワシの糠汁の「さし汁」を混ぜるからでしょう。

このような伝統食文化を、北海道は真似る必要がありますね。

是非一度は、この糠漬け召し上がってください。

さすが、猛毒を恍惚たる名品に転換した石川県人の知恵を学ぶべきだと思いました。

「さば糠漬(丸)」        ¥840

「さば糠 フェレ 1枚(袋)」  ¥368

 

「さぱ ぬか漬」の召し上がり方  ㈱あら与 

「さぱ糠漬」は、さばの料理の仕方で、

一匹を背開き(腹開きは武士の切腹につながるので加賀の国では縁起悪いとされ、

背開きにしてあります)にして頭を付けたままのもの(丸といいます)と、

三枚に卸して身の状態で付けた物(フィレといいます)の二種類があります。

味は変わりませんが、お好みや料理方法でお選びいただければ良いと思います。

丸は頭が付いているので鍋に入れたり、頭の身も召し上がる方には必要なものです。

さば糠漬はさぱが新鮮なうちに塩をして1年間糠漬にした発酵食晶であり保存食です。

一度に召し上がる物ではありません。

 

食べ方は、丸は背割りしてありますので、頭に包丁を入れれば直ぐに二枚に卸せます。

骨の付いている方を骨だけ外せば三枚フィレになり、

骨の部分に付いている身は軽く焼いてつつくと取れるので

それもお茶漬けにしてもいいと思います。

フィレになった状態で皮を頭の方から剥ぎ、

好きな大きさ(召し上がる大きさ)切って

そのままお茶漬やお酒の肴にも最適です。

焼く場合は軽く灸る程度で、焼きすぎると塩辛くなります。

又フィレを2~3ケに切って酢(甘酢又はらっきょうの残った酢)に

2.3日浸けて召し上がっても美味しいです。

「へしこ寿司」にされる方は、フィレを一晩塩出しし、

甘酢に1日浸け、千切りをした生姜をいっしょにすし飯にのせ重しをかけ、

半日位したら出来上がりです。

「さば糠漬」はうすくスライスして召し上がるのが一番手早く、

さば糠漬の本来の味を楽しめる食べ方です。

オレンジ色に発酵した「さば糠漬」をどうぞお楽しみ下さい。

「へしこ さば粕漬」  ¥735     

    「醸(かも)し漬」

   醗酵、醸造のプロが漬けました!今までにない、複合醗酵漬物

           酵母と乳酸菌と酵素の力!

原材料:漬け粕(床)、原材料名「産地、詳細」

清酒搾り粕『国産」、糖蜜「北海道ビート」、醤油もろみ「長期熟成蔵出」

清酒用の酒米糠「国産」、本みりん搾り粕「国産」、いしる「能登門前産、鰯鯖」

             醗酵醸造された醸造食品

【酒粕・醤油もろみ・味醂粕・いしる】に酒米糠を加え、国産糖蜜で味を整え、

塩分を出来るだけ控え、食べやすく致しました。

食べ方: 漬け粕を軽く除いて、薄切りにするか、ほぐし、

そのままか、お茶漬けでお召し上がりください。

皮だけ、少し炙っても美味しいです。

「さば醸し漬け」  ¥725

 

「いわしぬか漬」の召し上がり方  ㈱あら与

いわし糠漬は、初夏に捕獲された「うるめいわし」を使用しております。

いわしの中では高扱な種類で身がしっかリしており、ピタミンも豊富で見直されている魚です。

あら与は、このいわしを塩をレた時にできる魚醤で、すぺての糠漬の「さし汁」としている為、

無くてはな’らいもので、毎年相当の数を漬け込んでおります。

鮮度の落ちやすいこのいわしを刺身で食ぺられるくらいの新しいものを糠漬にしております。

昔は各家庭庭で、いわし糠漬を作っていたくらいのポピュラーな気取らない漬け物です。

まずは、焼いた香りでご飯一謄、焦げた糠で一謄、身で一謄、残った骨にお湯をかけてお茶漬けで一謄」と、

家族でこのいわし榛漬一匹があれば、何日間は栄養バランスも取れて安上がリと、嬉しいお漬け物です。

お召し上がり方は、腹(白い方)の尾の方から頭に向かって、親指を入れて滑らせますと、

お腹が裂け、簡単に二枚卸が出来、骨を手で剥ぐと三枚御になリます。

焼くと時は灸る程度、焼きすぎると塩辛くなリます。

一匹を十人位で食ぺる感じで.小骨の気になる方は取り除き細かく切って暖かいご飯に乗せても良し、

お茶漬けにしても良し、ピザ・パスタのアンチョピ代わリに入れても良し、

三枚に御した身をミョウガやセロリと甘酢で和えてお酒の肴に、

又、酢(甘酢)に漬けて冷蔵庫に入れておけば、半年くらいは美味しく召し上がれます。

辛いといっても発酵食品ですので、血圧を上げる心配はありません。

玉川大学の八並先生の五年聞にわたる「あら与」の『いわし糠漬』の研究結果が出ております。

安心してお召し上がり下さい。

「いわし糠漬」(袋)   ¥368

「にしん糠漬(袋)」   ¥525

 にしんぬか漬の召し上がり方         あら与

北海道産の無油(自然に出てくる油だけ)の身欠きにしんの上物を糠漬にしております。

美川港(旧本吉港)は北前船の寄港地で大変栄えておりました。

その時に北海道から来る身欠きにしんを保存する目的で始められました。

北海道のにしん糠漬はにしん漬けにしてありますので、ここら辺の物とはずいぶん違います。

お召し上がり方は、炙ってあったかいごはんに欲しい分だけ乗せてます。

只、初めての召し上がる方の上がり方は辛く感じられますので、

おすすめは、にしんの糠を取り除き、ポキポキ(らっきょうを食べて残った酢でも美味しいです)

又は酢に浸けて2.3日置き(冷してもかまいません)、そのまま召し上ってください。

糠漬の旨さを残しながら辛さが食感も良く心地よい珍味を楽しめます。

ご飯も良し、酒の肴のも良し、どうぞお試し下さい。

 

 

『いのちのアイス』再開!!

木曜日, 5月 3rd, 2012

 

ついに、ソフトの時期が来ましたよ。

今日から、発売開始!!!

「美味しいね!」

今年も、去年に増して、美味しいですよ。

昨年、画期的な乳化剤・増添剤なしのソフトクリームに改良。

それが、絶品に仕上がりました。

どうぞ、食べにお越しくださいね。

でも、美味し過ぎるから、食べ過ぎないように・・・・。

「ふぐ卵巣糠漬け」の食べ方

木曜日, 5月 3rd, 2012

ふぐの子(卵巣)糠漬  あら与

作り時6月、出来上リ2~3年隻の8月頃~

【北前船の寄港地にのみ伝わる、猛毒の卵巣を珍味に変える伝統製法】

ぽってりと大きなごまふぐの卵巣を塩漬けして1年おき、さらに樽に漬けて、

ふた梅雨過ぎるのを待つ。

その間木樽の中で発酵しつづけ2年後に類い希なる珍味となる。

普通ふぐの卵巣は解体したらすぐに焼却処分にされる。

製品化することが出来るのは、全国でも石川県しかない。

製造しているのは石川県白山市美川、金沢の金石、

大野といった北前船の寄港地に限られている。

ふぐの毒はテトロドトキシンという猛毒で、とらふぐの成魚の肝臓ならざっと30人、

糠漬に使うごまふぐの卵巣でも、生で食べると5~6人は殺してしまうほどの毒がある。

そのふぐの卵巣を2年以上も塩、糠、糀に漬けて毒をぬいてしまう。

今は毒性検査も義務付けられているが、(予防医学協会で検査を受け10マウス以下で合格)

食べ頃は長年の経験から仕上がりの色と香りでわかる。

中毒例は皆無である。 

(食品衛生法の規定は、ふぐ卵巣加工品の毒性指数は

10マウス/100g以下は人体無害となっています)

当店の製品はこれ以下の5マウス/100g未溝です。 

6月に能登沖でとれたふぐにしか卵巣は入っていない。

そのふぐの卵巣を取り出し、30%の壇で撒き塩濱けして1年間貯蔵する。

その後、水で洗って、糠と少々の糀で木樽に本漬けし、ふた梅雨を待つ。

この間、花に水をやるように、鰯の塩漬け汁を絶えず漬け樽にさして、

空気中の悪玉の微生物を遠ざける。

2年半から3年で毒が消えることは経験で知っているが、

そのメカニズムはいまだに解明されていない。

塩の浸透圧で一部毒が流れ出て、

さらに樽に漬けることにより微生物の発酵作用でゆっくりと、

毒を分解するのだと言われている。

 

6月に能登沖で捕れたごまふぐの真子「卵巣」。

← (身と卵巣を分離)

美味しそうだが毒の塊。

体の3分の1もあるふぐの子が加工できるのは石川県だけ。

他県から持ち込めないので製造数は少ない。

 

ふぐの子粕漬は、糠漬けが仕上がった時点で一度ヌカを洗い落としてから

カスに3ヶ月ほど漬け込みます。味がまろやかになります。

 

 

「ふぐ子ぬか・粕漬」の召し上がり方 ㈱あら与

●       そのまま5㎜前後に輪切り又はお箸やスプーンで粒をほぐしてから、

           温かいごはんにのせて召し上がるのが一番の食べ方です。

●       おにぎりの具やご飯に混晋ておにぎりにして、海苔を巻いても美味しいです。

●       又ぬか漬は梅干しの梅肉と和えておにぎりやお茶漬け、

            わさびや三つ葉を添えてお茶漬けもなかなかのものです。

「ぬか漬・粕漬」は保存食として生まれた物なのでどうしても辛く感じられます。

「ぬか漬」はお酢(廿酢)・レモン汁・大根おろしなどの酸味の物とマッチします。

ちびちびお酒の肴にもいいと思います。

応用編として、アクセント的な味付けにピザのトヅビングやパスタの中にもお試し下さい。

2年以上心を込めてやさしく手をかけて出来上がった「ふぐ子ぬか漬」、

さらにその「ぬか漬」を約2~3ヶ月酒粕に漬け込んだ「ふぐ子粕漬」です。

どうぞこの江戸時代から伝承される加賀の味、

発酵食品のすぱらしさをどうぞご堪能下さいませ。

「ふぐ笹干・(平筋)糠・粕漬」の召し上がり方

 
ふぐ笹干は一匹のふぐを三枚に卸し、それを又斜めに削いで塩をし、
 

笹型(平たく小判型)に干した物で、ふぐ片筋よりも薄く柔らかく仕上げております。

そのふぐを糠漬は約一年、粕漬は約半年間漬け込んだ保存食であり、発酵食品です。

糠漬・粕漬どちらも焼かずに、糠又は粕を包丁か布巾で取り除き、

(どうしても洗われる時は、水気を紙ナプキン等で拭き取つて下さい)、

薄くスライス又は、手で裂いてお召し上がり下さい。

糠漬はお茶漬けにとっても美味しいです。

糠漬が辛ぐ感じ.られる時は、お酢(廿酢)・レモン汁をかけてお召し上がり下さい。

糠漬、粕漬どちらもお酒のおつまみに合います。

粕漬はお茶請けにされる方もいらっしやいます。

あら与の糠漬はすべていわしを塩をした時にできる

自家製の魚醤で毎日管理しながら熟成致しました。

このいわしから採れる旨みは血圧の上昇を抑制する効果がある事は、

玉川大学の八並先生の五年間の研究で実証されておりますので、

安心してお召し上がり下さい。

醗酵の極み!猛毒のふぐ卵巣が・・・・・

水曜日, 5月 2nd, 2012

『醗酵仮面』こと小泉武夫農大名誉教授の講演は、

これまで相当数拝聴してきたが、事あるごとに話題を提供する

端緒というか結論というか、兎にも角にも、最大級に絶賛するのが、

「ふぐの卵巣糠漬け」で、これは醗酵史上、最大の出来事であり、奇跡なのだと。

その大本殿、石川県の『あら与』さんの荒木敏明社長と電話で話が弾み、

その商品、ふぐの卵巣を送って頂いた。

怖いもの見たさとはこの事か。

手に取っては見たものの、きっと塩辛いだけのもので、

期待外れに終わるであろうと、恐る恐る口に運んだ。

ところが、どっこい!『これは!うまいぞ!!行けるぞ!!!』と唸る。

卒倒しそうなくらい、う・ま・か・っ・た!!!!!!!!!

これには、言葉は要らぬ。

これは、仕入れるより他、手はないとばかりに仕入れた次第。

以下、小泉博士の解説から、やんわりと導入。

しばし、文言で悶絶あれ。

毒抜きとアク抜き    小泉武夫著 『発酵」から

  フグ卵巣の毒抜き

まず日本にある世にも不思議な発酵、フグ卵巣の「毒抜き」から述べよう。

石川県金沢市周辺の美川・大野・金石地区や、能登地方でつくられている

伝統的発酵食品に「フグ卵巣の糠漬け」がある。

有毒な原料を用いる点できわめて特異であり、その有毒物質を微生物によつて無毒化し、

食品にするという点で奇跡的である。

この地区は明治初期よりフグの糠漬け製造が盛んで、

マフグ、ゴマフグ、サバフグといつた猛毒フグがその原料となってきた。

毒のない肉味を糠漬けするのならわかるが、

ここでは猛毒を持つ卵巣を糠漬けにしてしまうのだからまさに驚嘆に値する。

フグの卵程は、猛毒テトロドトキシンがあるのは周知の通りで、

大型のトラフグの卵巣一個でおよそ20人を致死させるというから猛烈なものである。

ところがこれを醗酵によって解毒し、食べてしまうという発想は世界に他例はなく、

生活の知恵から生まれたものとはいえ強烈である。

まさに漬物王国日本ならではの発想と知恵から生まれた発酵食品である。

その製造法はまず、卵巣を30%以上の塩で塩漬けし、そのまま半年から一年間保存する。

塩漬け後、2~3ヵ月で塩を替えて漬け直すこともある。

一年ほどすぎてから卵巣を取り出し糠に漬け込むが、この際、

少量の麹とイワシなどの塩蔵汁を加える。

こうして重石をして二年間以上発酵、熟成させ、このまま糠漬けとして、

あるいはさらに酒粕に一カ月ほど粕漬けとして出荷する。

一般の魚の糠漬けに比べて使用塩量が多く、発酵期間も数年かけるが、

これは昔から「毒を消しすため」と伝え継がれてきたためであるという。

漬け込む前にあった猛毒は、製品からは全く消えてしまい、

これを食べての食中毒例は皆無であるばかりでなく、

今日では金沢市の名物土産となって売られている。

この毒抜きのメカニズムは、まず塩漬けの期間で毒の多くが卵巣外に流出し、

次に糠漬げの期間で、残留した毒が乳酸菌や酵母を中心とした発酵微生物の作用を受けて分解され、

解毒されるものであることがわかった。

大根やきゅうり、ナスなどを含めて、発酵中の糠みそにはその1グラム

(大体親指のツメほどの量)中に数億個の微生物が活発に生活しているのである。

彼らにかかつたら、あたって恐いフグでも弾を抜かれた鉄砲のようなものになってしまう。

『ふぐの子 ぬか漬』    ¥840(税込)   

『ふぐの子 かす漬』  ¥1,050(税込)

『笹干しふぐ糠漬け』    ¥630(税込)

『ふぐかけ Fー1醤油』    ¥840(税込)

『ふぐの子 醸(かも)し漬け』    ¥788(税込)

アグネス通信「醗酵について」

水曜日, 5月 2nd, 2012

宮下社長へ

ご無沙汰してます。アグネスです。

すっかり春らしくなりましたね。

お元気ですか?

毎日の日々の季節の変化が楽しい季節です。

あやの里にも、はっとする白さで水芭蕉がたくさん咲いています。

ブログ、時々ですが、のぞかせていただいています。

興味ある記事がいっぱい。寺田さんがお亡くなりになられたのは、ショックでした。。

エリクサー水で仕込んだ酵母、確かに違います。。

昔、仕込んだ時は、やきあがりの表面生地が結晶のようにきれいになって感動したの覚えてます。

今も、ぶどう酵母を前に汲んで残っていたエリクサー水で起こしてますよー。。

今日焼いてみましたー。

やはり、うれしいですねー。 

 私も発酵食の研究の毎日というか、日々発酵!って感じーー。

 さてさて、今回メールしたのは、アメリカのブルーミントン州でも

チームやんじーの後方支援のみなさんがおられるのですが、

来る5月17日に向こうにいる日本人のママさんチームが、

風呂敷ワークショップやお弁当ワークショップなどでチャリティイベントを開催してくださります。

その時にブルーミントンの人に向けた文章をメールしてほしい。ということで、文章を書きました。

その文章を書いているうち、ブルーミントンの方だけでなく、

読んでほしいなということでお知らせしました。

長文なのですが、1年を振り返って、感じたこととこれからの展望についてを書きました。

HPに掲載しましたので目を通していただければと思います。 

http://mouth-mountain.greenwebs.net/archives/4468 

最近、あやの森あやの里物語も、災害救援ネットワーク北海道のHPに掲載しています。

あやの里あやのもりの様子や、どんな天変地異があっても、

ゆるぎない心を持つこと、そういう暮らしの日々のヒントです。

http://mouth-mountain.greenwebs.net/ 

あっ、そうそう。もし情報あればお知らせください。

あやの森の母屋の建物を作るのに、いらない梁や柱、廃材など探しています。

出来れば十勝管内が取りにいきやすいから十勝管内でよびかけているのですが、

情報があまりなくって。 

今、やんじーは、札幌の友人の方が事務所立ち退きで、解体するので、要る窓枠や建具とかを、

トラックやらで往復して取りにいってます。梁と柱はちょっと使えないようで。 

もし、何か情報あれば教えてください。 

今日焼けたパン写真おくります。

また南三陸にもいくので、続けては焼けないけど、少しずつ復帰していくとします。

また、おいしいの焼けたらもっていきますねー。 

エリクサーで、ブドウ酵母仕込み ごまぱん

              ぶどうくるみぱん

              行者にんにくぱん

白樺樹液と松葉の酵母    キハダぱん。 

「5月のうさと展」も、よろしくお願いします。

たのしみーー。 

ついつい長くなりました。最後まで読んでくださりありがとうございます。

アグネス