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2009年05月25日

●MR.BRAIN(ミスター・ブレイン)

遠出の疲れで、そのままソファで転寝してしまった。
「始まったわよ」の声に、
何が始まったのだろう、と思ったら、
キムタクのドラマらしい。

そういえば、東京の駅という駅の壁に
『MR.BRAIN』(ミスター・ブレイン)のポスターが貼ってあったっけ。
じーと見ていると、何やら海老蔵似の役者が出ている。
まさか、キムタクの端役には、出るはずがなかろうが・・・・
誰か新人が海老蔵ぶっているのだろう・・・・と思って見るが・・・

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そして、その回答が与えられたのが、一瞬だった。
二人が対面した時の、
眼光の奥、所作の節々、
格の差と言おうか、品位の香りと言おうか、
こうも違うものかと、ある種の感動を覚えた。

先入観は吹っ飛んで、こんなメリハリは、
市川海老蔵でなくして出来ない、
これは歌舞伎以外の何物でもない、と思ったのか、
それで安心してTVを観ずに、眠りこけてしまった。

いわば伝統の力は、現代の人気者をしても近寄り難い
大きな壁が立ちはだかっていた。
パリ・オペラ座の団十郎・海老蔵親子の勧進帳は出色ものだった。

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団十郎も不治の病を抱えて、海老蔵は命懸けで
父の血脈を継ごうと一大決心する。
その父が倒れる修羅場を掻い潜って来た若者には、
鬼気迫る家伝祖系の血が甦る。

仕草や発声の基本を叩き込まれた役者は、
現代物をやらせても、やはりその骨格は隠せない。
現代の皮肉を被っていても、
古典の骨髄はそれを支えて余りある。

つくづく思うのは、古典の力だ。
この歳になって、どうして古を尋ねなかったか、と悔やむこと頻り。
何をやっても砂上の楼閣のように思う。
まことにまことに、
「古きを温ねて新しきを知る」の使い古された格言を、
若き人に送りたい。

コメント

Mr BRAIN 私も観ました。
かなりミステリアスな刑事役で、今後のどうからんでいくのか展開も楽しみです。
市川海老蔵といえば一昨年大阪松竹座であった壽初春大歌舞伎で勧進帳を観ました。
TVで@声、A顔、B姿の3拍子揃った歌舞伎役者と大絶賛されていて、期待しながら見ていたら期待以上で、男も惚れぼれする程の凛々しさでした。また最後弁慶役の団十郎が花道を渡る姿に圧倒されました。

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