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2009年06月13日

●「波紋音ライブ」inまほろば

波紋音 家2.jpg

偶然性の音楽、「チャンス・オペレーション」という概念を
世に問うたのが、あの茸好きの「音の哲学者」ジョン・ケージだった。
その一つに「プリペアード・ピアノ」という
ピアノ線に消しゴムやボルトや木切れを挟んで、
ピン・ポン・グァン・・・と予想外で、奇妙な音を鳴らす
不確定な現代曲があった。

もう50年も前に起こった出来事だが、
実は楽音だけが音楽だと縛り付けられていた観念が、
日常で身近な音にこそ、真の音楽があるという事実を気付かせる、
まるで禅問答のような問いを米国のケージ先生は発したのだった。

私も若い頃、この洗礼を受けた一人なのだが、
耳を澄ませれば、自然に限らず人間の所作それ自体もひっくるめて、
生活全てが、実に音楽的だ。

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そんな音楽的縛りや決まりを解き放して、
鉄のオブジェから躍り出る音達の語りを聞こう、
とするのが、今回の企画、
「波紋音」ライブだ。

代々鍛冶師だった斉藤鉄平さんが、
たまたま造ってしまったという鉄の太鼓。
表面に亀裂を入れたものが、
言うに言われぬ音の紡ぎ合いをする。
その音色、間合い、沈黙、高低・・・・・、
これが、実に音楽といえば音楽なのだ。

はもん2.gif

今、武満さんが生きていれば、すぐに使ったに相違ない。
確か、釧路出身の奈良さんのコンサートで見受けた。
そんな魅惑的な独創楽器を引っさげて東京の永田さんが、
まほろばにやって来る。
あの薄暗い地下洞ならば、絶対ピッタリ来るに違いない、
と今からワクワクしている。

「0−1テスト講習会」が開かれた東京池上の実相寺で、
クリスタルボールの牧野さん達とセッションしたDVDとCDがある。
その仲間の一人でもある永田さん。

指揮者の故岩城宏之さんと同じ芸大の打楽器科を卒業された。
音楽の基本をしっかり身に付けられた上で、
単に感性に流されない知的な構成と、
研ぎ澄まされた音感が奏でる演奏には、
安心して聞ける懐の奥がある。

はもん3.gif

この出会い、
きっと波紋の様に
何かが拡がって行くに違いない。

実は、その場の空気の流れに身を任せて奏でる
波紋音こそ、偶然性の音楽の極みでもある。
しかし、この偶然たらしめる結果の因縁は、
実は複雑な必然性の為せる業なのだ。

私とあなたが、ここにいる偶然は、
すでに約束された必然だった。
これほど重い必然と偶然の出会いはないのだ。

是非、当日、心の共演者の一人として
参加されることを熱望するや切なり。
その参加を必然としたい。

波紋音 家1.jpg

その前日の19日(金)に、
コミュニティFM「三角山放送局」に私が生出演して、
「波紋音」のことを、少しご紹介しますね。
これもお聞き逃しなく・・・・。

http://www.sankakuyama.co.jp/contents/w_mack/mackpotal.php

●放送日:平成21年6月19日(金)
●番組名:「フライデー・スピーカーズ」(16:00〜19:00)
●放送時刻:16:30〜17:30
●テーマ:「まほろばが考える、食とは、農とは、人の営みとは」
●ゲスト:宮下周平さん(株式会社まほろば代表取締役社長)
●聞き手:杉澤洋輝

コメント

永田さんの波紋音、磯田さんから伝わってきていましたが、ベースの吉沢さんやサックスの梅津くんとも知り合いだったとは。吉沢さんとは亡くなる前に1対1でベースを弾いてもらったことがあります。フリージャズとも即興でつながっていたなんて驚きです。波紋音の広がり楽しみです。

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