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2008年12月21日

●花御所柿

御所柿 11.jpg

「柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺」
の子規の句。

この柿は何だったか。
奈良だから、平核か富有かと思っていたが、
「御所(ごしょ)柿」と聞いて驚いた。

実は、この柿を初めて仕入れたばかりだったのだ。
文化財にも指定された鳥取の「花御所柿」。
あまりの美味しさに、感嘆した。
今まで食した柿の中で、最高の味だろう。

耳にしたことのある名ではあるが、
かくも名品とは!
糖度が20度もある晩生の甘柿で、
その枝変わりが富有柿となったらしい。

御所柿 1.jpg

聞く所によると、奈良の御所(ごせ)由来で、
本木が只一本残っているという。
210年ほど前の天明年間、
伊勢参りした帰り、その枝木をもらった
鳥取郡家(こおげ)町「花」の野田五郎助という農民が、
渋柿に接木して拡がり名産になったとか。

その地名に因み、「花御所柿」という。
9割が鳥取・因幡地方「郡家町」にのみ栽培され、
しかも何故か不思議に、この町の中でも、
ごく一部の限られた地域でしか良品が採れない。

それほど栽培が難しく、
へたの割れや果実の表面の汚れが現れやすい。
また熟れているかどうかの収穫時にも気を使う。
それで、県外などで栽培が拡がらないらしい。

まさに、甘柿の文字通り
「大御所」なのである。

早目に、ご賞味あれ。
好事家としての語り草ともなろう。
一度きりの入荷、残り少なし。

御所柿 2.jpg

「花御所柿」群家(こおげ)産 1箱/18玉 ¥3,500 

「 御所柿に 小栗祭の 用意かな   子規 」

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