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2008年09月13日

●蕎麦処「こはし」

こはし 玄関.jpg

札幌卸売市場・有機専門仲買の米内社長が、
「市場の近くに、良い蕎麦屋さんが出来たから是非行ってやって」
と、昨年から、言われていた。
だが、市場に毎日通っているも、中々行く機会が見出せなかった。

その主人が、実は大荷受・丸果元社員の小橋敏之さん。
長く蔬菜部の根物を担当、セリもされていた。
そして、奥様の和恵さん。
この方、魚介仲卸・兼長さんの社長の妹さん。
経理担当で番頭さんでもあった。

こはし 夫妻.jpg

先日、時間が出来て、市場帰りのついでに立ち寄った。
すると、「あぁ、まほろばさん!!」
お互い顔を見て、びっくり。見慣れた顔同士だったのだ。

何でも、ご主人はそば打ちの趣味が嵩じて、とうとう蕎麦屋さんになったという。
54歳で途中退職、奥様も後に付いて来られた。
自宅を改造して、とても瀟洒で風情ある造りになった。

元々、網走に単身赴任した頃、置戸町の木工房「空くう」の大野裕迪さんの
クラフトに惚れ込み、これを活かせる仕事がしたかったらしい。

こはし 机.jpg

靴を脱ぎ、店に入ってみて、先ず重厚な机に眼が行く。
樺の木を削り鉋で仕上げた表面は中々深い味わい。
汁物も皆木の器で、使えば使うほど、磨きがかかる。

こはし わん.jpg

こはし ざる.jpg

そして、メニューを見て、びっくり!!
そこには醤油が、あの島根の井上醤油が使われていた。
全国の醤油を取り寄せて、最も気に入ったという。

そして一番人気の「ごぼう天せいろ」が小清水の千葉さんのものだった。
二人とも20年来のまほろばの生産者だった。

紙.jpg
(「古醤の里 奥出雲から」井上醤油見学記・小冊子)
千葉さん夫妻.jpg

(千葉教ご夫妻)

その共通の繋がりにお互い目を見合わせて驚くやら、笑うやら。
知らずして、この二人を選んだ小橋さんの目に狂いはない。
食して、なかなか喉越しよく、味わい深い。
これは、皆さんに是非食して戴きたい、と願ったほどだ。

それに、先日聞いた小泉武夫先生のお話に出た
十勝清水の「ほうの木」と同じ「ごぼう天そば」を発明していた。
小橋さんは、かくも話題に上っているとは露知らず。
先日小泉先生が日経にその話を書いたら、
何と、東京の蕎麦屋さんが至る所で、ごぼう天そばを出すようになって、
今は、それがブームだとか。

そんなこんなで、人の縁の不思議さを身近に見た思いだ。
全国食べ歩きも良いが、灯台元暗しで、
案外知られざる名店が、そこここにあるのかもしれない。

誰かが、ドラマのない商品は扱わない、と言っていたが、
店もまた、ドラマがないとつまらないのかも知れない。
人も然り・・・・。

せいろ ¥700
か け ¥700
ごぼう天そば ¥1000
・・・・・・・・・・・・・・

こはし 地図.jpg

手打蕎麦 こはし
中央区北10西21-1-2
Tel 011-621-8482

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