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2010年12月29日

●「三種の神器」と「串柿」

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今朝、卸市場の神田商店の店先で「串柿」なる物があった。
目敏く見つけて、値段も格安(!?)、「ようし!全部、買った」とばかりに仕入れた。
何せ、何十年も買い付けに来て、初めて目にする物なのだ。
内地の床の間のお飾りにはよくある、あの串刺しの干柿だ。

北海道の風習にはない、伝統的お飾りなのだが、
北国には、柿が成らないから飾ることすらない。
ただ鏡餅には、頭(かしら)に葉付き橙(だいだい)を乗せるだけだ。
今年は、串柿を乗せてちょっと古式床しく・・・・・

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調べてみると、これが面白い。
あの刀根柿や核無柿の名産地、和歌山県の葛城町の四郷地区で作られているとか。
この串柿には、いわれがあって、神道の「三種の神器」から来ている。
ヤサカニの勾玉、アメノムラクモの剣、ヤタの鏡。

その玉が橙、剣が串柿、鏡は餅。
勾玉は、宝石、蓄え、困った時の救いの意。
剣は、災難除け、家内安全の祈願の意。
鏡は、自分の戒め、心を映す鏡の意。

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(ムソーさんの鏡餅セットと共に)

ことに、剣の由来は「古事記」の倭健命(ヤマトタケルノミコト)が、
駿河の焼津ケ原で賊軍の火攻めに逢い、命を落としそうになった時、
腰の剣を抜き、草をなぎ倒してむかえ火をうって火難を免れた・・・故事。
弟橘姫との悲哀の別離の前、「まほろば」の歌を詠う通奏低音になっている。

その草薙の剣の象徴こそ、この串柿でもあった。
この10個一連の柿の両端の2個で、ニコニコと。
中の6個で、仲(なか)睦(6つ)まじく共に白髪の生えるまで。
夫婦、子供、お年寄り、皆仲良く、笑顔で、家庭円満、家族健康。

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ところが、HPを見てびっくり!!
これが一連、¥1260で売られていた。
それを知らずに、売れ残っては大変とばかりに、
何と、¥180で値付け、
気付いた時には、「遅かりし由良之助(笑)」。

どうぞ、厄除けの宝剣で、悪因縁を断ち切って、
清々しい運命回天の明年を迎えて下さい・・・・
まさに、破邪顕正のお飾りを家に迎えて、
好運を呼び寄せてください。


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