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まほろばだより−トピックス−



 
  広々とした石狩平野が広がる新篠津。

 290戸がエコファーマー、1/3が特別栽培、有機JASは何と17戸で約6%、これはヨーロッパ並の軒数である。   4700町歩のうち、2000町歩が皆農薬や化学肥料5割減の畑となっている。

 村には畜産業を営む酪農家はなく有機堆肥は使えないが、「クリーン農業推進センター」で米糠を用いたEMぼかしを作っている。

村が補助金でこの活性機械施設を導入し農協が管理して、農家が生産するシステムで、全村挙げての「環境保全型農業推進」の取り組みをする全国でもまれな地域なのだ。水はけの悪い泥炭土壌は、農業に適さないと言われながら、腐らない未分解有機質農地を宝の山に変えて成功させた村でもある。  

 この恵まれた地域で、更に磨きをかけているのが、1961年生まれ、46歳の早川仁史さんだ。明治時代、埼玉の川越の「餡子屋」だった先祖が渡って120年、四代目に当たる。
 
毎年、メロンのこの時期になると、早川さんの「ルピアレッド」が店頭に華やかに並ぶ。  
しかし、その陰で彼がどのような努力をされているか、その驚異の姿を紹介したいと思う。


メロンの90mのビニールハウス全景


 一言、それは驚異的な営農能力・手腕の不思議さに圧倒されるのだ。

何と25haを奥さんと2人だけで、平地とはいえこの広い面積をこなしているのだ。
有機大豆6ha、有機黒豆1ha、有機と特別栽培米ななつぼし13haで、小麦で4.5ha、メロン80a の計25ha。
これは当然、機械力によるとはいえ、他の農家の人にとっても考えられない労働効率なのだ。
まさに奇跡の農業がここにあった。

 早川さんも、以前同じ村の大塚さんのように葉物や果菜を作ったことがあったが、余りにも手間がかかり過ぎて効率が悪いので蔬菜類を作るのは諦めたという。
正にその通りで、「まほろば自然農園」のやっている農業は、早川さんとは対極にあるものだ。


 日常、各家庭で必要な細かな野菜達を、勾配のある山坂の畑で機械化も難しく、時間も労力も経費も何倍何十倍もかかってしまうのだ。 しかしまた、それはそれで意味と役割のあることなのだ。
その違いを知った上で、早川さんのダイナミックな集約的農業を見て戴きたい。



見事に出揃ったメロンの葉と玉。歩くと癒されるという。
 90mのハウスが7棟、50mが6棟、計15棟、80aのメロン、ルピアレッドをEM農法で栽培。

管理は奥さん、収穫はご主人の分担で、年間2万個を収穫。 他のメロン農家に訊ねても信じられない人手だという。
平均、富良野では4、5人、夕張ではもっと人員が要ると言う。
 
 昭和63年のまだ独身時代にメロン作りをスタート、20年続けての連作障害に悩まされた頃、平成4年にEMに出会い、2001年にJAS有機に切り替えた。

 メロン栽培は通常3、4年経ったら、ビニールハウスをずらす必要があるが、それは大変な労働力だ。しかし、一回もずらすことなく、15年も連作して今に至っている。

これは省エネで革命的なことなのだ。 で、8月以降は風味が落ちるという。
1月20日から5月1日まで日をずらして播種する。
メロンの本当の旬は7月で、8月以降は風味が落ちるという。

 ハウスを見るに、下のマルチビニールに赤い斑点がある。
これは微生物の王様と呼ばれる光合成細菌なのだ。この菌が発生する畑は滅多に無く、光合成細菌自身が、畑の問題点を自己解決する理想形なのだ。

 肥大葉により根が窒素を吸い過ぎるとメロンにとって肝心の糖度が上がらなくなる所を、品質葉により光合成細菌が窒素を餌として消費して循環させる。
このメカニズムで品質も玉伸びも共に落ちない。
苦土欠乏症になって葉が枯れ上がる時が、旨いメロンの収穫期だ。
虫もハウスの周りに草を生やして食害を1割に抑えている。

ビニールの下に赤く染まる見事な光合成細菌の菌叢。

 6月2年々人気の増す早川さんのメロン。
比して入荷量が減少傾向にあり、肝心のお盆、お中元シーズンには中抜けするので、早目のご注文を。


有機の大豆を栽培したいために、3倍の農地、全耕作面積の50%は水田でなければならない規約に沿って、離れた別な田圃を買い足して行った。
慣行米も農協に出荷することで、農協や近所とも共生してうまく調和を取っている。



「バイカラーコーン」の畑。
出来たら、連絡すると。
 

 
「ななつぼし」の田圃。ほぼ全量「玄米酵素」さんに行く。 離れた所にも大面積の田がある。

EMを使いながら、機械除草で収量は慣行農法より上がっている。
糸ミミズも沢山棲息し、表面には水田の理想とするトロトロ層が形成されている。  

 7月から「バイカラー」の有機とうきびも出荷され、まほろばにも報せるという。


整然とした大豆畑。病気も雑草もない。見ていて気持ちが良い。

 メロンは2ヶ月食卓に置かれるだけ。
通年愛用せられる農産物を求めて、大豆作りを始めた。  

 7haは有機大豆を栽培。
黒豆は7年目で丹波並みに極太粒になり、大豆は豊まさり系の「豊娘」で 7年目。 しかも通常3年で切り返すが、9年同じ場所で作付けしている。

 病害虫も時に来るが、てんとう虫のような天敵がこれをコントロールして、虫害に遇う事もない。発芽の時、一番虫に侵されるが、EMは吸水力が強いため、発芽が早くなって成功している。 時の勝負で虫より一歩先を行くのだ。

 慣行では肥料農薬を種と一緒に撒くが、早川さんは自家採取の種だけを撒く。有機大豆は発芽が悪いのが悩みだが、見ればきれいに出揃って、しかも雑草が一本も見えず見事だ。  
どうも、日本の農家の遺伝子には畑はきれいにしておくという習性が刷り込まれていて、隣近所と競争してでも草一本も生えさせてはならない、と除草剤を撒く。 しかし、それを機械力だけできれいに実現している早川さんの畑は、余程の管理能力、観察眼があっての手早い処置をしているためと思う。

 メロンや他で苦労している分、これは余暇のような楽しさと癒しがあって自分は『楽農』をしているという。
それでは、他は「苦農」ということになる。
実際、日本農業全体は労力も経営も実益でも苦農であることは間違いない。


JOHN DEERE(ジョンディア)。トラクターの王様。子供たちの憧れと自慢。  

 施肥はEMぼかしを年一回やるのみという。後は、暇さえあれば、機械除草してやる。 それは何故か。

 マメ科の植物は空気中の窒素を根瘤菌で固定して育ち、土が肥える。常に空気を入れ替えて窒素を供給してやる。
その繰り返しが効を奏する。
根瘤菌が他の農家に比して異常に多い。一人で7ha の除草も4時間で終わらす。
 これは、確かに楽しいし、気持ちいいし、面白いに違いない。

 根っから機械が好きだからトラクターに乗るのが楽しいせいもある。
何処の農家も機械化の下敷きになって経営不振になる所、逆にこの機械化作業体系が高品質多収穫を実現させたのだ。

 千三百万円もする畑のベンツ、ジョン・ディアのトラクターを乗り回すことで、若者が農業に憧れも持つ。 そんな現代的なバランス感覚も必要なのだ。  

 播種一回、施肥一回、収量一回、あとは時々トラクターを回すだけで、最後コンテナの1回納品と、1回の集金で完結。 安全で安楽な農法。
これがあって、後の畑を忙しく回れる。
これがゆとりと遊びを生むのだという。
遠くは福井(丸川味噌)と広島(寺岡醤油、小麦は自社)にコンテナで送るだけ。


大豆の除草機。これを早川さんが宣伝したら、全国で殺到して売れ切れたとか。

 有機の米は食味や品質というより安全性重視で当別の「玄米酵素」さんの工場へ原料として大豆と伴に全量出荷するので、これほど又楽なことも無い。 食味検査では慣行より良く、しかも一番長く栽培実践していて、収量が一番あるという。

 ちなみに、村の平均は270sで早川さんの所では310s と驚異的でもある。 しかも、値は通常の倍である。これは相手の値決めである。
米も3,4割高という。


JASオーガニック(有機)認定農地の立て札

 EM菌は、比嘉博士が考案された嫌気・微好気の複数微生物の集合体であり、特定の微生物を全国各所に移すのはいかがなものかという問いに対して明確に、土中においては人間のような相克はなく、スンナリ受け入れて、その土地に会う土壌菌に変換する適応能力がある、という。

むしろ、乳酸菌が多くて糸状菌一方の方が怖い、とする。

 眠っている原液に糖蜜を加えて増やすのは各農家が現地でやり、分に一回の増殖で、どんどん変性して、その土地に合うように変貌を遂げる。

 他所から来ることで、地場の活性力も高まるのではないか。
確かに、日本中においての婚姻も各府県で錯綜している。 これが一箇所において固定して血族結婚すれば、血の濃縮が起こって遺伝子に異常が生じやすくなるのも事実だ。

 ちなみに3 に4 のぼかしを投入している。初霜が降りる雑菌を抑える時を待って、EMぼかしを仕込むという。
その初期温度を菌が記憶して、夏の寒さの時も活性する菌は、まさに独自の早川菌となって他と別物の菌に変化しているのだろう。それは、結果が全てを物語っているからだ。目の前の事実を観察して即応に対処することが、彼の柔軟で的確な判断力・行動力を生み出している元なのだ。  

 自分はEM一筋の「いちがい者(頑固者)」だという。
体は毎日ヘロヘロになっても、気分は楽農で楽しいという。月の初めに終農、そして1月初めには既に就農、わずか1月しか休みがない。1/4は税金にもってかれるほどの高収入を得ていることになる。

正に、農業者であり、企業家でもある頭脳と体力の持ち主なのだ。
実に精悍でいい顔をしている。 何時も元気溌剌で畑中を駈けずり回っているのだ。




 度々、全国における農業大会で招かれて講演される。
今年も東京の参議院議員会館に呼ばれて「有機農業推進議員連盟」で講演された。内外から多くの見学者が絶えない。
 
 早川さんは、「北海道の人は北海道の物を食べない」と、いう。
そのため生産物は、運賃向こう持ちで、90%関東に行ってしまう現状がある。そして、有機農家と消費者の接点が余りにも少なく、扱う業者が居ないし、見る機会もない。

 それでこちらが待っていられないから、関東に行かざるを得ない。
北海道の消費者の裾野は広がっていない。それで、有機農家も増えていない事を嘆く。
400万円のばら撒き農政をして、「ノウハウを出せ」と言われても、今まで苦労した手の内を簡単に見せる訳はないのだ。 有機農業は、金で解決出来る事ではない。それは、議員が考える机上の空論でもある。

米粉パンにして米の消費量を増やす事に対しても、反対する。パンと米とでは使う野菜が違う。根っこの物を伝えないと、自給率は上がらない。
箸と違う意味で、「ご飯を食え」と。
日本の食文化を忘れ、箸だけ持っていても、何とかならない。  
だから中学生によく言う。
「これからは稼いだ金は、食い物に使え。 それでないと、長生き出来ないゾ」と。

今後は、これ以上全開せず、息子のために余白を残したい」。

25ha、誰かに渡すのが農民の最大の役目だと、思っている。
忙しいが楽しく農業をやっている。近所の若者とコミニケーションを取るのが何よりの趣味という。

 有機農家が離農しても、草が生えていたらその土地は10%安く買い叩かれる。農家の評価は、青田で勝負という所があり、実績を見、途中経過を見ている。有機農家は隣近所に否定されずに、肯定されるようにならないと存続出来ない。

 近所の農家と共生することが何より大事。近所に初物メロンをいの一番に渡す。 近所あっての自分だと、何時も感謝している。
有機だから、草ぼうぼうにしては、虫や草の種が飛んで行く難があって、近所迷惑にもなる。回りは農村といえ、生活は都会化しているので、家畜は飼えないので動物性堆肥は使えない。
草を堆肥としてか使うしかなく、後は魚粕を用いている。

有機農業を広げるには周りがやろうと認める経済行為、生業としての力を見せねばならない。

例えば、ピカピカの機械力トラクターで眼にもの見せる、儲かっているという成果を見せねば、特に若い人は付いて来ないだろう。
有機では苦労ばかり多くて、金が儲からない、と思っているからだ。  

 だから、国には有機には、税をかけない、慣行には20%の負荷税をかける、などの農政を敷かねばこれから有機をやる人は増えないだろう。
それどころか、その肥料さえ、四川省の大地震で、燐酸や高度化成が入手出来なくなって来ている。更に、北海道道東の魚粕や国内の米ぬかや化成肥料を、建国精神でインド人の富裕層が買い占めに現在走っている状態だ。  
 
今何とかしなければ、大事な物が海外に持って行かれる。

 彼の農業の出発は、決して恵まれたものではなかった。
中学生の時、家が火事で、7割方の米を消失 26歳で1億の借金を背負って家族を養わねばならない、何時でも離農を勧められていた絶体絶命の場に立たされていた。その「負の理屈」から這い上がって来た根性と負けん気が、今日の彼を作ったのだろう。  
彼の信条は、
『売れた物を作る。売れる物は作らない』  
『作る時は売らない。作る前に売る』  

 作る時は、農作業に全身全霊を捧げる。売るのはその前にリサーチして売ってしまう。正に青田買いだ。 行く所は、ほとんど決まっている、という安心の上で、農繁期は全力投球出来る。  

 正に、農業人としての理想を走る姿に、多くの若者は付いて行こうとしている。頼もしい限りである。  

 大地と大空のもとで畑をする彼の姿は、まぶしい!!!


初セリで、1箱30,000円の高値で落札。

 

 
 
 
 

 

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