まほろばblog

吉田秀和さんご逝去

5月 28th, 2012 at 17:26

毎週日曜日のNHKFMに流れる吉田秀和さんの「名曲の楽しみ」が、これからは聴けない。

あのような格調が高く、しかも肩の凝らない話しぶりの人は、もう出まい。

吉田秀和さんが98歳のご高齢でお亡くなりになった。

私が吉田さんを知ったのは17,8だから40年も昔の話で、吉田さんが私位の年格好だった。

まだ、武満徹がそれほど有名でなかった頃、遠山一行さんが批判し、吉田さんが評価していた。

「20世紀音楽研究所」を柴田南雄さんたちと立ち上げころで、

私は盛んにウェーベルンなどの十二音音楽の前衛を熱心に聴いていた。

新進の音楽家を育てると共に、古典の演奏に対しての地味深い評論は、

決まり文句の評論語でない、肩の力の抜けた、しかもインテリジェンスの富んだ語句に、

深いヨーロッパ文化の香りと奥行を感じたものだった。

若い頃、中原中也や小林秀雄らとの交流が、真贋を見分ける眼に磨きをかけただろう。

それと、温かい人間を見る目を通した語り口に、息の長さが感じられた。

それが長寿にも通じたに違いない。

そして、先日も、バリトン歌手、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ氏(86)の訃報が届いた。

こうして国内外の巨星逝くの報が、一層寂しさを募らせる。

次第に青春の1ページが虚空に消えてゆく。

One Response to “吉田秀和さんご逝去”

  1. h。i Says:

    吉田氏のこと。亡くなってから知りかえすがえすも残念。これから著書を読んでみようと思います。
    バリトン歌手のコンサートを若い時聴きました。冬の旅。感動したのを覚えています。  

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