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2008年10月15日

●もやしもん

先日の重曹講演会後のことである。
「宮下さんは、『もやしもん』ね」
と、凝乳酵素発見の記事を見て、CPP岩尾代表に言われた。

「何ですか、そのもやしなんたらは?」
「このストラップ見て!」と香川からいらしたCPPの松本さん。
それは、財布にぶら下がった微生物を象ったキャラクターが、あるはあるは。
オリゼー(黄麹菌)、ラクチス、乳酸菌、S・セレビシエ・・・・・・・などなど。

もやしもん 1.jpg

ちなみに、もやしもんの「もやし」とは、
「たねこうじ」のことで、延喜式の古本には
「米(よね)もやし」からの由来とか。
なかなか、学術的なのである。

縄文時代の酒は、こうじかびはなく、専ら「口噛み酒」だった。
(そういえば、以前「むすひ」の寺田さんの処で、この口噛みを飲まされた事があった。
すこぶる飲むのに気合がいったなー)
それが、たまたまこうじかびがついたご飯を酒にする好事家が居て、
平安時代の「たね麹」の誕生と相成った。

それから、この「よねもやし」になるのだが、
何と、室町に入り、この「麹かび」を木灰で培養して純粋かつ大量生産した。
麹カビは灰のアルカリに耐えて、しかもこれを栄養とする。
ところが、他の菌はこの灰が苦手なのだ。

こうやって専門の「種麹屋」が誕生する。
そうして、こうじ座というギルドまで作り、
時の権力者に取り入ったりする位の権力を有するまでになる。
現在は、もやしやの種麹で、酒蔵が麹を造り、酒を醸す。
鎌倉・室町は、もやしやとこうじやは分業で、酒蔵は酒造りのみだった。

今に、寺田本家さんはこのもやしやまで、
やるようになるのではないかと期待している。

もやしもん 2.jpg

さて話を戻し、この「もやしもん」。
何でも、微生物が見えるという老舗・麹屋の息子が主人公。
この奇想の漫画が大流行(はやり)らしい。
そして、某農大を背景にしているストーリー。
出てくるは出てくるは、あらゆる菌の種類と大群が出演する。

これは、明らかに小泉武夫先生の影響を、もろに受けている。
きっと作者は、そこの学生だったのだろう。

のっけからあのアラスカのキビヤックの人騒がせ話が出るやら、
韓国の醗酵エイの刺身・ホンオフェ、スウェーデンのシュールストロミング、
そして我が日本国・加賀藩で、糞尿といろりの灰による硝石作りつまり爆弾技術、
その他もろもろのネタが散りばめられる。

しかし、これは、良い事、素晴らしい事だ。
世界の食文化史はいわば醗酵醸造の歴史でもある。
酒・味噌・醤油・チーズ・・・・・・・が微生物の介在なしにはありえない。

それを、身近な可愛いキャラクターとして登場させ、
子供たちに、ゲーム感覚で馴染ませ、
能力と働きを理解させながら読み進む。

きっとこの中から、杜氏になりたい、微生物学者になりたい、
果てはノーベル賞を受賞する者も出てくるかもしれない。
そのインタヴューで、
「私の研究の動機は実は『もやしもん』でした!」と答えるかもしれない。
実に期待大なのである。

ただし、あくまでもコミックなので、付き合うには少々忍耐が要る。
殊に、主人公の特殊能力を駆使したストーリー展開だったら、もっと話が面白かろう。
特に、女の子が何人も出るが、最後まで誰が誰だかよく判別出来なかったのは、残念。
いや、これは歳のせいだろう。

しかし、大観すれば、大なる金星と言える。
「でかした!!」
と、拍手を送りたい。

コメント

笑えました(^^)

まだ小さいのですが、朝 子どもが起きてきて

「昨日のカビカビのビデオ見たい〜♪」と言って、ひとしきりニコニコと見ていました。

これは、楽しく勉強にもなっていいですね!

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