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2008年06月11日

●与えられた道を、歩む

昨日、数年前まほろばで働いていたパートさん
田丸京美さんの突然の訃報が届いた。
今、その通夜から帰ったばかりだ。

この二月に臀部に痛みを感じ、診断の結果、ガンだったという。
延命治療を拒み、自宅療養で、自分で治すとの決意だったとか。
一切、ご主人以外誰にも報せずに、奇跡の治療と回復を祈った。

残されたわずかな時間を最愛の夫と子供達で、
過ごしたいとの願いで、病院から家に帰って来られたのだ。
しかし、わずか3,4ヶ月で、従容としてあの世に旅立たねばならなかった。

三男一女のお子さんに見守られながら、
ことに下のぼくは、10歳で顔をクチャクチャにして泣いていた。
これからお母さんが居なくて、どんな思いで生きて行くのだろうか。
私も小さくして亡くしたから、胸が締め付けられた。

長男さんは、農業を目指して、三重の愛農学園を出て、
「農の鉄人」訓子府の伊藤さんの処で研修している。
お父さんの志を継ごうとされている。
ご主人義幸さんは、自然食品店を開きたいと数年前から、
入念な準備と研鑽を怠らなかった。
数度相談されたことがあるが、
全国の篤農家、生産者を津々浦々巡り、
有機農法の研究会には惜しみなく参加され、
これ以上のアドバイスが要らないほど、既に準備万端調えておられた。

奥様も、仕事への姿勢は、真剣で正確で実直。
その誠実な人間性に、まほろばの皆も感銘を受けていた。
お子さんの素朴で、素直な姿を見るにつけ、
お母さんの心延えが偲ばれた。

しかし、天は残酷で、わずか46歳の、これからという命を召し上げられた。
子供さんもこれから、ご主人もこれから、という大事な時に・・・・

突然の死に、何の遺言も遺書もなかった、という。
ただ、バッグに走り書きされたメモが遺されてあった。
ご主人は挨拶でそれを読まれた。

『与えられた道を、歩む』

「家内は、その通りの人生を生き切った」
と、万感の思いで、言葉を終えられた。

先の導師が、
「何事も、足るを知ることが、大切だ」
と説教された後だった。

ハッと、気付く。
他に、もっともっと、と望んでいまいか。

今、ここに、このようにあることを、居ることを、
どうして歓び、感謝出来ないのか。

田丸京美さんの一生は、
短くとも、この一瞬を
全身で受け止め、
全霊で応えた、
切なくも、見事に
駆け抜けた
イノチの鼓動だった。

誰の前にも、
既に、道は与えられてあった。

コメント

お子様たちが、ご主人がどんなにか嘆かれて悲しまれているかを
思うとつらくなりますね。

しばしの歳月、天の守りがありますように。
少しでも早くご家族の皆様方に笑顔がもどりますように。

>私も小さくして亡くしたから、胸が締め付けられた。
>天は残酷で、わずか46歳の、これからという命を召し上げられた

 。。。切ない描写になみだがでそうです。

それぞれの与えられた道
 今日も大切にいきていきたいです。


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