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2007年08月27日

●大絶賛!!!

小泉先生1.jpg

「これは、すごい!!
 これは、絶品だ!!」

こう言われた時、
今にも舞い上がるようだった。

「これは、『チーズの塩辛』だ!!
ギリシアなどにある溶けるチーズに似ているが、
これは、いける。」

北海道名誉フードアドバイザーに就任された
醗酵醸造学の権威、
東京農大の小泉武夫教授に、
このように「ti-tie」が絶賛された時、
今までの苦労が
一瞬にして報われた気がした。

「全面的に、後押ししましょう!」

同席していた
道立・食品加工研究センターの長島部長と
この場を繋いで頂いた叶V生の三輪社長と
満面の笑みで歓び合った。

長島さんには、アカデミックな研究所にあっても、
素人の発想を尊重してサポートして下さったので、
何とかして、報いたかった。
道の特産品として、「ti-tie」が、
飛び立つ瞬間であったかもしれない。

小泉先生2.jpg

この場に、共働学舎の宮嶋さんが、
同席しなかったのが、唯一残念だった。
帰ってから、山梨に居る彼に電話をした。
そして、歓びを分かち合った。
すぐ、また試作に入り、
10月にミュンヘンで開かれる
ナチュラル・チーズオリンピックにエントリーすることになった。

今まで、日本や世界の何処にも
無かった製法と種類。
この独創的なチーズの誕生!
その未来に幸あれ!!
と祈るばかりだ。

先生のお言葉を戴いて
「ti-tie de shiokara」の名も悪くないと思った。

玄人好みの異常な臭みは国産品にはない。
しかし、わずか1ヶ月の熟成で、グルタミン酸が、
2,3年熟成のゴーダーチーズ並みに達しているのだ。
アミノ酸の種類も実に豊か。

ホンオ・フェ.jpg(ホンオ・フェ)

シュール・ストレンミング(スウェーデン)
ホンオ・フェ(韓国のエイ料理)などの
世界一臭い食品に比せば、
まだおとなしいかもしれない。

まだ食したことはないが、
ニュージーランド産エピキュアーチーズの
凄みある匂いに近いものがあるのだろうか。

ともあれ、酵素の大量培養と商品化についても
アドヴァイスを頂き、
道の協力も仰げそうである。

小泉先生3.jpg


これは、その日(25日・土)佐藤水産さん主催の
「2007小泉文化塾」『民族と食の知恵』の講演会
直前5分の出来事だった。

待ち時間が過ぎ、
予約の説明会を半ば諦めかけていた後すぐ、
この一瞬のあうんの呼吸で、
問答は終えた。

それで、充分だった。
それは、予想を逆転するものだった。

この日の講演は、「食の世界遺産」を語るもので、たとえば
秋田・白神山地に只一軒の老夫婦が伝承していた
「あけびのなれずし」。
山葡萄とアケビの皮で作る越冬の保存食が、
絶滅寸前の灯火で消えかかる所を、
小泉先生は救って、これを広めようとされている。

また、植村直己さんが北極点に到達出来たのは、
イヌイットの醗酵保存食「キビヤック」の所為であった。
内臓を取ったアザラシの皮と
夥しい蚊を食べた海燕を詰めて
土中に埋めて3年寝かせた、
その凄まじい異臭の液はビタミン・ミネラルの宝庫であった。

キビヤック.jpg(キビヤック)


このように世界各地には、
長い歴史の中で発明され、伝承された
数々の保存発酵食品がある。

本当に意図せず発見された
「ti-tie de shiokara」の異臭の後の舌の上には、
ヨーロッパでも感応テストの項目にある
「umami うまみ」、つまり
日本人好みのグルタミン酸やイノシン酸が
色濃く存在していた。

それを形成するメカニズムは
未だ謎だが、
食通を虜にする
神の不可思議のわざが
顕われたような気がした。

これも、
気持ちを一度ならず二三度手放した
諦めの熟成が
効を奏したのかもしれない。

これからも、幾度も
手放す勇気が要るような気がする。


コメント

頑張れti-tie

もう、6.7年も前になるだろうか、
新得で行われた
チーズサミットに持ち込まれた
まだ名前も無い怪しげな白い塊
しかも、エリクサー水から生まれたというのです。

製作者はチーズだというが・・・・

シェーブルのような
フェタのような
リコッタのような
チーズであるような ないような
和製ちーず???

美味しいような
美味しくないような

一切の断定的言葉を持たない
不可思議な物体
あの怪しげな白い塊は
暗い処で頑張っていたんだね。

見事に成熟したチーズとなり
ti-tieという名でデビューし
小泉氏の絶賛という評価をばねに
いよいよ世界へ向けて挑戦するんだね。

本当に美味しいti-tie
エレガントな味わいは
『美味しい』という定義を見事にクリアーしていると思います。

特に
ti-tie de shiokara
は、本当に絶品。
後を引き、癖になるマニアックな味本当に怪しい塊に成長していました。

あの強烈な香り(匂い?臭い?)と味
小泉先生は上品に塩辛と表現なさっていますが、クサヤかドリアのように強烈。
私の指に移った臭いは、石鹸を付けてもとれず、2日も臭っていました。
口臭も〜???
久しぶりのデートは台無しに・・・・

子牛の胃液を使わない
和製チーズ
それだけでも、まほろば的
考えさせられるチーズです。
偶然の産物が何千年も人間の食を満たし、欧米の文化となり商業化して競い合いの中で発展してきた。
草を食する前の子牛の胃液からチーズは作られる。
エリクサーから生まれるチーズはやさしい。
エレガントな味わいは、此の辺にあるのかも知れない。

頑張れti-tie!!!


わー、む・か・し・・・・・
あの時、フェルミエの本間さんや、和蔵会の片山さんもいらしてたナー
ヒュベール会長が、「アルザスにない味だが、補助金をもらって研究しなさい」と、
遠回しに牽制されたのを、真に受けて、ここまで来てしまいました。
あの味はヒドカッタのに、チーズを知らない強みで、よく世界チーズのドンに見せたものだと今思えば冷や汗ものでした。
無知と情熱で、何とかこの世は渡れると確信したのもあの頃です。
未だに何も知らなくてやろうとしているのですから心臓ですね。
でもそれさえ意識がないんです。
宮嶋さんの傍にまり子さんがいて、双方の通訳になって頂いて、
本当にありがたいと思います。
感謝します。
これからも、どんなに生まれ変わるか、サポート下さい。
多くの理解者に囲まれ幸せ者です。
ありがとうございます。

本当におめでとうございます!
わがことのように嬉しいです。

まほろばさんから出たti-tieだけれども
きっと世界のti-tieになっていくのかもしれませんね。きっとそうだ。

バンザイti-tie(ちょっと私の名前と似てる所がより嬉しいな)

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