まほろばblog

「老舗(しにせ)ではなく、しんみせであれ」

9月 19th, 2012 at 14:36

玉置 半兵衛 (半兵衛麩会長・11代目当主)

      『致知』2012年10月号
        特集「心を高める 運命を伸ばす」より
  http://www.chichi.co.jp/monthly/201210_pickup.html

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私の父は「老舗(しにせ)」という言葉が
一番嫌いだったんです。

老舗は老に舗(みせ)と書くけれど、
こんなに失礼な言葉はない。

うちの店は老いていない。

舗(みせ)は老いたらあかんのや。
舗が老いたら死を待って潰れるだけやと。

しにせの「し」は止とも表せますが、
進化を止めてしまったらそこで終わり。
だからしにせではなく、
新しい舗、しんみせでいきなさいと言うんです。

一代一代が、自分が新しい舗の創業者になったつもりで
商売をしなさい。常に新しいことをしていきなさい。

商売の本質
「先義後利(せんぎこうり=義を先にして、利を後にする者は栄える)」
を変えずに、常に時代の流れに合わせて革新の連続をしなさいと。
まさに「不易流行」です。

しんみせの「しん」は「真」の字で「しんみせ」とも表せます。
お客様に真心を尽くしなさいと。

他にも、信用、信頼を大切にの「信(しん)」。

驕らず控えめにせよの「慎(しん)」。

思いやりや仁の精神の「心(しん)」。

先祖を大切にしたり、お客様に親しみを感じてもらうの「親(しん)」、

規則を守り常に清らかの「清(しん)」、

辛い苦しいことでも辛抱できる「辛(しん)」、

人柄、家柄のよい紳士としての「紳(しん)」……、

こういう商売をしていけば自ずとしんみせになると。

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