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まほろばだより−折々の書−
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 浄活水器「エリクサー」が未だ生まれていない十年以上も昔の事。 とある薬物業者の主人から勧められた塩の塊があった。  

 それは、黒光りしたずっしりと重い鉱物で、とうてい塩を想定できる代物ではなかった。


 

 

 

 名を「ベイチ」「シンチ」と呼び、ヒマラヤの高山で採掘される紅塩であるという。  

 今では塩解禁になって、何処でもお目にかかる岩塩ではあるが……。  
 その当時、大変珍しく一握りが云万円もしたことを記憶している。

 好事家の私のことであるから、すぐ求めたのは言うまでもない。  

 聞くに、チベットのラマ医僧は、紅塩にムシロをかけて天日には晒さず酸化を防いだという。古来、何千年もの間、薬物の一種として珍重されていたことは西蔵医学大典に詳しい。

 



ヒマラヤ・チベット産紅塩。当地では「カルチャ」とも呼ぶ。地質学的に推定3億8千万年前に結晶化が始まったといわれる。
 

 

 

 当時、エリクサーに内蔵させるセラミックを作るために、世界各地から七百種類以上の動・植・鉱物の原材料を収集し、それを0‐1テストで調合・醗酵させた「まほろば酵素」を完成させていた。(後日、その製法がチベット医学の製薬法と酷似していたことに驚かされた。)

 

 

 


 その酵素をセラミックの材料に練り込み、一年以上寝かせて醗酵させ、独自に編み出した焼成新技術で一週間かけて焼き上げ、さらにまほろば酵素で再醗酵させ、ここに「まほろばセラミック」が誕生した。

 

 

 

 

 ちょうど時を同じくして、自分なりに「ベイチ」も含め、手に入る限りの世界の珍しい塩を集めていた。これを何とか一つに纏めて、理想的な塩が作れないものかと考えあぐねていた。  

 そして、0‐1テストすると、それらをテストでバランスよく配合した後、一部を焼き塩にし、残りを生のまま再び混ぜ合わせ、それを更にまほろば酵素で醗酵させ、そしてエリクサー水で再結晶させれば良い、との答えが返ってきた。

 

 0‐1テスト通りに、電気焼成釜でセラミックと同じ備長炭を敷き詰め、酸化還元法で一週間かけて焼き〆た。しかし、このことが大失敗だったことは、次にセラミックを焼く時に、釜の故障で初めて気付いたのだ。何と馬鹿な!鉄ニクロム線を張った電気炉が塩害で錆びて切れてしまったのだ。塩は釜全体に染み込み、何度ニクロム線を変えても無駄で百万もする焼成炉を台なしにしてしまった。  

 その代償は大きかったが、得たものは更なる夢を育んでくれた。

 

 

 

 


上が本物のエリクサーソルトの結晶写真。

 


 再結晶させた塩は、本で見る四方形の結晶構造そのままで、その不思議なキラキラした輝きと形の美しさに固唾を呑んだほどだった。ローズクオーツのような半透明の見事なピンク色でまろやかで美味であった。

 0‐1テストでは、きわめて反応が強く、塩分代謝の悪い腎機能の低下した人でも摂取出来るものだった。

 

 

 

 それを一時、商品化しようと企てたが、余りにもかかり過ぎる手間と時間に断念せざるを得なかった。時々、体の不調な方にお分けしていた。あのフランスのチーズ技術者のモランさんはお守りにするといって、喜んで持って帰国されたほどだった。

 



 

 

 

 その後も、エリクサーソルトを販売する夢は諦めきれないものの、なかなか実現にまで漕ぎつけず、今日まで来てしまった。平成九年に、塩専売制度の終焉に伴い、世界の塩が輸入解禁になり、一度にありとあらゆる原産地から眼に留まったことのないような塩が、市場には溢れだした。  この世界の広まりと豊かさを感じ取った時、今が時期かな、と思った。  今なら、十年来の想いが実現出来そうな気がした。しかも、より豊かな形で。


幻のエリクサーソルト
 

 

 

 塩には、さまざまな由来があり、一括りでは解説できない。 大きく分けて岩塩と海水塩に大別される。いわば老人と赤ん坊のようなもの、化石と生物のような違い。  

 地殻変動で海底が隆起して一億年以上の蓄積で塩が層をなした鉱物としての古塩。  
 かたや、今汲み上げたばかりの海水から採り出した若塩。  

 しかし、何れも地球上に海水が生まれた歴史を担っている。岩塩は止まった時間を有し、海水塩は流れた時間を有している。
  日本は、古代層がないから太古から海水を汲み上げて藻塩にしたり、あの山椒大夫の潮汲みのシーンにある揚浜式・入浜式の塩造りになったり、そして枝条架式塩田へと繋がる。専門的には、「採かん」と「煎熬」の方法を経て、戦後、専売公社のイオン交換樹脂膜方式の化学塩が多量に製造されるようになった。それにより、伝統的自然塩の製造が止んでしまったという苦い歴史があった。  

 また、岩塩は、ヨーロッパや中東で、露天採掘や溶解採鉱による発掘が行なわれてきた。また、フランス・イギリスの海岸地帯ではアジアと同じ海水による塩田法が今でも行なわれている。 

 一方、内陸でも完全に河川が封じられている湖に岩塩が溶けて結晶化されている米国のユタやアジアのモンゴル、中東の死海などの湖水塩もある。



 

 

 

内モンゴル・ジランタイの塩採集の風景。
 その作り方も様々で、水田のようにいくつかの塩田を階層的に設けて、次第に濃縮させて作る方式。或いは、東南アジアに見られる木船に潮を汲み上げて天日に晒して作る単純な方法。色々な釜で煮詰める方法。
 

 

 


 また、日本の大企業が大陸の広大な海岸に海水を引き、乾燥気候を利用して天日蒸発させる大規模な方法。新しくは、レース状の網に海水を噴霧したり、単純に鉄板で晒したりするアイデアも編み出されている。一通りでない塩製造法は、土地柄や歴史的背景で所変れば品変る風に変わる。

 しかし、塩のミネラル組成は重要である。ミネラルは人体生理の基礎であり、根幹である。自律神経系やホルモン系、免疫系等のすべてを支え、生命を維持させている塩は最重要な調味料ではあるが、いかなる塩でも良いという訳ではない。
 すべては、ミネラルバランスである。

 



 

 

 

 ここに、多くの素因を融合し調和させて、幅広い一つの塩が出来ないかという発想が、「七五三塩」を生んだのだった。  

 数には、偶然でない数霊が宿るとされている。古来、易では、奇数は陽数で縁起数として珍重されて来た。
 そこで、世界を代表する七つの海洋、五つの大陸、三つの山からなる海水塩、岩塩、湖塩などの塩を集めて混成させることを考えた。

 

 

 

 北極海、南氷洋、南北太平洋、南北大西洋、そしてインド洋。 この七大洋の中で、唯一塩が産出していないのは北氷洋で、手に入れるために、八方手を尽くしたが無駄だった。北方圏の人々は、伝統的に魚を生で多く食べ、反対の性質のカリウムの多い植物性食料は少ないので、あえて塩分を補給する事や、極寒で食物が腐敗しないため、造塩の必要がなかった。まほろばでは鮭の取引きがあり、北洋紅鮭を扱っている日本の鮭鱒船団やカナダ・アラスカの企業に聞いても一笑に付されるだけだった。

 

 

 

 ところが、粘るもので、ある外国の知人のツテを頼りに、カナダ大使館を通じてアラスカの商船企業を見つけ、そこでわざわざ船を出して、北緯六六・六度以上(北氷洋の南限度)の海域で海水を取水してくれるという吉報が入ったのだ。

 これには狂喜した。それはバローという所で、北緯七一度・西経一五七度の北極圏内だった。

 今回の一番の難所は最後に、北極海の塩が入手出来なかったことだ。航空便でこの貴重で、しかも高価な海水を送って頂いた。ただし、これを煮詰めて塩を取るには、少な過ぎる。それで、せめてその波動だけでも、ということで製造の時、この北極海の海水を噴霧している。

 


アラスカ北辺のBarrowバローの沖合いで取水。
 

 

 

 後は、比較的集めるにさしたる困難はなかった。それは二十年以上にわたる食品関係のルートが、網の目のように取引先を見つけてくれたともいえる。  南北アメリカ、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリアの、五大陸の岩塩や湖塩。
 

 

 

ヒマラヤ山脈。
そして、三の意味ともなる世界の屋根、聖なるヒマラヤを中心にヨーロッパのアルプス、そして南米・アンデスの山の塩。
 

 

 


 何とこの三山は一直線を地図上に引けるのだ。そこには聖なる気脈が通っている。赤やピンク色をしたこれらの塩は鉄分やイオウを含んだ、地球の何億万年もの歴史の記憶を畳み込んでいる深遠な塩なのだ。後は、0‐1テストで人体生理に合わせて、バランスよく配合させるだけだ。

 

 最後に、これらの塩は、上述した一なる「エリクサーソルト」を中心に、地球の球体の○のように、宇宙の大円環の○のように、7→5→3→1→○(えん→塩)という、すべての命が元の○に収斂・還元するように分量配分され、0‐1テストが道筋を作って、求心的にスパイラルを描いて完結した。

 

 

 

 

 


 更に、塩を混ぜ合わせるに、以前は桶を手で回したが、やはり均等にきれいに中々混ぜ合わせられなかった。そこで特殊な回転運動が加わり、数がカウント出来るエリクサーの管体と同じ最上ステンレス316を使ったミキサーを特別発注して製作してもらった。
 それにより、縦横十字状にメビウスの環のように1728の回転を加え、ある特殊なエネルギー場を塩に注入しようとした。

 

 

 

ダヴィンチの研究家でもある首藤尚丈氏(左端)。右はホリスティック医療で著名な寺山心一翁氏

 

 これは建築家で数学者の首藤尚丈氏から示唆され数学的証明を塩作りに応用したのだ。ダ・ヴィンチのヴィトルヴィス図は円と正方形の合体した神秘図形で宇宙の法則が隠されている。霊と肉体の理想的な合一を暗示していて、一二の三乗(縦横高)で1728は、平面が立体に浮かび上がる数秘でもある。
 

 

 



首藤尚丈著「ダヴィンチの黄金のピラミッド」TAS出版より。ヴィトルヴィス図の数学的証明。

 

 四角は塩の結晶そのもの、そして円の回転により熟成のエネルギーが高まる。そしてこの結晶体は、文明の終始6912(1728×4)の四分の一のエネルギーを持ち、悟りを100パーセントとしたなら、その目覚めを促す覚醒への塩となる、これで不思議な数霊をもたらすものとなった。  

 そこで、すべてが完璧に完成された。

 

 最後に、名である。名は体を顕わす。孔子は「事を為すに、先ず名を正しうせんか」として、名前がその物や事業の全てを言い表す、と訓を垂れている。「七五三塩」と名が既に最初に決まってはいた。しかし、呼び名が決まらない。そのままでは読みづらい。また七五三を〆縄の「〆(しめ)塩」にしようとしたが、之も〆まらず。一計を案じていたところ、ある方が「『なごみ』とも読めますよ」と、の一言で全ては決まり。それで、悩みは氷解し、全てが一つにピタッと定まった瞬間だった。

 

 なごみは『和み』と書くように、和そのものである。世界の塩を和合させた和、そして人類が一つに理解し合える和、世界に一つの平和をもたらす和、そしてそれが実現出来た日本の大和の和。

 そう、これからは対立ではなく和合の新世紀、新時代。数の不思議と大和言葉の親しみが一層煌く。

 キーワードは『和・わ』である。和は和するのみならず『環』の「わ」にも通ずる。LINKリンクである。LINKはRINGに通じる。『輪』である。巡る輪である。輪廻の輪である。皆万物は生まれては死に、死んでは生まれる輪の中で生きる。生命とは、その輪のループの中で継なぎ継ながれて行くのだ。そして、無数の網目の中で繋がっているのだ。

 全ての国々、民族、宗教、文化、経済あらゆる固有なものとのリングであり、全てとリンクする、和する、それが塩で実現出来たのだ。

 その世界の理想像が、人間の健康にとって最も大切な塩で、具体的に実現出来たのだ。

 そのことが素直に嬉しい。一つに和合すれば国内産も外国産もなく、グローバルリンクである。もちろん国産塩も当然ながら入っている。そして一滴の海水は世界の大海に繋がり、すべての陸と山は地表の一枚の皮で繋がっていた。

 

 そして、既にまほろばで製造・販売されている単糖類から二・三糖類そして多糖類まで混成されたオリジナルシュガー「一二三……十(ひふみ糖)」は、拡散と遠心力であり、今回のオリジナルソルト「七五三……一○(なごみ塩)」は、収束と求心力が働いている。  

 自然宇宙はこの陰陽の外に向かう力と内に向かう力の呼吸運動で成り立っている。それは酸化と還元、生長と収蔵、一見、対立反対の働きだが、互いが合って、互いが生かされる融合の世界でもある。


まほろばオリジナルシュガー一二三・・・十(ひふみ糖)。

まさに。「ひふみ糖」と「なごみ塩」は夫婦の如く、兄弟の如く、親子の如き間柄でもあり、最高の取り合わせとバランスがここに生まれた。

 

 これは、単なる塩ではない。世界が「和む」ことを訴えている海の声、大地の声、山々の声、空の声なのだ。そして、民族の声、歴史の声、神々の声なのだ。

 それは「世界は一つである平和の願い」、「人類は一つである愛のメッセージ」でもある。

 「なごみ塩」を使った調理の中に、「世界は一つ」の味わいを感得してほしい。

 「和み塩」を使った盛り塩の中に、「全ての宗教は一つ」という自然の教えを聞いてほしい。

 「七五三塩」をプレゼントする相手に、「みなと仲良くしよう」とする決意を伝えてほしい。


料理用、祭事用(盛り塩)、お守り用に。

300g ¥1,050 ご注文は、こちら→

 

 今回、この「七五三塩」が製作された事、これは決して一人の力ではなく、眼に見えない多くの国々、多くの方々の力添えによるもので、そのご縁を深く感謝申し上げます。
 一つ一つの塩の由来の歴史や背景に思いを致せば気が遠くなります。そして、それこそ多くの努力が結ばれて再結晶されたこの塩に感謝したいと思います。 そしてこの「七五三塩」が、平和の使いの鳩のように世界に再びと羽ばたき、家々の台所に置かれ、家族の方々の健康と愛と幸せをさえずることを祈るばかりです。
 この「七五三塩」は、世界が一つに開放されようとする今の時代だからこそ、0‐1テストを通して発案され、創造され、普及される、天から教えられた人類への贈物です。

 この塩を創らせて下さった大いなる神に感謝して。

 



 

2007年2月2日記

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