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2008年12月04日

●幻の米「ハッピーヒル」

福岡先生の米.gif

20年以上前、まほろばに福岡翁の「ハッピーヒル」が送られて来た。
その食味の豊かさに驚嘆して、これがあの田から生まれたのか!
と感動したものだった。
しかし、その後、バタッと、届かなくなった。

それが、今冬再びと届いたのだ。
亡くなった翁の遺産でもある。
自然農法を志す人々の手に一握りの種籾。
それが拡がって日本と世界の田に、翁の伝説を甦らす。

「アメリカから来た青年が米国に持ち込み、それが『ハイブリット米』の種になった」
と、生前、翁が語るのを聞いたことがあった。
それで当時、一切の種籾の持ち出しが禁止されていた。

おいしい+多収量=ハイブリット米
ハイブリットとは、「交配種」「雑種」という意味。
花粉のできない稲の雑種を米の生産に利用した「ハイブリッド米」が米国で実用化。

ハッピーヒル.png

「福岡さんは自らが交配したハッピーヒルという品種を育てている。背はけっして高
くないが、力強い感じがする。冷夏だった昨年に収穫された、1本の稲穂についた実
を数えると350粒もあった。これは日本一の収量だ。普通なら100粒程度。この
ハッピーヒルに、もう開発されている、子のできない「雄性不捻の稲」をかけ合わせ
たらどうなるだろう。おいしくて、多収穫だが、できた種籾を植えても実ができない
という稲ができる。これは強力な戦略武器になる。農家は毎年籾をメジャーから「買
う」ことになるのだ。ハッピーヒルは現在3号まであるが、1号が彼を訪ねてきたア
メリカの青年によって国外に持ち去られてしまった。それが輸出用のカリフォルニア
米の母胎になっている可能性がある。それと呼応するように、最近になって1号は、
農水省の新品種登録から外された。どうもくさいと福岡さんは顔を曇らせる。日米種
子戦争が水面下で始まっているようだ」

以前、ある雑誌に語られた翁の記事である。
もし、種子戦争の元種になっていたのなら、
これほど悔しいこともあるまい。

しかし、水面下で世界中で自然農法を志す若者が、
一粒一粒、幾千万の穂を次代に継いで育てているだろう。
翁の志が、戦争の火種になるはずが無い。
必ず、平和の灯火として、籾が手渡しされて行くだろう。

この一握りの玄米に、翁の精神が宿る。

ハッピーヒル 2.jpg

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