« 真贋 | メイン | 「ありがとう市」 盛り沢山イヴェント  »

2007年10月03日

●かみさまの贈物

りんご百景2.jpg

9月19日、午後4時過ぎ、突然電話が鳴りっぱなしの状態。
5台が、次から次へと、
「斉藤さんのリンゴはありますか?」

斉藤さんにかけても、全く通じない。
不通状態だ。

「そうか!先日の録画が、放映されたのか」

毎年必ずTVのリンゴ取材がある。
そのため、年々卸して貰える量が少なくなって残念だ。
20年前の「こんな山のようなリンゴ箱どうしよう」
と心配した頃に比すと、隔世の感がある。

しかし、考えてみれば、
市民の皆さんが一人でも多く、
リンゴ山に向かい、近場の生産物を
手軽に買えるなんて、こんなステキなことはない。
しかも、この都会の真ん中で。

りんご 1.jpg

改めて、画像を見て、斉藤さんの偉さを再認識した。

先ず「叢生栽培」。
40年間、一度も土を耕したことがない。
正に、不耕起栽培の先取りだった。

根の先端を痛めず、
土中の菌相バランスを壊さず、
ミミズ達が耕運機になって穴を掘り、
空気のよく通う団粒構造にしてくれる。

しかも、クローバーの草生だから、
保湿性もあり、
空気中の窒素を固定して肥料とし、
刈った草は、緑肥にもなる。
頻繁に地を踏みしめても、
草がクッション代わりになって
土と根を優しく包む。

正に、先見の明だ。
当時、誰もなし得なかったことだ。

りんご 2.jpg

さらに、工夫せざるを得なかったことに、
銀シートがある。

東西、南の山に囲まれ、
日照時間が短い。
そこで、銀シートを樹の周りに置き、
陽光を満遍なく反射させて、
リンゴに光とエネルギーを与える。

日陰で青みのまま、もがれる事もなく、
皆色づき、「ワタシは真っ赤なリンゴです〜〜〜」

台風には何時も泣かされる。
強風の直撃と北東の山間からの吹き返し。
これに煽られ、リンゴがボロボロ落ちるのだ。

昭和初期、当時周囲に百軒もあったリンゴ農家が、
斉藤さん一軒だけ残ったのだ。
最も悪条件の山の上で、気候の下で、
斉藤さんだけ、何故居るのだろう。

車の無い時代、
お父さんは、リンゴを売りにソリで市場まで下り、
肥料を載せて、畑まで押して登る。

「苦労の汗の分だけ、
神の報酬は大きい」
と天は言っているのだろうか。
そして、斉藤さんご夫妻は
神様のような人。

北海道神宮のご奉仕は
もう70年以上。
きっと、神宮の神様も
守っていらっしゃるのでしょう。

今の自分の境遇に不平や不満、
一番悪いと思っている人へ。
「それは、神さまがあなたを見込んで、
一番のチャンスを与えているんですよ!!」

りんご 3.jpg

しかし、さすが、3年前の
札幌の街中の木々をなぎ倒した台風。
全滅したリンゴ園に立ち、茫然自失して
「もう、神様がやめなさい」と
言われた、と斉藤さんは思った。

娘さんだけで、跡継ぎの居ない斉藤さんは、
真剣にリンゴ作りを止める決断をした。

ところが、この三角山のリンゴを愛する人々が
放っておかなかった。
次々とボランティアが集まりに集まった。

それから、毎日のように、
剪定や袋かけ、葉摘み、収穫を
みんなで手伝うようになった。

これほど、斉藤さんは愛されていたのだ。
生産者冥利に尽きる。

こんな美しい、輝くようなリンゴ園は何処にもない。
こんなにも太く、どっしりした樹は見ることができない。
これを無くするのは、もったいない。
札幌の宝である。

りんご 4.jpg

23年もの間、お付き合いさせて戴いたまほろばは、
何てラッキーなのだろう!!

時期になると、我先にと、
リンゴを求めにいらっしゃるお客様は
何てハッピーなのだろう!!

本当に、
斉藤さんのリンゴは
かみさまの贈物なのです。

斉藤さん りんご.jpg

コメント

りんごの いい匂いがします!
最近、TVを見ていても香りが感じられるように
なりました。(特権)笑

りんごは愛の果実ですね?
寒さの厳しい地方の人たちへの神様からの贈り物。
それを丹精込めて育てる方たちは天使ですね?(^−^)

工夫して、工夫しておいしいりんごを供給して頂き本当に有難うございます。
斉藤さんご夫妻はじめ、りんご園に関わる全ての人々へ感謝のみです。
有難うございます。
これからもよろしくお願いしますね。

コメントする