まほろばblog

江差追分から

9月 20th, 2012 at 11:53

明日から江差町では、「江差追分」第50回全国大会が開催される。

記念すべき大会で、全国で、これほど大掛かりな民謡大会はないという。

私も少し関係しているので、土曜から見学したいと心待ちにしている。

何時も、江差追分の大家・青坂師匠がおっしゃるのは、上記の新聞記事のように、

コンクールで審査基準が設定されると、それに合わせて練習して、

本来の持ち味の情緒性が失われてゆくという懸念である。

これは、どんな分野でもいえることだが、一つのものを統合することで、

様々な多様性、多義性、多面性が失われてしまうということだ。

江戸・明治期、幾多の古調追分が散在していたのを、一つにまとめ正調追分を標準化した。

当初、それで試行錯誤して一つの方向性で進んだが、

それが安定期になって、それぞれの技法が先鋭化されると、

技術的には極めて高度になってゆくのだが、逆に最も大切な情緒性が損なわれて来た。

追分は、元々地場のもので、漁師や浜で暮らす人々の哀歓が底に流れている。

唄が広がり、生活臭がなくなった都会人が洗練させてゆくのはいいのだが、

逆に、本来の味や本質から遠ざかる。

果たして、競争という原理で、何が残り、何が失われてゆくか。

甚だ、憂うるものがある。

情緒を忘れず、技術を磨くことが、最上の道なのだろう。

これは、現代社会の警告でもあり、示唆でもある。

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