その文明の負の遺産とも言うべき産業廃棄物処分場が、道東のアイヌが大切にし、野生の鮭も遡上する紋別の清流「藻別川」支流の水源域に建設されようとしている。畠山さんは一人立ち上がり、反対を唱えているのだ。 
                           
                           すべてがひとつにつながり、絡み合うこの世界では、天に向かって吐いたツバが、まっすぐ自らの顔の上に降りかかってくるように、私たちの出した放射性物質や廃棄物が、再び私たちを苦しめる事になった。 
                           
                           私たちはアイヌをはじめとする先住民族に、今こそ謙虚に、学ばなければならないだろう。きっと、「フンベ」が伝えたかったのは、そういうことではなかったのか。 
                          
                          ほんとうに大切なものは何か? 
                           
                          生命を大切にする真に豊かな社会は、私たちが"分離"を超えた、その先にある。 
                         
                          そして、「アイヌ(人間)」として再び生きる事を誓った畠山さんは、真のアイヌとして、その精神性を後世に伝え残すため、亡くなられた愛する奥様と娘さんご家族のためにも、伝統捕鯨の再開を目指し、産廃と対峙しているのだと思う。 
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