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2009年02月24日

●子を思う親心

「自然医学」誌、3月号「俳壇」に、
ゆかりちゃんのお父さんの句が選ばれていた。

自然医学 3月号.jpg

   「俳壇」     選者   俳人 秋山素子

   娘と共に三日続きの秋の虹  城越 清

 娘さんの就職先「まほろば」へご夫婦で訪ねられての句です。
親元を遠く離れて仕事をしている娘、
女の子であれば親としても気にもかかることでしょう。

お店のオーナーにお目にかかり、一安心。
娘さんの生き生きした様子にも安堵。
オーナーの計らいで、娘さんが3日間もご両親と店と近辺を
案内(旅)なさったということが、お便りにありました。
3日間の旅の間、虹が出たのです。

 久しぶりに会った娘との3日間の旅。
それだけでも心満たされた思いでいっぱいなのに、
秋の虹まで3日共に見ることができたということへの感動。
一句の要は「娘と共に」であり「秋の虹」です。

作者にしてみれば、
虹が出たんだから句に詠んだ、
と思っていられるでしょう。
しかし、大自然は、その人に相応しいものを見せてくれるのです。
秋の虹は、大自然からの娘さんと作者ご夫婦への贈物でしょう。
                           (秋の虹・秋の季語)


お父さんの句を読むと、誰もが思い出される山上億良の歌がある。

しろがねも(銀)くがねも(金)玉もなにせむに勝れる宝子にしかめやも
                       
片や、吉田松陰29歳の秋、処刑を前に、獄中にて親思う歌を遺す。

親思ふ心にまさる親心けふのおとずれ何ときくらん

吉田松陰 若き日.jpg
                      (若き吉田松陰)

親に先立つ不孝は、松蔭身に受ける刃より、心に深く突き刺さっただろう。
父恩は山よりも高く、母恩は海よりも深い、という。
親思う子心、子を思う親心、何れの世、何れの処においても
変らぬ親子の情愛は、喩え難く、美しく果てしない。

一人一人、尊い子女を預かる身としては、
実の子として、将来の幸いを祈るばかりだ。
特に若者には、良き縁組に恵まれて、
まほろばで働いたことが一生の宝となるよう・・・・

城越さんのお父さんから、
「娘に、書を教えてほしい」と言われたまま、
互いに多忙のまま、未だ果たされない事が心にかかっている。


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