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まほろばだより−健康コラム−


 


 今、アメリカでは米国医学学会が、トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させ、善玉コレステロールを減少させるので、動脈硬化になり、心臓疾患やアレルギーを中心とするさまざまな健康障害をひきおこすとして問題になっています。米国神経学会では、認知症の発症確率を増加させるとの発表もありました。その他、発がん作用も指摘されています。


  これを受けて、カナダとアメリカのFDA(食品医薬品局)は、2006年1月から食品のラベルにトランス型脂肪酸の情報を記載することを義務づけ、国家レベルで規制がかかる事になりました。ニュ−ヨーク市も2008年7月までに市内の全レストランにトランス脂肪酸の使用禁止を義務づけることに踏み切りました。


  その背景には、トランス酸をめぐる市民レベルでの2件の訴訟がありました。  

 一件は、マグドナルドが、揚げ物に使う油を2003年2月までにトランス脂肪酸を減らした油に切り替えると発表していましたが、実際の実施が遅れたことを同社が公表しなかったため、知らずに食べてしまった消費者たちが集団訴訟を起こし、和解金として約80万ドル(約9億円)を支払うことになったことです。
 二件めも、2003年5月に、スナック菓子製造業者に対してトランス脂肪酸を使わないよう求める市民の集団訴訟でした。(この訴訟は製造業者が代替品を見つけると約束したことで取り下げられました)

 

 これら一連の訴訟騒ぎは、アメリカ国内でトランス脂肪酸に対する論議を活発にし、ついには国を動かし、表示義務の実現にまで至ったわけです。  

 日本では考えられないような訴訟国家と言われるアメリカの市民パワーですが、科学的根拠に基づいたアカデミズムの裏づけがあったことも大きいと思われます。



 最近では、日経新聞(2007年1/4日)にコーヒーチェーン世界最大手の米スターバックスは、全米主要10都市の店舗で、トランス脂肪酸を含むサンドイッチやドーナッツの使用を中止。年末までに米国内の全店舗に広げる(日本ではまだ考えていないそうですが、フライドチキンがトランス酸を半分にすると発表しました)との記事がでました。

 


 これまで日本の食品安全委員会は、アメリカ人は、1日平均5,8グラムのトランス酸を摂っていて問題になっているが、日本人は1,56グラムしか摂っていない。これは摂取カロリーの0,7パーセントにあたる。日本人程度の摂取量だと、WHOの基準である全カロリーの1パーセント以内をみたしているから心配はいらない・・・と他岸の火事を決めこんでいました。  

 去年9月に岐阜で開催された日本脂質栄養学界に参加しましたが、一部問題提議はあったものの心配不要論もあり、学会全体としてのまとまりはありませんでした。  

 しかし、去年の12月ごろからマスコミがアメリカの様子を伝えるようになり、市民レベルでの意識が高まっているように思います。

 まほろばでは、25年以上も前から0−1テストでトランス酸の害を見きわめ、警鐘を鳴らしてきました。ところが、その頃はリノール酸全盛時代で、まだまだ時期尚早で世の中に受け入れられませんでした。しかし、アメリカが規制に乗り出したことから、まほろばのお客様からも質問があるようになりました。今では、時宣を得た大勢のお客様の共通の問題意識だと思われますので、文章化してお答えしていきたいと思います。

 その前に私が8年前に書いた“油とは”の小冊子の一部を引用して、トランス酸の予備知識を仕入れて戴きたいと思います。(以下の枠内コラムをご参照ください)


 


  マーガリンとショートニングの違い  さて、予備知識を仕入れて戴いたところで、ここから小冊子に書かれてないことを書いてみたいと思います。

 

 トランス酸はマーガリンやショートニング、特にショートニングに多いという事が分かってきましたが、それでは、両者はどのように違うのでしょうか?低分子の植物油、(主としてヤシ油)を原材料にしているという事は同じなのですが、ショートニングはマーガリンから水分と添加物を抜いて純度の高い油脂にしたものです。

 もともとマーガリンがバターの代替品として作られたのに対し、ショートニングはラードの代替品として作られました。  

 人体への危険性については、マーガリンは水素添加によって10パーセントのトランス酸が発生するのに対して、ショートニングは50パーセント発生し、脱水して濃縮された分だけトランス酸が増加し、危険性も大きくなっています。さらにまだ解明されてない未同定脂肪酸の問題も残されています。

 


 主としてパンや、焼き菓子などにバターやラードの代用品として使われています。製菓に使用するとさっくりと焼き上がり、揚げ油に使用すると衣がパリッと仕上がります(ファーストフード店などの揚げ物が主婦より上手なのはショートニングのせいなのです)。安価で安定性があり、多くのお菓子やパン、ケーキ、加工食品に使用されています。

 

 


 日本の製造者側からは、「トランス脂肪酸は天然にも一部存在する」と反論が出ています。 確かに、これは反芻動物(牛や羊)の胃の中で酵素の働きを受けて生成されるもので、結果、牛肉や羊肉、乳製品の中に見られるものです。  

 しかし、天然型のトランス脂肪酸は、高温高圧下での水素添加時に発生するような単体の分子ではありません。2つの脂肪酸分子が結合した共役リノール酸や、バクセン酸と呼ばれる分子で、これらは今、健康に良い影響を与える脂肪酸として注目されているものなのです。  

 例えば、共役リノール酸は、脂肪の代謝だけを促進し筋肉が落ちないと、アメリカなどでダイエット素材としてサプリメントになっているほどです。

 日本でも去年あたりからマスコミで、ラム肉のダイエット効果が宣伝され(おもいっきりテレビかな?―みてないですが)まほろばでもよく売れています。

 リノール酸に限らず、どんな脂肪酸も前に共役とつくと善玉に代わるようで、日本でも抗酸化作用や抗癌作用などの研究報告もあります。同じトランス脂肪酸でも、天然型と人工型のあまりの違いかたには驚きです。

 でも、低温で、反芻動物のあののんびりした胃の中でゆっくりと酵素が触媒になって化学変化するのと、高温、高圧で金属触媒で無理やり変化させるのとは違って当然といえば当然ですよね。  

 天然自然がどんなにすばらしいか!!

 感謝、感謝です。

 

 


 アメリカ人のトランス型脂肪酸、一日平均5,8グラムと、日本人1,56グラムは、体重や摂取カロリーの違いがあるので、5,8gもパーセンテージに直してみないと単純に比較は出来ないと思います。  

 それに、アメリカ人は、年配の人もファーストフードを食べる率が高いけれど、日本では、スナック菓子や、ケーキや菓子類、ファーストフードを食べるのは、若い人に多いので、平均が基準値内でも、若い世代は基準を超えているように思います。


 0−1テストするとショートニングはどんな油よりも大変悪く、次がマーガリンです。この二つが食品や菓子類に入っていると、他にどんな安全な原材料を使っていても全体としてマイナス反応になってしまいます。

 自然食品にもこの2つはよく使われており、メーカーさんからサンプルが届き、実験すると仕入れから外されるものは、たいがい、ショートニングやマーガリンの入ったものか、小麦胚芽(フィチン酸が多いせいだと思います)の入ったものです。(逆にどんな病気の人でも、年とった人でも一番必要なのは、インカオイルやシソ油、発酵バターです)小麦胚芽は他の材料が良くて、量的に使用量が少なければ、全体としてプラスになる場合もあります。

 
 トランス酸のないマーガリンも少しずつ出まわっています  最近、紛らわしいのは、自然食品のメーカーさんも油について考えて下さるところもあるようになり、原材料表示にマーガリンとあっても、プラス反応のものもあるようになりました。お客様からお問い合わせがあり、びっくりして、何度も0−1テストをやり直してみてもプラス反応なのです。

 メーカーさんに問い合わせてみると“なるほど”とすぐわかりました。

 マーガリンの原材料がヤシ油の場合は、液体状の植物油のように水素添加して固体(飽和脂肪酸)にしなくても、もともと固体なのでそのままでマーガリンになるのです。

 ところが原材料が液体状の植物油の場合、水素添加は避けて通ることは出来ません。原材料にどんな良い油を使おうともトランス酸は出来てしまうのです。

 

 最近では、金属触媒に銅やニッケルではなくて、白金を使うとトランス酸の発生率が10パーセントに押さえられるということも分かってきましたが、10パーセントは十分心配な量です。植物油である限りゼロにすることは出来ません。

 もし、限りなくゼロに近づけるとしたら、牛の胃袋から取った酵素を大量培養し、牛のまねをしてゆっくり発酵させてみるしかありません。

牛乳のタンパク質を牛の第4胃から取った酵素で固まらせたのがチーズですから、油をマーガリンにすることも不可能ではないのでは?と考えるのは私だけでしょうか?

 


 ソフテリアでパンやお菓子づくりに使われているショートニングは、オーガニックのヤシ油から作られています。もちろんトランス酸ゼロです。安心してお召し上がり下さい。用途に合わせてバターや、ショートニングを使い分けています。


 菜食にこだわる方は、従来の植物油由来のマーガリンを止めて、せめてヤシ油マーガリンに変えていただきたいのですが、いち押しは無塩の発酵バターです。

●理由1は、ヤシ油のマーガリンにないコレステロールがあること。

●理由2は、代謝しやすい低分子の飽和脂肪酸(短鎖飽和脂肪酸)が多いこと。

●理由3は、鉄、銅、マンガン、セレンなどのミネラルや、パントテン酸、ビタミンB12、葉酸など、最近その重要性が明らかにされてきた、マーガリンにない栄養素をまんべんなく含んでいること

●理由4は、日本人は乳糖不耐症の人が多く、分離しても多少の乳糖は残るのですが、発酵させると消化しやすい形に変わるので、どんな人でも食べられるようになること。

 


 0−1テストすると、同じバターでも無塩の発酵バターの方がはるかに優秀とでるので、まほろばでは、昔から、四つ葉さんの無塩発酵バターを扱ってきました。その違いを共働学舎の宮嶋さんに聞いてみました。

普通のバター・・・クリームを遠心分離機で分離して、チャーニング(機械でシェイクすること)を行い、脂肪分だけを取り出す。

発酵バター・・・@クリームに乳酸菌を入れて発酵させる。酸味と風味が出て、酸化しにくく栄養価も高くなる(発酵によってさらに共役リノール酸が増えている可能性も考えられます) Aクリームを遠心分離機で分離して、チャーニングを行い、脂肪分を取り出す。 B手間と時間がかかるので若干高価

 宮嶋さんによると、塩分を入れるとイオン化しやすく、酸化しにくいのだそうです。それなのに、0−1テストではどうして無塩の方がいいのでしょうか?まほろばでは、それは塩の質によるのではないかと見当をつけていましたが、証明できる機会がありませんでした。


 そして数年前から、ついに共働学舎でバターを作るようになったので、まほろばのモンゴル塩で無塩と有塩の両方を作ってもらってみました。すると、やはり有塩のほうが良かったのです。しかし、この理想的な発酵良質有塩バターは、生産が気まぐれで(チーズの方が忙しいので)高価なこともあり、20年来、四つ葉の発酵無塩バターが主流になっています。共働学舎バターは、発酵に手間がかかることや、原料乳がホルスタインではなく、上質で乳量の少ないブラウンスイスということもあり、仕方がないことではあります。

 

 以上、天然自然であるということの大切さ、ゆっくり発酵させることの大切さ、その大切なことをちゃんと感知し、教えてくれる0−1テストのすばらしさを、改めて感じとって戴ければ幸いです。

 



新得共働学舎のみなさん。本文中の牛の写真はいずれも共働学舎さんのブラウンスイス牛です。
 
 

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