2008年06月30日

●ムックリ/モノラー(母なる大地)

nagane_r2_c1.gif

ムックリ奏者・長根あきさんとは、未だ一面識もない。
編集部の工藤さんと旧友で、結城さんのアイヌのお話を聞く際、
長根さんのムックリが話題となり、その場でコンサートをしようと即断した。

折りしも、「世界先住民族サミット」最終日の翌日で、彼女も参加する機会があった。
千歳生まれで、京都の図書館に今勤めていらっしゃる。
日本人で、ムックリ大会で見事一位になったほどの演奏技量。

先住民と和人の架け橋となっている彼女の存在は尊い。
時、24周年創業祭の真っ最中の5日(土)夜7時から。
未だ残席あり、是非とも北方の口琴の神秘を直に堪能し、
その竹の震えを、心の震えと捉えて、
人種民族の和合を、世に人に伝えましょう。

●太古のエナジー

先日、蒙古興安盟経済文化交流会歓迎のお礼にと、
竃リ曽路物産の鹿野社長から巨大なモンゴル塩を戴いた。
写真ではその大きさが分からないが、30kg一個持って腰がふらつく。
何れも、エリクサーやオリジナル塩に馴染みのもので、
改めて何億年を経た地球のエネルギーを感じざる得ないものだった。

蒙古塩 麦飯石.jpg
内モンゴル麦飯石(学名「花崗斑岩」、内蒙古奈曼旗産。
「エリクサー」の内部の濾材とセラミックに用いられています)

蒙古塩 モンゴル塩.jpg
モンゴル岩塩
(内蒙古自治区吉蘭泰〈ジランタイ〉産、太古は海であったモンゴル平原の一億年以上も昔の地層から採掘された岩塩です。「七五三塩」「雪山水/蒙古塩」「西蔵山/蒙古湖」「天日塩」に使われています)

蒙古塩 ヒマラヤ.jpg
ヒマラヤ岩塩(パキスタン・ヒマラヤ高原産。ヒマラヤ山脈・チベット高原は、約3億8千万年前、地殻変動によりインド大陸がユーラシア大陸に衝突して海底が隆起して出来たと言われています。テチス海にあったマグマ熱によって結晶し、大陸衝突の際、堆積物を巻き込んで隆起して埋蔵された塩の化石と見られています。チベットでは紫磠砂(カルチャアー)と呼ばれています。「エリクサー」や「七五三塩」「西蔵山/蒙古湖」に使われています)

蒙古塩 ヒマヤラ岩塩.jpg
ヒマラヤ・バスソルト(原石)
「ベイチ」と呼ばれるヒマラヤ岩塩を入手したのが15年以上前で、
その当時大変貴重で高価で珍しく、さまざまな想像力をかき立てられたものだった。
それが導火線となってエリクサーや七五三塩作りに繋がったものと思う。
かつて僧を兼ねていた医僧がこれに菰を被せて患者に施したと言う。
何とも、古き時代に自分を重ね合わせてセラミック作りを始めたのだが、
それが後日チベット僧が薬石を作った方法と同じだったことに驚きを禁じえなかった。
時空を越えてシンクロする神秘を体験したのだ。
それも、このベイチが発火点になった。

ヒマラヤ.jpg

2008年06月27日

●先住民ミュージックフェスティバル

アイヌモシリ ミュージック.jpg

日時:7月4日(金) 午後6時開場 6時半開演
場所:札幌コンベンションセンター
費用:無料
参加:自由

出演者
Oki+Marewrew
AINU ART PROJECT
AINU REBELS
床絵美
寿[Kotobuki]
海外の先住民族(マオリ、プエブロなど)
札幌ウポポ保存会
白糠アイヌ保存会
その他

http://www.ainumosir2008.com/

サミットに先立つ7月1日から4日間、「先住民族サミット アイヌモシリ2008」が
二風谷や札幌などで開催されます。
世界11か国から20人の先住民族をお招きし、
環境や人権について“ウコチャランケ”
(ウ=お互い、コ=それ、チャ=言葉、ランケ=降ろす)して、
G8首脳や日本政府に提言しようというものです。

最終日の夜、札幌コンベンションセンターで
先住民の皆さんによるミュージックフェステバルが開かれます。

アイヌモシリ ミュージック 3.jpg

先ほど、結城さんが直接このポスターを届けてくださいました。
また、奥様の作られた「踊る精霊」と共に。
大成功を祈ります。
皆様、是非是非参加されて、
新しい世界の天岩戸開きを、その眼で見届けてください。

アイヌモシリ ミュージック 2.jpg


2008年06月24日

●蒙古より賓客

蒙古 3.jpg


先週の17日(火)に、内蒙古よりお客様がまほろばに来店された。
岐阜の木曽路物産の鹿野社長がお連れして、北海道支社でもある当社に
札幌視察で立ち寄られた。

内蒙古・興安盟の楊書記長ご夫妻、陳銀行長ご夫妻、
阿尓山市の劉市長、万佳社宇副社長等々、
およそまほろばには、無縁の政府要人の方々。

みなリラックスした面持ち。
モンゴル出身なので、どなたも日本人と同じ顔をしている。

ゆかりちゃんと千歳空港までお出迎え、
自前の歓迎の垂幕に、みなさん大喜びだった。
早速、今朝覚え立ての「サエン バエノー(こんにちわ)」
「タニルツィヤ(はじめまして)」を言おうとしたが、
頭が真っ白になって出て来ない、
そこはさすが若いゆかりちゃん、軽やかに挨拶。
みな和気藹々と楽しそう。

蒙古 1.jpg

一路、高速でまほろばへ。到着するや、
新人渡辺匠君の「よさこいソーラン」の独り踊りでの出迎え。
皆のヤンヤの拍手喝采で、大盛り上がり。
店内は、塩などのモンゴル製品一色でディスプレー。
皆さん自国の製品がここで売られていることに親近感を覚えたのか嬉しそう。

早速、二階でささやかな歓迎会。
事前に蟹を食べたい、と言うことだったので、
朝市で頭一番セリのでかいタラバ蟹を仕入れて来た。
「美味しい!!」と、眼を丸くして食べられていたのが印象的だった。

蒙古 4.jpg

その後、わずかな時間で市内観光、
夜は、札幌ビール園での会食。
その開放され、打ち解けた友好関係に、
言葉の壁を越えて、互いに訴えてくるものがあった。
それは、モンゴリアンとしての日本人の郷愁と、
モンゴルの方々の共感だったのではないか、と思う。
この時ほど、人種の兄弟ということを実感したことはない。

その日の事々、折々の書にまた書いてみたい。
そして、数日後驚くべき朗報が飛び込んで来た。
それは、また後日談に。

2008年06月23日

●福田直樹チェンバロ・コンサート

福田直樹コンサート.jpg

2008年06月22日

●エコ&ナチュラル・フェスタ

エコフェスタ.jpg

五年目になる「エコ&ナチュラル・フェスタ」が、
ススキノの新栄寺の二階で、昨日開かれました。
まほろばの参加は、初めてです。

エコフェスタ 5.jpg

「真に豊かで持続可能な社会をみつめて・・・・」
環境と自然育児とシュタイナーをテーマに様々な企画や出店、展示がありました。
初めて参加してみて、札幌でも
このような意識を持った方や店がこんなにも多いのか、
と感慨深く見学して来ました。

エコフェスタ 6.jpg

当店でも、嶋田編集長と城越ゆかりちゃんと農園の奥塚恵美ちゃんが参加。
新人にとっては、初めての体験でいろいろ学ぶ事も多かったと思います。
まほろばのお客様が出されている店の多いのにもビックリしました!!
みなさん何かに関わって、まほろばにいらしているのですね。
本当に横繋がりで嬉しくもあり、楽しくもあり、で強い連帯感を感じました。

エコフェスタ 3.jpg

子供連れのお父さんお母さんが多く、みな子供さんの
豊かな未来を夢見て、子育てされているのだと思います。
素晴らしいことだと感じました。

エコフェスタ 4.jpg
(自家酵母の先生、伊藤さん。完売もう一歩で嬉しそう)

まほろばからは、その朝採った野菜やオリジナル商品を
並べていましたが、売れ行きはどうだったでしょうか。
みな多くは顔見知りで、すでに店で買われているのかな?
でも、若い人にとって、とても勉強になったようです。
まほろばは、対外的なイヴェントが少ないので、
これからは、多く出してやりたいなー、と思っています。

エコフェスタ 2.jpg
(「あすらん」の有塚さんと店長。以前まほろばで働いていました)

希望するのは、来年からは、流れのお客様にもアピールするべく
大通り公園などで、開催されたなら、意義や成果も深まるだろうに、
と思いました。
期待します。
この会が、開かれた未来を押し開く扉となりますように・・・・・

エコフェスタ 7.jpg
(仏前にて。まほろば三人組は楽しい一日を過ごしました)

●耳からの健康

チェンバロ奏者の福田直樹さんが、突然昨日来店された。
道内演奏旅行の途中に、フト立ち寄られたのだ。

2年振りの懐かしいお顔に、少年のような無邪気な心が映っていた。
すぐ音楽談義になって、わずか30分ほどの中で、貴重な提言をして帰られた。

福田さん.jpg

それは一言でいえば「耳からの健康」であった。
「『音の公害』が問われる時代が遠からずして必ず来る」と、言われるのだ。
余りにも考えられていない音が、世の中に溢れ過ぎている、と。

基本的な味覚、嗅覚、聴覚は5,6歳までに決定される。
幼児期は聴覚を磨く時代で、
「このことは、すごく大切なこと」と、力説される。

少なくても小学校までは、
「『純正律』で調律した音楽や楽器を聞かせて欲しい!」
という切実な願いだった。

これは、どういうことだろう。
一般に学校で習う音諧は「平均律」というもので、
全ての音を2セント(1秒間に2つのウナリ)ずらして合わせたため濁っている。
これが平均してずれているから一見違和感がないようだが、
生理的、潜在的にはヒズミが起っている。

純正律.jpg

これを、3/2、4/3、5/4等のとても単純な振動数の比で
音階を作るのが「純正律」と呼ばれるもの。
純正律では、「ド・ミ・ソ」の和音が4:5:6の比率になっており、とても美しい響きになる。
また、「ファ・ラ・ド」、「ソ・シ・レ」も同じ4:5:6の比率になっている。
そこに到る方法は沢山あるが、中でもキルンベルガー純正律が最良という。
(一般的には、ヴェルクマイスターが尊重されている)

ピタゴラス音階.gif
(ピタゴラス音階)

しかし、それ以上に透明な響きに調整されているのが「ピタゴラス音階」だという。
それは、数学、音律、宗教が合体した思想であり、教えである。
ピタゴラスからプラトンの伝統は, 宇宙, 魂, 音階, 天体,
すべては比によって調和的に律せられる、 と考えた。
それは黄金分割から割り出されたものだった。
純粋な音は数学的に割り切れないと生まれないとする、
その音階は、理想の天国の音律でもあった。

ピタゴラス黄金分割.jpg

かつてモーツアルト、ハイドン、シューベルトなどは、少年時代に
聖歌隊に入って、互いの声部を聴きながら、
自らの音を出してきれいにハーモニーしていった。
美しくハモる音は、平均律にはならない。

バッハの時代は、演奏家が自分で調律する時代だった。
実際、日本人はピアノ的な平均律を幼児期から刷り込まれているので、
きれいなアンサンブルが出来ない人が多い、という。

福田さん 3.jpg
(チェンバロを自ら調律する福田さん)

「これは、幼稚園・小学校におけるピアノ(調律)が元凶である」と、
ピアノの専門家が、こう言い切るのだ。

彼は、桐朋の斉藤秀雄先生の門下生で、
最初の絶対音感教育を受けた世代なのだ。
昨日のクリスタルボウルのうなりも、
パッと聞き分けて、440と442ヘルツの違いを指摘され、
そのズレを調整すべき、と主張される。

最相 葉月さんの『絶対音感』の本にも書かれてあったが、
絶対音感の持ち主にとって、信号音や救急車のサイレンの音、駅構内の音楽など、
音の狂いが生理的に不快で耐えられない、と記されてあったのを思い出した。

福田さん 2.jpg

そして、「子供は、何よりも『子守唄』から入るべきだ」と、いう。
これは子守唄に使われる音がとても少なくて、独りでに「純正律」に近い発生になる。
ことに、テレビは最悪の音響、雑音で、小さい時に一旦耳が壊されると、
取り返しがつかなく、一生どうにもならなくなる、と断言される。
放送局の音の素材が酷すぎるので、これを何とかしなければならない、と。

私個人的には、音楽のあらゆるジャンルを聞く方で、
古典も前衛も分け隔てない。
その中でも、クラシックは、バッハ以前の、例えば、
「Sainte Colombe(サント=コロンブ)」のヴィオラ・ダ・ガンバの曲を最も好む。
それを福田さんは、音曲以前に純正律で調律されている美しさにもよる、と解説された。

Sainte Colombe 1.jpg
(フランス映画「めぐり逢う朝」から、中央がサント=コロンブ)

私達は、音楽云々を、演奏や録音その他云々をいろいろ論議するが、
一番の問題は、この音律であって、
揺らぎのない、きれいな音で演奏されねばならないという。

最近のヒーリング・ミュージックもいいが、たとえば「ライヤー」奏者に、
楽器のチューニングが平均律で調整された電器チューナーを使っている方もあり、
せっかく本来のもつ楽器の特性が発揮出来ないでいる場合があるらしい。
相対音感でも良いから、耳で調律すべきだ、と。

是非、食の公害や安全性のみならず、
「音の公害や安全性」も訴えて欲しい、と私に託された。

世界は全体で成り立っている。
「NADABRAHMA ナダブラーマ」「世界は音である」と、印度哲学にあるように、
「初めに言葉ありき」と、旧約聖書にあるように、
食以前に音があり、響きがあった。

これから、まほろばも自然食のみならず、
『自然音』を提言してゆく使命があるのかもしれない、と
福田さんとの出会いで、そう感じた。

http://www.pianist.jp/fukuda/

来る26日(木)夜7時から、まほろばの2Fで、
「『福田直樹さんのチェンバロとお話』を聞く会」を開きます。
ご興味のある方は、是非ご参加下さい。
弾き分ける平均律、純正律、ピタゴラス音律の三種の
違いを体感しましょう。
参加費:¥1,500

福田さん 4.jpg

追記:
CDもきっちと作られているものは10%にも満たないという。
それはCD化する前に、音の劣化が起こる工程が沢山あるためという。
デジタル機器は、水晶発信により何メガヘルツでコントロールしているが、
CDになると水晶発信の揺らぎですら大問題となり、雑音が沢山出るという。
福田さんのCDは、水晶でなくルビジュームでスタンパーをコントロールしてるため、
その揺れが極端に少ないという。
とくと、彼の澄んだモーツァルトをお聞きあれ。
http://www.pianist.jp/fukuda/cd.html