まほろばblog

「学級崩壊のクラスをこうして再生させてきた」

4月 4th, 2013 at 12:31
  菊池 省三(北九州市立小倉中央小学校教諭)

        『致知』2013年5月号
               特集「知好楽」より

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本年度(平成二十四年)四月、
赴任したばかりの小学校で
私は六年生を担任することになった。

初めて来た学校でいきなり最終学年を持つことは
あまりないが、隣のクラスの先生も
着任したばかりだという。

聞けば一年間で六人担任が代わったこともある
大変な学年で、卒業年次にもかかわらず
誰も持ち手がないということだった。

クラスの状態は確かにひどく、
私がよそ見を注意すると、
多くの子がチッと舌打ちをしたり、
「分かってま~す」などと横柄な受け答えをする。

ひどい場合には机をバーンッと殴り、
反抗的な態度を露わにすることもあった。

一年間で担任が何人も代わってしまうのには、
子供だけでなく、親のほうにも問題がある。

僕は悪くないのに、という
子供の一方的な話を聞いた親が
「担任の指導が悪い」と抗議をしてくる。

親である自分や我が子にも
非があるかもしれないという意識はまるでなく、
文句を言えばどうにかなる、
実際に担任を代えさせることもできるという
悪循環に陥っていた。

そうやって他者を攻撃するのは、
自分に自信や安心感がないことの裏返しでもあるのだが、
本人たちは我こそが正しいと信じて疑わない。

こうした例は一年前の私の学級ばかりでなく、
全国的にもほぼ似たようなものではないかと思う。

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