まほろばblog

「幸運をつかむ3つのプロセス」

11月 28th, 2012 at 19:27

      『致知』2011年5月号
               特集「新たな地平を拓く」より

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昨年(2010年)10月、二人の日本人科学者が揃って
ノーベル化学賞を受賞され、日本国中を沸かせた。

鈴木章さんと根岸英一さんである。

そのお一人、根岸さんが特別出演された新春のテレビ番組を視聴し、
深く感ずるものがあった。

「自分は科学者だが、中小零細企業の社長と同じです」

と根岸さんは笑いながらそう話し出された。

ヒト、モノ、カネをいかに裁量するかが事業経営の要諦だが、
科学技術の開発もまた、その苦労から逃れ得ない、
ということだろう。

また、科学者は一つの研究が成ったらそれで終わりではない、

さらに新たなテーマを見つけ挑戦していかなければならない、
という話をされた。

根岸さんはいま、海水中にあるウランを活用する
技術の開発に取り組んでいると目を輝かされていた。
そして、長年のご体験から掴まれた発見に至るプロセスを
図式化して説明された。

発見はまず、こういうものが欲しい、
こうなったらいいという「ニーズ」「願望」が出発点である。

そのニーズや願望を達成するために「作戦」を練る。
この作戦でいこうと決めたら、それに沿う方向で
「系統立った探求」を始める。

この系統立った探求が難物である。
途中で、もうやめようか、と迷う瞬間が何度もある。
失敗が続き、こんなことをやっていても無駄だ、
と思う時がある。

その時、「いや、絶対に屈しない。これでいくんだ」と
思い続けられるかどうか──。

そう思い続けるには、
「知識」「アイデア」「判断」が要る。

この3つが不屈の「意志力」「行動力」を生む基になる。
これらの難関をくぐり抜けて「幸運な発見」が生まれる、
というのである。

この発見のプロセスは、科学技術に限ったことではない。
あらゆる仕事に共通した普遍の法則というべきものであろう。
新たな地平を拓くための要訣を示した法則だ、とも言える。

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