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2008年03月28日

●白川静 1

甲骨文字 1.jpg

昔、20代の頃、書道を誰に習うこともなく自習していた。
部屋に籠っては、新聞紙に古典を臨書していたのだが、
その中でも、甲骨文や金文が特に気に入っていた。
何が書いてあったか分からないまま、
その造形の始原的な象意に惹かれた。

骨に占いの記録を刀で刻む。
あるいは青銅の器に彫る。
そこに書芸以前の、もっと現実的な意味合いを感じて、
独り静かに書いては捨て、書いては捨てていった。

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その甲骨の発見は意外と新しく、
拓本や写真本で公開されたのは近代だった。

当時、漢字の碩学と言えば「大漢和辞典」の編集者
諸橋轍次先生で、その膨大な足跡にただ敬意を表するのみだった。
「論語」や「老子」の講義は掌中を離れず、あるいは
「中国古典名言事典」などは、今もなお座右に在る。

その頃、漢字や東洋哲学の書に、度々散見する
「白川静」という名を見ては、あぁー新人なのだな、
という程度にしか、理解していなかった。

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金文.jpg

その人こそ、漢字学の革命児、白川静先生その人であった。
その衝撃的なデヴューは、必ずしも幸福ではなかった。
それは既存の学界では、甚だ受け入れ難いものであった。

しかし、私が、その新説を知った時、
若き日の思い出と共に、納得出来るものばかりだったのだ。

コメント

大変面白かったです。

今までの言葉に関する自分の姿勢が
恥ずかしくらいぞんざいであったことを
認めさせられました。

ゆっくり読み返してみたい映像でした。

ありがとうござます。

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