まほろばblog

「松下幸之助翁の製品開発信条」

12月 24th, 2011 at 12:30

      
       
   北 康利 (作家)
        
   『致知』2011年12月

 連載「日本を創った男たち」より    

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大正12(1923)年松下電器は大きな飛躍を遂げる。

それが従来の製品の十倍の耐久時間を持つ
「砲弾型電池式自転車ランプ」の開発であった。

彼が他の経営者と違っていたのは、
売れそうでも売り急がず、
慎重に商品改良を繰り返したことだ。

商売は儲けることが大事なのではない。
儲け続けることが大事なのだ。

幸之助の製品に対する考え方のよくわかるのが、
昭和17年10月30日、社主達示として出された
「製品劣化に関する注意」の冒頭の一節である。

<製品には親切味、情味、奥床しさ、ゆとり の
 多分に含まれたるものを製出し、
 需要者に喜ばれることを根本的の信念とすること>

製品の条件として、“親切味、情味、奥床しさ、ゆとり”を
挙げるメーカーなど聞いたことがない。

だが、こうした点にこそ、松下電器が消費者の心に届く製品を
つくり続けてきた秘密がある気がしてならない。

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