まほろばblog

「学級崩壊したクラスには、こう手を打つ」

4月 17th, 2013 at 10:38
  菊池 省三(北九州市立小倉中央小学校教諭)

              『致知』2013年5月号
               特集「知好楽」より

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プラスの面を大きく価値づける
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そうした状況(学級崩壊したクラス)を変えるためには、
正しい考え方と行動の基準を教え、
それに基づく体験の機会を増やしていく以外にない。

私が望むのは、子供たちに言葉遣いや
立ち居振る舞いなどの一般性を身につけさせ、
公に通用するように育てることだが、実はそうした一面が、
彼らの無意識の行動の中に表れることがある。

例えば配布されたプリントを片づける時、
上下の角と角を几帳面に合わせて鞄にしまう子がいる。
この行為に見られる丁寧さは、
人が育つ上での重要なポイントなので

「君はその力をちゃんと身につけている。
 大変素晴らしいことだ」

と言葉を掛けてあげる。

さらに

「今後君は大きく成長していくだろうし、
 そういう力を持った君と出会えたことを大変嬉しく思う。
 期待しているよ」

と大きく価値づけし、プラスの面を
さらに伸ばしていくよう働き掛けるのである。

もちろんダメなところはダメと注意するが、
端から叱りつけては衝突するだけなので、
まずほめて不要な警戒心を取り除くのである。

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「価値のある言葉」を与える
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私は年度初めから子供たちに
いろいろなものを書かせるようにしているが、
四月の時点ではまだ自分の非を認めず、
文章で私を攻撃してこようとする。

それが徐々に変化してきて、一か月が経つと

「校長先生に暴言を吐いたことがある」
「先生に物をぶつけてわざと叱られたことがある」

といったように、過去の過ちを省みるようになる。

さらに半年ほど経つと、自分の思いどおりにならない時に
よく見せていた不貞腐れた態度がなくなる。

これは自問自答ができるようになったことの表れで、
その子の中にプラスの考え方や行動に繋がる
「価値のある言葉」が入ってきたからといえるだろう。

では価値ある言葉とはどんなものだろうか。

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