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トマトやナスなど果菜類の苗作りをする為に、毎年ハウスの中の一部に温室を作るのですが(ハウス全体は無加温なので)、毎年何やかや失敗して、なかなか良い苗が作れないでいました。

電熱線が切れてしまったり、昔の人に習って、エコの為に熱源として入れたヌカや落ち葉などが、発酵しないで腐敗してしまったり、温度が上がり過ぎたり、下がり過ぎたり、なかなか難しいものがありました。  

近在農家の人たちに相談して、教えてもらったりしているけれど、エコ温床をと言う思いもあり、近所の人と同じ温床を作るわけではないので、そこが難しいところでした。

そこで、昔から何でも相談できる契約農家の寺島さんに電話をかけて、判断に迷っている所を聞いて見ようと思い、電話してみました。
ところが、次の日にすぐ来てくれると言うのです。
栗山からです!!
 農家は仕事始めで忙しい時に!! 次の日、雪道をトラックで3時間もかけて来てくれました。
本当にありがたい、胸が熱くなりました。

寺島さんはハウスに入るなり、 「りっぱ、立派、まるでプロの農家みたいだ」と連発します。


「あのー、これ3年前に寺島さんに戴いたハウスなんですけど」と言うと、
「いや、建て方が立派」と感心することしきり、それもそのはず、元プロ農家の本店の大橋店長が農園スタッフを指導しながら建ててくれたのです。
改めて店長に感謝、感謝。

その後、丈夫な木で作った板囲いにも立派を連発、これも去年まで薄っぺらな安価な木で作っていたので、すぐにシナッテ不安定なので、今年から思い切って取り替えました。

3人の社員が2月から苦労して、きれいにきっちり埋め込んでくれていました。

寺島さんの指導は、本当に長年苦労と工夫を重ねてきた篤農家にしか分からない工夫とアイデアに満ちたもので、しっかりと教えて戴くことができました。
本当に有難うございました。



こんなに条件の整った春一番の好スタート、これで良い苗が作れなかったら、私とスタッフの人災?
うーん、凄いプレッシャー! でも皆で頑張ります。

安全で、おいしくて、生命力溢れた農園野菜をお楽しみに!!
家庭菜園の方、まほろば農園の苗をお楽しみに!!

何しろ『苗半作』と言いますから。


遺伝子組み替えとか、F1(一代交配)とか言うと、お店でもよく質問を受けます、これまで、農園便りでも少しずつ触れてきましたが、まだまだまほろばの考え方を十分説明し切れてないと思いますので、すこし余裕のある農園のシーズンオフにまとめてみました。



遺伝子は、細胞の核の中にあって、生命の遺伝情報が具体的に刻まれている一つの単位です。(人には3万個あると言われています)  

通常は突然変異でも起きない限り、遺伝子は容易に変わったりはしないのですが、遺伝子工学の発達で、有用な性質を持つ遺伝子を微生物などに持たせて、植物の細胞へ組み込んだり、圧力や電気の力で埋め込んだり、遺伝子の並び方を変えて、もとの生物の遺伝子に戻したりする事が出来るようになりました。
遺伝情報の切りはりと言った方が分かりやすいでしょうか。

これがいわゆる遺伝子組み換えと言われるものです。


左側が除草剤をかけない普通の大豆、右が除草剤に負けない遺伝子を組み込んで、除草剤をかけた大豆です。









日本の消費者団体や環境団体が、遺伝子組み換えに反対している理由は

@生物の多様性が失われる  
A遺伝子組み換え作物が、
新しい「外来種」として生態系を脅かす

などです。

@の多様性については、
遺伝子組み換え種子を開発した大手種苗会社のタネの独占が強まって、伝統的な育種法で採取を続けている種苗会社や、自家採取を続けてきた農家が姿を消してしまい多様性が失われる。
その結果、特定の病気や、害虫があっと言うまに拡がるのではないかと言う心配です。  

日本の種苗会社は、「野菜はGM(遺伝子組み換え)には向かない」と言う考え方なので、今のところ、とりあえず心配がないのと、後は自家採取する生産者が増えればいいなと思っています。

Aの生態系については、

遺伝子組み換えは、「種の壁」を飛び越えても組み替えられたり出来るわけですから(例えば、動物の遺伝子を植物に入れるとか)、何十億年もかかって進化してきた生態系が無秩序に撹乱されると、どのようなことが起きるのか想像も出来ません。



すでに油などの原料として輸入されているGMナタネの種が、輸送中に輸入港周辺で落ち、自生しているのが数ヶ所(横浜港、名古屋港,神戸港、博多港、鹿島港、清水港)で見つかっています。
 
これは、国が加工食品(味噌、醤油など)や、食用油、家畜の飼料用としてGM作物の輸入を認めているので、これを止めない限り、又は対応策を考えない限り、蔓延するのは時間の問題のように思います。

それに、輸入港付近だけでなく、加工工場の付近も心配です。



生態系の問題を深く掘り下げていくと、さらに大きな問題が浮かび上がってきました。   

それは、遺伝子組み換えは、生態系の秩序を飛び越えて、生殖という手続きを取らなくても、子供が生まれて来たりすると言う事です。

つまり、父親がいなくても子供が生まれて来るのです。
(受胎告知のマリア様なら神秘的ですが・・・・・)
考えてみれば、これは大変なことです。


生殖と言う手段によって、世代交代を繰り返し、長い時間をかけて初めて出来る遺伝子の変化を、
進化した生命だけに与えられた神聖な特権を、科学技術の力で外科手術のように、一朝一夕に変えてしまうのです。



生殖と言うのは単なる生理現象ではありません。
人間に関して言えば、多くの感情や情愛の生理的基礎は、生殖にあると言っても過言ではありません。
それらは、直接的、間接的に家族や社会関係、人類愛の基礎にもなっているものです。

だとすれば、恋愛感情や生殖行為を経由しない遺伝子組み換えによって生まれた子供は、どんな心を持って生まれてくるのでしょうか?

ゆっくりと心を育む時間が与えられなかったのです。
豊かな感情や深い情愛に欠けないとも限りません。

情愛は、人間を人間たらしめている一番大切な価値であり、人間以外の動物にも人間よりもう少し未分化の形で、性愛や情愛は存在するようですし、植物にもヒトや、動物ほど能動的ではないけれど、受動的な生殖はあるわけで、感動も幸福感もあるような気がします。


0−1テストして野菜と会話しながら育てていると、野菜にも感性があると感じます。

お花が音楽に反応することなども考えると、もの言わぬ植物にも、ある種の心のようなものがあるのではと思います。

植物から動物へと進化する前段階の感情の萌芽のようなものが存在するのではないでしょうか。



生命は食物連鎖を繰り返す中で、無性生殖から有性生殖へと進化てきました。

それとともに有性生殖を可能にするための性欲や性愛に目覚め、さらに複雑な恋愛感情や、友情、愛国心、人類愛などに進化してゆく生理的基礎を形成してきたのではないでしょうか。
常に恨みや憎しみや悲しみなど相反する感情と同居しながら、
直接的、間接的に高次の精神を発達させて来たように思います。

 だとすれば、世界がいかにヒトの遺伝子組み換えを許していないとは言え、植物を替えても、動物を替えても、生態系は食物連鎖によってすべて繋がっているのですから、影響を受けないわけがありません。

そういう意味でも、動・植物の遺伝子組み換えを容認すると言う事は、人類が拠って立つ生態系を精神面からも撹乱することであり、それでなくても現代文明によって不安にさらされている人々の心の安定を揺るがすことに繋がるのではないでしょうか。


栄養分析では、遺伝子組み換えの大豆は通常の物と比べて、栄養学的には全く同じだし、安全面でも問題ないという結論を出しています。

目に見えないものは、科学では分析出来ないからです。

同様に、有精卵も無精卵も栄養価は同じだそうですが、無精卵からはどんなに暖めてもヒナは孵りません。

無精卵には栄養はあっても生命も愛もないのです。
命も愛も目に見えません。
科学は目に見えないものは分析出来ないのです。  

ところが、0−1テストでは、動物でも植物でも遺伝子組み換えされたものや、クローンはマイナス反応になります。
無精卵もマイナス反応になります。
0−1テストは生命力も心も測るものさしだからです(栄養バランスも測れますが)

1997年、世界で初めてクローン羊のドリーちゃんが生まれ、新聞に写真が大きく掲載されました。

その時、0−1テストでドリーちゃんの生命力の弱さを知った私たち(主人と私)は、クローンに対して最初から懐疑的でしたが、やはりドリーちゃんは短命でした。

短命であることがクローンで生まれたことに起因するかどうかと言うことについては、国際的な論争が展開されてきましたが、今では、豚や牛などの実験でも効率の悪いことや、子孫が出来にくいことも分かってきました。


 

しかし、世界の多くの国(米国、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、インド、中国、日本など23カ国 2008年3月現在)は、人間以外の遺伝子組み換えを認めているのが現状です。

すでに大豆は世界全体の約3分の2、トウモロコシは約4分の1がGM化しています。  
また、人間に関しても医療面では色々応用研究されているようです。

 例えば、遺伝子組み換えウィルスで、がん細胞を破壊するという新治療法が研究されたり(慶大グループ・大阪府立成人病センター)等など・・・  日本の厚生労働省は、加工食品については、H・13年の4月以来、以下のような科学的検査を踏まえ、食品安全委員会に申請し、審査に合格すれば販売を許可しています。


@ 導入した目的遺伝子が作り出すタンパク質に毒性やアレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)がないか

A 抗生物質体制遺伝子が作り出すタンパク質に毒性やアレルゲンがないか

B 新たに作り出されたタンパク質が、胃液や腸液・加熱処理時に、働きを失って残留しないか

C 元の植物と比べての、栄養素の含有量・栽培特性・毒性物質含有量に変化がないか


農産物については、直接食べる野菜や果物などでなく、まず消費者の抵抗の少ない花からと言う事で、今年からサントリーが、自然にはありえない青い色のGMバラを販売する予定です。



消費者は、「あら!変わっててきれいねー」と言って買うのでしょうか?
私には急に無理やり青い色にさせられたバラの花の「助けてー!」と言う悲鳴が聞こえて来そうでとても買えません。

きっと青い色のバラの花は、ヒトの恋路の邪魔をすると思いますよ?
だって生まれた時に異性に愛された経験がないのですから…。
キューピットの役割などとても勤まりません。
皆さん不買運動を起こしませんか?  

消費者がここを許せば、なし崩し的にGM化の波が押し寄せて、気がついてみたらGMだらけと言うことにもなりかねません。

もちろん、加工食品にはもう際限なく入っているのですが…


道は、遺伝子組み換え作物は容認するものの、厳しい規制を設けてきました。

消費者の不安も取り入れて、今後も規制を緩和しない方針だそうです、道新に以下のような記事が載っていました。








放射線育種とは、放射線によって引き起こされる突然変異を利用して、農作物や材木の品種改良を行うことです。
これも、遺伝子組み換えに負けず劣らず不自然に思えます。

生命は長い年月の中で時々起こる突然変異によって進化してきました。
その変異を放射線によって起こし、偶然に、人間に有用な方向で変異したものを取り上げようと言うのです。

同じ遺伝子を変えるのでも、GMはピンポイントで、放射線育種は、無差別攻撃です。
どっちが良いかの問題ではありませんね。  

これは、植物全体、農園全体に放射線を与えるわけですから、例え、有用な遺伝子が活性化したとしても、染色体全体に影響を与えているわけですから。
目に見えない意識や、形に現れない悪い形質がONになっているかも知れません。





2001年までの放射線による突然変異品種の登録品種数は277品種になり、そのうち直接利用品種は46作物、145品種で、作物別ではキクが25品種で最も多く、
次いでイネ19、ダイズ13、バラ6など多種類にわたっています。

随分普及しているのには驚いてしまいます。 しかも、この統計から8年も経っています。

これも0−1テストすると、生命力がありません。

0リングテストや0−1テストのできる方は、
先のGM大豆や、
左の写真で実験してみて下さい。 

 

一方、従来の伝統的な育種法と言うのは、好ましい性質(たとえばある病気に強い性質)を持った品種を何世代(5〜7世代)も自家受粉させて安定な固定種Aを作り、一方別の好ましい性質(例えば味が良い)を持った固定種Bも同じようにして作り、最後に、固定種同士、A・Bを自然交配させて、A、Bの両方の良い性質を持ったF1(一代交配種=ハイブリッド)を作ります。  

交配は、昔は、ピンセットで一本一本雄しべを取り除き、手作業によって交配していました。

一時期、不必要な雄しべを不能にする為に、高濃度の二酸化炭素を使ったりなど不自然な方法も採用されていましたが、確率が悪く余りよい方法でないことが分かり、今では殆ど使われていないそうです。

今では、花が開く前の雌しべに、早く開いた花の雄しべの花粉をつけた方が効率的と分かり、手作業で行っているそうです。

 

このように、植物の交配は、やり方さえ自然であれば、
優秀な子孫(F1)を作るために、雑種強勢の法則に則って近親交配を避け、目的意識的に良い形質を生み出そうとする方向性があります。  

これは、根本的には、あくまでも生態系の秩序を維持する為の生殖という行為を経由しており、遺伝子組み換えほど不自然ではありません。
あくまでも、遺伝の法則に基づき、その法則を上手に利用しているからです。  

遺伝子組み換えと違って、ちゃんと父親も母親もいて、子供(F1)が生まれてくるからです。

ただ、何を優秀とするのかという所で、確かに価値観の違いはあると思います。否定されるべきは、経済優先の農業政策に基づいた価値観であり、農薬散布を前提にした多肥多収作物の開発です。


* 多肥多収作物  
一般に主としてチッソ肥料を多く与えれば、収穫量が増えるのですが、病気や虫に食べられやすくなったりするので、農薬を使ってでも、多肥に耐えて収量を上げられる作物を開発して来ました。

いかに反収(一反あたりの収量)や利益を上げるかということだけを目的に、作物の安全性や、味、栄養価、生命力などが置き去りにされてきた現状は否めません。  

しかし、そんなことを優秀とする価値観がおかしいのであって、F1を作り、品種改良すること自体がおかしいのではありません。
あるとすれば、品種改良の手法と価値観に問題があるのです。



大切なことは、F1を否定する事ではなく、いかに安全な方法で、わたしたちの命を最大限に生かしてくれ、共存共栄出来る健康なF1を作っていくことが出来るかではないでしょうか?  

最近では、種苗会社のカタログでも、消費者の安全意識の高まりを反映して、低農薬でも栽培できる作物や、肥料の高騰で少肥でも栽培しやすい作物、直売場向きの、味が良く個性のある作物などが見直され、掲載されるようになりました。

種苗会社の価値観も、世の中の動きと共に少しずつ変わってきているのです。
私は、天地自然の理に適った品種改良は大いにやるべきだと考えています。  

もともと農業と言うのは、偶然にしろ、意図的にしろ品種改良の歴史であるとも言えるからです。  

安全で、おいしくて(ただ甘いだけでなく)、生き生きと生命力に溢れ、そこそこに収量の上がる(日本国民を養える程度に)野菜を追求していくべきではないでしょうか。

あまりに固定種にこだわっていると、10年もすると近親交配で生命力が弱くなり、発芽率が悪くなったり、収量が上がらなくなってしまいます。


まほろば農園は、基本的には自家採取ですが、毎年、外部から有機や自然栽培の在来種や、固定種の種も取り入れて、自家採取のものと交雑させたり、一般の種苗会社(17社)のF1(ハイブリッド)も0−1テストで優秀なものを選んで取り入れ、固定種に仕上げたり、従来のものと交配させて、農園独自の品種を作ったり、近親交配を長く続けないで、雑種強勢を図るように心がけています。

 一般の種苗会社の種もどうして取り入れるかと言うと、0−1テストしてみると、品種改良をすることもなく、長年自家採取を続けて来た有機や自然栽培の種よりも、はるかに良い場合があるからです。

 まほろば農園の畑は百花騒乱、無秩序に見えるけれど、ちゃんと生態系の秩序は保てるように設計しているつもりです。  

農園見学の人には、この無秩序はなかなか説明しがたく・・・・・
でもおヒマがあれば是非一度ご見学下さい。



      2009年3月号
   

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