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2006年12月26日

●現地漬け紅鮭

再び、鮭のはなし

現地漬け 紅鮭.jpg

カナダ西岸のジョンソン・ストリート海岸、 
そのフリーザーリバー産の
現地で塩漬けた紅鮭!!


現地漬け紅鮭.jpg       一尾 ¥5,900


紅鮭は北洋、アラスカ、カナダ
などの海域で漁獲される。

しかし、みな遠洋漁業のため、船で急速凍結して、港まで運ぶ。
その後、加工工場にて、解凍され、塩蔵して、再び冷凍する。
そして店頭に並ぶ時は、やや解凍気味で、家に持ち帰って、再び冷凍して、
また解凍して、漸く焼いて食べる。
その冷凍・解凍の繰り返しは、数知れず。

一般の塩紅は大量生産の工業製品になっている。
一旦冷凍したものを解凍すると、
細胞が死んで壊れてしまっている。
塩をしてもなかなか馴染まず、多量の塩が要る。
それで、本来の味が引き出せない。

しかし、現地漬けは、大いに異なるのだ。

漁獲仕立ての魚体は、細胞が生きている。
わずかの塩切り(塩をする事)で、細部まで塩が入る。
一昼夜置くと、
肉質の蛋白質とうまく化合してアミノ酸化し、
旨味成分が一層引き立つ。
味が自然に出きった処で、
急速冷凍をかけて旨味を閉じ込める。

それは、釣った魚をすぐ食べるより、
半日置いた方が旨いのと似ている。
貴重なワンフローズン(一回冷凍)である。

紅鮭の品質の大きな違いは、
この現地漬けか否かにある。
しかも、現地漬けは、
極めて数が少なく、幾分高価である。
しかし、代えがたい過程と品格がある。

そして、産地があのフリーザーリバーの紅鮭。
アラスカのカッパリバーなど著名であるが、
やはりカナダのジョンソン産には叶わない。

それは何故か、
それは遡上する母川の長さにある。
それに比例して脂の蓄えが異なる。
そして、それは体の色素にも出るという。
粗脂肪が濃いほど、色素は反比例して薄くなる。
つまり、フリーザーリバーは長いため、
ブリストルの鮮赤に比し、
深いピンクである。
それほど脂が載っているといえるのだ。


数ある紅鮭の中の現地漬け。

あの方にこそというには、
打って付けの贈答進物の極みである。

寒風干し鮭.jpg
店前で鮭の寒風干し

コメント

毎回毎回、濃い内容のお話をありがとうございます。本当に社長の見識とこだわりには頭が下がります。何か文章を読んでいるだけで、鮭のおいしそうなにおいが漂っているようです。

何とも風格のあるお魚でしょう。
できれば、この寒干
満月期と新月期の両方で試したら面白かったかも。
微生物が活発に活動している満月
休眠している新月
味わって見たかったです・・・・
残念!

なーーーるほど。満月干しに、新月干しか。魚にも応用するんだ。これ、売れるかもしれませんね。先日来店された魚谷社長に伝えておきますね。社長すごい語り部なんですよ。正月には、小泉武夫先生も札幌にいらっしゃるし。

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