まほろばblog

 「若い頃に仕事漬けの日々を送れ」

3月 24th, 2012 at 14:24

      
 道場 六三郎 (銀座ろくさん亭主人)

  『致知』2012年4月号
    特集「順逆をこえる」より
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僕は、先輩の料理やオヤジさんの仕事を細かく観察し、
ポイントになることや、自分の課題は何だということを
毎晩必ずノートに書くようにしていました。
書くことによって頭にも入りますから。

概して伸びる人というのは若い時の数年間に
仕事漬けの日々を送っているように思います。
これはどの世界でも同じだと思いますね。

仕事というのは、追われて追われて
その中でうまくなっていくものですからね。
仕事に追いまくられれば、逆に集中力が沸いてきて、
よし、ここで限界に挑戦してやろうという気持ちになります。

これは各人の性格にもよるかもしれませんが、
一気呵成に集中してダァーッとやったほうが
いい仕事ができるんですよ。
ダラダラやったものはダメですね。

当時はクーラーもない厨房で、
火を焚く時は四、五台のコンロを同時につける。

仕込みの時なんか、こっちでホウレンソウを茹でる、
ゴボウを茹でる、そっちで何々をするといったふうに
一挙に鍋をかけて、パッと火を落とすんです。
そうしないと館が暑くてたまらないですから。

日本料理の場合は特にうるさく言われるんですが、
そういう中で鍛えられてきたことが大変勉強になりました。

段取りというのは非常に重要で、冷蔵庫を開けなくても、
ひと目で何がどこに入っているかが
分かるようにしておけるような人は必ず伸びます。
一番ダメなのは、冷蔵庫に頭を突っ込んで冷やしている奴(笑)。

冷蔵庫の中を例えば六つに区切って、
どこに何が入っているかをメモし、扉に張っておく。
そしてちょっとでも量が少なくなったら
小さな容器に移し替え、冷蔵庫を
いつも広く使えるように心掛けました。

頭で思うんじゃなく、
物を見たら小さく入れ替えるというふうに、
身につかなきゃダメですね。
身につかなければ本物じゃない。

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