まほろばblog

Archive for 6月 27th, 2014

「降りてゆく生き方」5周年記念

金曜日, 6月 27th, 2014

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先週20、21、22日の3日間、寺田本家のある千葉県神埼町に、家内と二人で行ってきました。

映画館での上映、DVDの販売をせずに、各地の自主上映で、約10万人も動員した

「降りてゆく生き方」5周年のイベントが開かれるからです。

プロデューサーの森田貴英さんの主導で、曰く言い難い、とても実りのある会でした。

当初、ゲストに招かれましたが、来週から始まる創業30周年記念準備のために、ためらっていました。

しかし、直前になって、やはりどうしても参加せねば、という気持ちになって、

駆り立てられるように、札幌を立ちました。

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結果的には、正しい判断だったことが、途中から理解できました。

発酵や自然栽培や食関係、或いは多くのそれに関連した企業人、研究者、報道人といった

多彩な顔ぶれの中で、「降りてゆく生き方」によって醸される不思議な時空に触れたことは

かけがえのない経験であり、未来に希望を持てる扉に立ったような気がしました。

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それと、10月に開かれる「まほろば創業30周年記念行事」

森田さんと一緒に実施するを決意したこと。

その意義に確信を得たことは、大きな収穫でした。

(まだ、正式ではなく変更があるかもしれませんが、小さく発表します。

みなさんの予定に入れててください。

10月12日(日)前夜祭・・・旧コバワールド。『里山まつり』出店やコンサート

10月13日(月・祝)・・・ポルト。小泉武夫先生講演会、「降りてゆく生き方」上映会、パネルトーク

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寺田本家で行われた前夜祭。

主演の武田鉄也さんを中心に輪を囲み、日本全国から寄り添った名士を一同に介してのトーク。

チョコレート世界大会でグランプリを受賞した三田でエスコヤマを経営する小山進パテシエ。。

ベトナムで出合った酸味の効いたチョコに味の可能性を感じ、新たなる世界の挑戦を思うなどの創造性。

あのスクエア・ワンやセーラ・カミングスさんで御馴染みの長野県小布施町「桝一酒造」の市村次夫さん。

日本のまちづくりの第一人者でもあり、日本一の人気スポットに育て上げた力量は、素晴らしい。

そんなすぐれた賢人の寄り合いに、いささか驚き、素晴らしい人達が次から次へと紹介され、会は盛り上がる。

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そんな対話を当意即妙に受け答えする武田鉄也さんにも、ビックリ!!

あの金八先生や龍馬や海援隊から想像する彼ではなく、

実に謙虚で思慮深く、知識の豊富さには舌を巻くものがありました。

それに加えて話術の巧みさや声の深さ、テレビではお目にかかれぬ側面でした。

ことに、漢字学者の白川静先生が大好きで、漢字の知識や薀蓄もスゴク、また

日本は中国・韓国以上に東南アジアの影響が大きい、と。

あの国菌のコウジカビは、メコン地帯からの来たものだと力説。

醤油の起源は、宋で修行した鎌倉時代の僧、心地覚心が伝えたのだとか。

とにかく、なんでも詳しく、面白い。

ラジオのDJ「今朝の三枚下ろし」での真剣勝負が、この結果を生んだ一因では。

私が、白川さんのことなど話すと、妙に話が合って、急に親近感を覚えたのが嬉しい。

不思議な邂逅に、この映画「降りてゆく生き方」の新たなる可能性を思わずにはいられなかった。

 

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ケイタ・ミニ展inソフテリア

金曜日, 6月 27th, 2014

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ただ今、本店ソフテリアと器展示棚に、佐藤ケイタさんの焼き物、新作展を開いています。

開店当初から、彼の陶器を評価し、取り扱っております。

今回は、初めて信楽の土を用い、薪の登り釜で焼いたものが展示されています。

中々味わい深く、茶器、湯呑み、徳利、蓋物などなどが並べられています。

深々とした枯淡の中に、新しい沸き立つ力が迫ります。

「薪の自然釉薬がかかった焼き〆で、土と火とが織り成すエネルギーを感じてもらえたら嬉しいです。

現代人が一番失った自然性を、手にとって感じ、使ってみて下されば幸いです」

とは、奥様・千恵子さんの言です。

本当に、そう思います。

ケイタさんの器には、現代が喪失した人間の原初の力が秘められています。

どうぞ、ソフテリアでランチを堪能しつつ、ゆっくりとケイタさんの器を眺めてください。

 

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JAS早川メロン 初入荷!!

金曜日, 6月 27th, 2014

とうとうやって来ました。

メロンの季節が。

今朝、新篠津の早川さんと1年ぶりのご対面。

相変わらず、お元気そうで、頼もしい限りです。

10棟のメロンハウスを奥様と二人で切り盛り、

そればかりでなく、米からとうきび、大豆まで早川お一人で何十町歩もやってのける。

本当に超人的な働きと、その成果はびっくり!!

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何でも、明治初期の120年前、埼玉県川越市からアンコ(餡)商人として入植。

そこを遡れば、早川豪族として一帯を仕切っていたらしい。

新篠津では軍馬を育成しながら、国政で田んぼを拝し、そこから農家として自立していったという。

北海道民の多くは東北・北陸方面が多い中、本当に珍しい。

 

20日間の記録的長雨のせいで、今どこのメロンも仕上がりが悪いが、

来週には、立ち直る模様。

来週の30周年の4,5,6日には、沢山入荷されるよう頼んでおきました。

乞うご期待を。

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今日の初ゼリ、1箱、3万円!!!

店では、安くして販売していますヨ!!!

有機栽培JASメロン、安心メロンをどうぞ。

 

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この4人が、いわば市場の構図。

① 生産者(早川さん)が市場に出荷。

② 大荷受(左・榊原さん)が場内に上場。・・・この人、夕張メロンゼリで全国的に有名。

③ 仲買人(右・樋口さん)がセリで卸す。

④ 小売り(まほろば)が買って売る。

今朝のヤッチバ(魚市場)

金曜日, 6月 27th, 2014

今朝の魚仕入れから・・・・・・

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先ず、目に飛び込んできたのは、季節感漂う「ハモ」。

関西では、当たり前でしょうけど、北国では大珍しいのです。

愛媛からの直行便です。

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これは、贅沢!

羅臼産の活〆のメヌキの3kgもの。

刺身でよし、鍋でよし、焼きでよし。

粗の御つゆは、もう絶品!!!

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本マグロが噴火湾沖で獲れています。

境港、宮城を経て、ようやく北海道にも。

小型ながら、脂の乗りは申し分なし。

いよいよ、地物が食せる季節になりました。

 

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今朝初めて!生の紅鮭が入荷しました。

北洋の荒海で獲れた、脂周りたっぷりの3kg以上の大型。

これは、たまりませんよ。

2切れ、3切れで販売しています。

お家でサアッと塩してから焼いてください。

これが年末に、まほろばで出る「手塩紅鮭」になります。

これから半年、よろしくお願い致します。

白石酒造さん来店

金曜日, 6月 27th, 2014

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何か西郷ドンを彷彿とさせる風貌。

今朝、突然来店された鹿児島はいちき串木野の

白石酒造の若社長、白石貴史さん。

北海道へ、醸造組合か何かの会で視察旅行を抜け出してのことだとか。

これから新得の共働学舎へ見学に。

彼は、東京農大出身、小泉武夫先生門下の小泉チルドレンの一期生でもある。

先生からの推薦で、名焼酎『天狗櫻』を当店では置いている。

根強い人気である。

聞けば、農園もしており、自ら黄金千貫のサツマイモを栽培。

自ら「力強い、生命に溢れたものを作りたい」と。

不自然なことを排して、昔ながらの手法で作り続けたい。

既に5代目、明治の統制以前を数えれば、先祖は分からないぐらい昔から酒作りに携わる。

そんな土着に息づく醸造こそ、朽ちて壊れることのないイノチのバトンタッチだろう。

若き当主に、明日の次代を開いて貰いたい。

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「かたくり農園」へ協力させて戴きます

金曜日, 6月 27th, 2014

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昨日の厚別店からの日報。

穂積店長からの報告があった。

彼は関西出身で、奈良赤目の川口さんの処で自然農を学んだ。

その時の同志が、北村みどりさんだった。

1年共に学んだという。

皆様から寄せて頂いた「エリクサー基金」から

「かたくり農園」さんへ、5万円協力させて戴きます。

これまでの皆様の変わらない

東北復興支援ありがとうございます。

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以前ブログに掲載した内容をもう一度掲載します。

2010年12月15日。

それから3ヵ月後に大災害が起こった。

 

●「かたくり農園」と「ゆず」

今日は、厚別店の恵美ちゃんが、 以前訪問した宮城県丸森町のかたくり農園さんから 柚子を頂いているご縁で、 紹介の文を書いてもらいました。 とてもステキな柚子の結縁にお客様ともども大感謝です!! 柚子湯の冬至の22日には、是非お風呂に入れてくださいね!!

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社長へ
こんばんは。大場です! ゆずの原稿書きました。 写真は探したら,3枚しかありませんでした。 11月に撮ったものなので,畑の様子は分かりにくいかと思います。 食卓の写真は,卒論の調査でお邪魔して,一緒にお昼をごちそうになったときの写真です。 真ん中のパンは,ご主人の保さんが焼いてくれたんですよ。 それに,大きな瓶に入った栗のジャムをつけて食べて,すごくおいしかったです。 妻のみどりさんは,「こんなにいっぱいつけちゃうんだ!えい!えい!」と言いながら, たーっぷりの栗ジャムをのせて,パンをほおばっていました。 ほんとにすてきなお二人なんですよ。 今回はゆずを仕入れていただいてありがとうございました。 また宮城の人たちと,このような形でつながりをもつことができて,本当にうれしいです。 感謝申し上げます!
それでは,原稿よろしくお願いします。
大場恵美(厚別店)

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「かたくり農園」と「ゆず」                          by 大場恵美

今,お店には柚子が並んでいる。 濃い黄色が,ポッと明るい。 柚子が詰められた袋には,「かたくり農園安心ゆず」, と書かれたシールが貼ってある。 ああ,懐かしいなぁ…!

かたくり農園は,私が学生時代お世話になった大好きな農家さんだ。 北村保(たもつ)さん,みどりさん夫妻が営むこの農園は, 宮城県の最南端,丸森町というところにある。 小高い山々に囲まれた,水と緑の美しい町だ。

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まさに,日本昔ばなしに出てくるような風景。 イノシシだってサルだって,たくさん出る。   私は大学の卒論のテーマとして, 「新規で農業を始めた人たち」のことを調べたのだが, その調査地として選んだのが,丸森町だった。 丸森町には,都会から移り住んで農業や農的生活を営んでいる人たちが,20家族以上いる。 かたくり農園の北村さんもそのうちの一人だ。

北村さんは,神奈川で会社勤めをされていたのだが, 不規則な食生活から体を壊し, 安全な食べ物を食べたいという思いで市民農園を始めた。 それが,農業をするきっかけだったという。

1992年に丸森町で農業を始めて,野菜やお米を不耕起自然農で育てている。 他にも,農的暮らしのワークショップをひらいたり, 改築した古民家を「里の家」と名付け, ゲストハウスとしてたくさんの人が利用できるようにしたり。

農業を通して,田舎の人と都会の人がつながれる, あったか~い場づくりもされているのだ。 北村さん夫妻は,私の両親と同じくらいの歳だ。 夫の保さんは,もの静かで気さくで話しやすくて, 人を落ち着かせてくれるような人。

妻のみどりさんは,明るくておちゃめでたくさん笑う。 そして畑のことについては,ものすごーく観察し ,ものすごーく考えて,努力されている人。だと思う。

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そんなお二人が栽培するゆずは,古民家を譲り受けたとき, その敷地に植えられていたものを,そのまま一緒に譲ってもらったものだそうだ。 「地主さんが植えていたものは,なるべくそのままの形で受け継いでいきたい」と, 新たに植えたり切ったりはせず,20本ほどあったゆずをそのまま育てている。

ゆずの品種は,名前は分からないけれど,丸森にある昔ながらの在来のもの,だそうだ。 ゆずは,東北でも栽培できる唯一の柑橘類で,丸森辺りが北限と言われているらしい。 無農薬でも育てやすい,ありがたい,と北村さんは言う。

栽培で気を付けていることは,寒い地域なので,早くに剪定せずに, 3月に入って少し暖かくなってから剪定するようにしていること。 「ゆずだって人間と同じで,寒いときは辛いだろうから」,と考えてのことだそう。 剪定するときは,風通しがよくなるように。

それから,イメージとして,枝が手のひらを太陽に広げたような形になるように,を心掛けている。 人と植物を見るときの目線がおんなじ,なのですね。

ゆずといえば,もうすぐ冬至だ。 冬至は,一年の中で最も昼が短く,夜が最も長くなる日だが, 今年は12月22日にあたる。 日本では,この日にゆず湯に入り, 小豆粥やカボチャを食べると風邪をひかないといわれている。

なぜ冬至にゆず湯なの?と思い調べてみた。 すると,冬至には「湯治」をかけていて, ゆずには「融通が効くように」という願いを込めているからだそうだ。 お正月のおせち料理に,縁起担ぎの意味が込められているのに似ています。

ゆず湯の仕方はいろいろで,お風呂に丸ごとを浮かべたり, スライスしたのを巾着に入れて浸したり,お好きなように。 調べてみると,ゆずの精油(植物から採れる芳香油)には, 血行を促進させる働きがあって,お風呂に入れると身体を芯から温めてくれるそう。

北村さんがおっしゃるには,ゆず湯にすると, 柑橘系の香りがおふろ全体に広がって,それが気持ちいいのだそうです。

果物は裏と表(不作と豊作)の年があるといわれますが, ゆずも同じなんだそうです。 北村さんは,今年も去年も出来がよかったので, 来年はどうかと心配しているそうですが, 「来年もがんばって送れるように」,と思っているそうです。

「今回,自分たちは北海道に行けなかったけど, 自分たちの生産物が北海道までいってくれて,うれしい。 これからもよろしくお願いします。」 とおっしゃってくれていました。

こちらこそ,どうぞどうぞよろしくおねがいします。 北海道のみなさん,この冬は,北村さんのゆずで,心も体も温まりましょう!

かたくり柚子 1.jpg 「かたくり農園の安心柚子」        3玉 ¥390