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2009年02月11日

●リハビリとカレンダー

花カレンダー 1.gif

10日・日曜日夜、NHKTVをたまたま観ていた。
それは、NHKスペシャル「『闘うリハビリ』 あなたはここまで再生できる」だった。
番組の冒頭、あのリハビリ中の長嶋茂雄さんが出られた。
4年前、脳梗塞で倒れてから、何と初めての出演だったという。
「セコムしてますか〜?」という甲高い、歯切れの良い声と打って変わって、
それは身障者の方特有の話し振りであった。
予想していたとはいえ、あの元気溌剌な彼の変貌。
いささかショックを隠せなかったのだ。

長島さん.jpg

何せ、あの「我が巨人軍は、永久に不滅です!」との別れから、
私は子供心ながら、まったく野球に興味を失ったぐらいのファンだった。
それは、「土俵の鬼」と言われた初代・若乃花の引退を機に、
相撲が色褪せたのと同じだった。

その彼が、公の席でも談話を公開させなかったのに、
このTV放映を、何故許したのか。
それは、主に脳出血などの後遺症による心身の不自由な多くの方々の
社会・生活復帰のためのリハビリの現状が、
余りにも悲惨な状況に置かれているためであった。

今回の趣旨を、NHKの解説で伝えたい。

   「闘うリハビリ U」 〜寄せられた声をたずねて〜

「リハビリ(=全人間的復権)に取り組む人々は全国に200万人。2008年2月に放送したNHKスペシャル「闘うリハビリ」では、私たちの脳に秘められた限りない再生力を解き明かし、超早期リハビリという医療の常識をくつがえすリハビリの可能性を伝え、番組には多数の手紙やメールが寄せられた。
人々の声から浮かびあがってきたのは、彼らが直面している現実の厳しさ。『もうこれ以上やってもよくなりませんよ、とリハビリを打ち切られ、絶望している』『いったんリハビリを中断したら体の状態が極端に悪化してしまった』。退院後、リハビリを続けたいと願いながら、制度や介護施設が見つからないなどの事情で、リハビリを続けられていない人々がいる。
番組では、2008年春、脳出血に倒れて以降リハビリを続ける藤田太寅キャスター(元NHK解説委員)が現場へと出向き、回復の途上に立ちふさがる「壁」とは何か、それを乗り越えるにはどうすればいいのか、何が必要なのか、当事者の目線に立って伝えていく。」
再放送予定:2009年2月15日(日) 午後5時00分〜5時59分 総合

花カレンダー 2.gif

番組では、何人かの方々の復帰を目指しての懸命なる努力の様子が
映し出されていた。
それは、涙ぐましいご家族の協力のもと、
病院のトレーナーとが一体になっての訓練であった。
だが、これが叶うのは全体の一握り、極々限られた恵まれた方々しか、
そのリハビリの恩恵には浴さないのだ。
それが、単純に医療制度に問題があるのか、
金銭的なことで片付けられるかは分からない。

しかし、その問題は別にして、復帰するという本人の意志の持ち方で、
奇跡的な回復力が立ち顕れるのを目の当たりにして、
人間の潜在能力に驚かされた。

松香さん.jpg

その一人に、松香健次郎さんがいた。
彼は、若い時から、昆虫写真家として世界的にも名を馳せて活躍された。
それが50も半ばを過ぎて、ある日撮影の為に山に登った時に、
その事故に遭遇した。
事故と言うより、中ったのだ。脳内出血だった。

それ以後、手も足も腕も動かない麻痺に、人生絶望の日々を送った。
だが、ある日、医師から「草花の写真を撮ったら・・・」との一言から、
彼は内側から目覚めるものがあった。

「また、あの写真が撮れるのか!」との思いが、
彼に復帰の火種を付けたのだった。
それから、あれほど苦痛だったリハビリに打ち込んだ。
のめり込むようにして、励んだ。

接写には、かがんだり、腰を捻ったり、中腰になったり、
様々な動作が必要になる。

それは、写真を撮りたい、との一念であった。
そして続けること、2年の歳月。
遂に彼は、一人立ちしたのだ。
自分で歩き、自分でセッテイングしてシャッターを切り、自分で編集する。

花カレンダー 3.gif

その時、私は、「これだ!!」と思ったのだ。
何事も、人生困難にさせているものは強い想いがない事を。
それを、古人は「志」と呼ぶ。
志は、あらゆる困難を容易にさせると。
そう教えてくださったのだ。

そうして、番組の最後に松香さんの作った草花のカレンダーが映った。
「ええぇ!!あれ、まほろばのカレンダーだ!!」
今年も無料配布したミニカレンダーではないのか?

.花カレンダー 4.jpg

翌日、カレンダーの製造元に、その写真家のことを尋ねた。
すると「あれは、私です」と明かされたのだ。
これには、本当に驚いてしまった。

何せ、このカレンダーは創業当時から20年以上にわたって、
配り続けて来たものだった。
今は亡き薬局「サンドラック」の宇戸先生のお勧めで、始めたものだった。
松香さんのお父さんが薬剤関係で、宇戸先生との繋がりがあり、
その息子さんの健次郎さんが、
これを引き継ぎ、もう40年も携わっているとか。

このカレンダーは皆から使い勝手がいいと大評判で、
毎年少しづつ増刷している。
私にとっても、便利で事務机に欠かせない必需品なのだ。
この可憐な花々の陰に、こんな劇的なドラマがあったとは。
この花達には、魂が入っていたのだ。
そんなお人柄だからこそ、今まで続いたのかもしれない。

この尊い御縁に感謝を込めて、これからも配り続けたいと思っている。
もし会社で、扱いたい方があれば、ぜひご利用戴ければ。
松香さんの精進の結晶でもある心華。
その美しさに、我々の心が日々清まっていけば、花の精も歓ばれるだろう。

松香さん初め、皆様方の更なる回復と復帰をお祈りして・・・・・

お問合せ先
       「サンキューカレンダー」
〒154-0016 東京都世田谷区弦巻4-7-17-3F 
          TEL.03(3420)0777 
          FAX.03(3420)0791 
   メール
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 松香さんのHPを御覧下さい。
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