まほろばblog

「点々あい連ねて線をなす」

1月 5th, 2014 at 16:29

伊與田覺(論語普及会学監)

※『致知』2014年2月号
連載「巻頭の言葉」より

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私が若い時分に懇意にしていただき、
感化を受けた恩人の一人に、
蓮沼門三という方がいらっしゃいました。

蓮沼先生は、
日本の社会教育団体の草分けともいえる
「修養団」の創設者として
つとに知られた方ですが、

食事を共にする機会がある時などにしばしば、
「物事を完成するには、こういうことが大切なんだよ」と
説き聞かせてくださった訓戒が、
いまでも大変印象に残っています。

点々あい連ねて線をなす。
線々あい並べて面をなす。
面々あい重ねて体をなす

点と点を連ねて一本の線をつくる。
その線を並べていくと面になる。
その面を重ねていくと一つの体になる。

自らの目標に到達しようと思えば、
このような生き方を貫いていくことが重要なのです。

『中庸』という古典には、
この訓戒に通ずる教えが
次のような言葉で表現されています。

「至誠は息む無し。
息まざれば則ち久し。
久しければ則ち徴あり」

至誠(誠実)というものは、本気である。
茶気(遊び心)ではない。
内から湧き出て止まる時がない。

休まずずっと続けていると、
それまで見えなかったものが見えるようになる。
「徴」とは印、兆しのことです。

誠実に、久しく物を続けることは、
物事を完成する上で不可欠な姿勢なのです。

* * *

その他、
経営の神様と謳われた松下幸之助翁が
語った「大事を成すための秘訣」とは。

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