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まほろば自然農園
 
     



農園が雪に埋もれ、何も出来なくなってしまうと、トラクターなど格納した狭い倉庫用ハウスの中で、豆落としが始まります。  黒豆は、お正月用に早く豆落としして、とうみにかけ、選別して袋詰めしなければ間に合いません。

脱穀機がないわけではないのですが、実際にやる人たちが、そんなに大量にあるわけではなし、叩いたほうが早いというので、叩いています。その中から来年の種用を確保して、残りを販売する事になります。  例年通り、赤花豆、白花豆、うずら豆、とら豆、金時豆、大豆、黒豆などです。



種取りのややこしい果菜類(トマト、ナス、ピーマン等)や、小さい種は私が自宅に持って帰って種取りしています。
 
出窓の窓越しの太陽に当てながら、腐らないで全体が均等に乾くように時々、天地返しをします。

それでも、トマトや、キュウリは腐ってくるので、一部が腐り始めたら、中のゼラチン質と一緒に種取りし、しばらくラップをかけて発酵させ、白カビが表面を覆うところまで来たら、エリクサー水で洗って、平たいお皿に入れて乾燥させます。

これは発酵させることによって、酵素の働きで、病気に罹りにくい種にしあげる為です。

 


ピーマン、シシトウ、ナンバン、ズッキーニ、ナスなど水分の少ない種は、木でよく完熟させて、ゆっくり腐らないように管理して乾燥させてあげると、自然に自分で発酵して手間要らずです。

種が完熟していなかったり、管理が悪いと、発酵しないで腐敗のほうに早く行ってしまうので、気が抜けません。

12月21日、そんなこんなで来年につながる(未来につながる)大切な種取り作業もやっと終えて(農園も)、農園は本格的なシーズンオフになりました。

(私の家の種取り用かぼちゃ2個はまだ腐り始めないので来年まで種取りできそうにありませんが・・・)





あと、残っている貯蔵野菜は、白菜、大根、聖護院大根、ニンニクだけとなりました、いずれも、来年の1月半ば頃までありそうです。



あまりに巻きの甘い白菜が店に出ていたので、「どうしてこんなに小さいの? こんな小さいのまで取って、来年の菜花用の白菜は残ってるの?」 と、つい心配になって聞いてしまいました。

でも十分大丈夫なのだそうです。
貯蔵した順番の逆から取ってきているので、後の方になると大きいのも出てくるそうです。




今年は、正社員2人(福田くん・西岡さん)と、研修生3人(穂積くん・南くん・奥塚恵美ちゃん)、アルバイト1人(熊木くん)、パートさん2人(甲賀さん・大島さん)、よろこびの家さん(奥村さん)1人と私の10人でした。

来年は研修生3人の内、南くんは、自立の道へ、恵美ちゃんは東北の学校の先生と結婚することになりました。

南くんは、コンピューター技師から肉体労働の農業へ、恵美ちゃんは上野幌から自転車で毎日通ってきて男の人と一緒に力仕事もして、2人ともよく最後まで頑張ってくれました。

社員と研修生だけで送別会を開きましたが、毎年研修生を送るのは寂しいものです。




研修生の中で穂積君が一人、社員として残ってくれる事になりました。
ちょうちょが、卵から、青虫→さなぎ→ちょうちょと、何度も変身しながら成長していくように、穂積くんは、1年の間にボランティアから、アルバイト→研修生→社員と華麗な(?)変身を繰り返して、しばらくまほろばに落ち着くことになりました。

年初、研修生は、もう今年はいらないからと断ったのに、それならボランティアでもと押しかけてきて、本当によく頑張っていつの間にか社員になっていました。  

後は、花嫁募集中です。
思いやりのあるとても優しくていい男です。
シーズンオフは厚別店で出向社員として働いてもらっています。
他の2人(福田君と西岡さん)は、本店で働いてもらっています。




福田君は、もう何年も冬場は店で働いているので、要領よく働いていますが(なにしろ、この冬場の勤務でまほろばのお客様だったかわいい娘さんと仲良くなり、今は結婚して赤ちゃんまで出来たくらいですから、ガンバレ!!穂積くん!!)
西岡さんは今年が始めてなので、慣れなくて大変そうです。



南くんと恵美ちゃんが抜けると分かった途端に研修生の希望者が相次いで現れました。
安部くんと松本くんです。 期待できる人と見受けました。

また来年働き始めてからご紹介したいと思います。
でもちょっと穂積くんはがっかりしたところもありました。
恵美ちゃんのようなかわいくて気立てのよい女の子が来ないかと、ちょっと期待していたからです。 ゴメンネー、穂積くん。



札幌市の農業者に配信される農業委員会だよりの ━がんばる農家訪問シリーズ━ にまほろば農園が取り上げられました。

地域(小別沢)の農業委員の漆崎さんも取材に同行して下さり、あり難いことです。



もと農園のパートさんで、今年は農園作業の遅れを見かねて、
時々ボランティアで助けてくれた竹縄さん。
歌人でもありました。


保湿済みし 草とる日の高く    
        視察迎える畑と思えば    

百姓の 血持てば人参助け出す 
        風にそよぎて挨拶交じわす

肥えた地に 息深くして這いている   
        もうふるさとははるかに遠く     

両足を ペダルに乗せて帰る路   
        漕がぬ軽さに花々を見る


 
偶然にも農業委員会のある直前の数日間、一人で草に埋もれてしまった人参の草取りをしてくれました。その時の歌です。
農家出身でなければ生まれてこない作物に対する深い深い愛を感じます。

草に埋もれて風にそよぐ事も出来なかった人参が、取ってあげた途端に、ありがとうと嬉しそうに、幸せそうにそよぐ一瞬を竹縄さんは見逃さなかったのです。
良かったね!と人参に話しかけている竹縄さんの声が聞こえます。

竹縄さんは、いつでも誰に頼まれてでもなく、「早く助けて!」という作物の声に、我を忘れて草取りをするのです。
人参が小さく、草も小さい頃は、保湿や風除けの役にも立った雑草も、大きくなり過ぎて太陽をさえぎり、人参の栄養分も吸収して、もう生育障害の元凶になってしまいました。

早く抜いてやらねば人参が可愛そうと、毎朝自転車であの小別沢の急な坂道を登って来て、一生懸命草とりをしてくれました。

両足を・・・の歌は、あの小別沢の急坂を登ってみた人でなければ、苦労した後の神様からのご褒美のような下の句の軽さは分からないかも知れません。  

そう言うわけで、あのおいしかった夏人参は、竹縄さんのお陰で皆さまに食べて戴くことができました。
改めて感謝申し上げたいと思います。

洞爺湖サミットの歌も面白いので
一句啓上

鶏冠もつ 男ら寄りて損得の
     懸引のみに日々過ぎ行ける  

竹縄さんの句集「東の光」は、 まほろば店舗でも販売中です。

 






今年は、まほろば農園が今まで以上に皆さまに愛され、支えて戴いた年でした。
農園野菜を利用して下さる方が増え、お客様に信頼され、支えられていると言う実感を強く持つことが出来ました。

この実感に支えられながら、スタッフ一同色んな困難を乗り越えて来られたように思います。
本当に有難うございました。  

最後に、そんな大切な大切なお客様のご多幸とご健康をお祈りして、今年一年を閉じたいと思います。              
                             合掌
 



      2008年12-2月号
   

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