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初夏の風に揺れるのは、大根の花。種用です。

 

今(7/2日)農園は旱魃(かんばつ)状態

 長いこと農園は雨らしい雨が降ってくれません。
表面だけが多少濡れる程度の雨が降っただけでした。
いつから降らないのかも覚えていないくらいです。  西野の方に、ある程度の雨が降っても、農園に行くと、降ってないことが多いのです。

山すそにあるせいでしょうか?
その上、土地が傾斜で、風が強いと言うこともあり、乾きやすいので、雨が降らないとお手上げです。

大根はトウ立ちが始まりました。

大根は成熟期になっても雨が降らないと、栄養の吸収が出来ないので(栄養分は、水分と共に吸収されるので)トウ立ち(花芽を形成し、花が咲いてくること)が始まります。

 大根は、栄養が十分に吸収できないと言う危機意識から、栄養成長(根部を太らせる)する事を諦めて、生殖成長(子孫を残すための種を充実させること)にエネルギーを投入することになるからです。


辛味大根として売ったら?

太陽が強く、水分と栄養の足りない大根は辛味が強くなります。

夏大根はどうしてもそうなるのですが、今年はとりわけ辛いようです。
本店の店長いわく、
「いっそ辛味大根として売ったらどうですか?」
(店長特有のジョークです)  

「そんな〜」人の気も知らないで!!

でも、パートさんの竹縄さんが、てんぷらの薬味にしたら、最高においしかったとか。
当たっているかも・・・・


やっぱり、大根はおいしくなければ!!
 薬味に良いと言う事は、消化酵素は普通の大根より多いかも知れません。

  辛味や苦味には、抗酸化作用や、油を分解する働きがあります。なんだかんだと言ってみても、やっぱり大根は柔らかく、多少の甘味もあっておいしくなければなりません。

辛いの好きな方、歓迎です。
不耕起の大根は、抜くのに一苦労・・・。
根ものは難しい?

店長と相談して、まほろば農園の辛い大根だけでは、お客様には選択の自由がないので、他からも仕入れて2本立てで販売することに致しました。
ご安心ください。


作りづらい春・夏大根
 
 最初、もう少し多めに肥料や堆肥を入れておけば、多少水が少なくても、成長期に吸収することが出来、もっと太れたり味もよくなったかも知れませんが、逆に雨が多かった時には、いかに有機質肥料とは言え、硝酸態チッソとして葉に残る可能性があります。
 それを考えると、0−1テスト通りの丁度良い量しか上げられません。
 
  大根葉を食べられる方も多いからです。  
でも、梅雨前に、こんなに雨が少ないのは珍しく、ちょっと計算が狂ってしまいました。
もう雨が降るか降るかと待っているうちにトウが立ってしまったというわけです。  
 もう少し早めに水やり出来ていればと悔やまれます。
 
 
上の大根がまほろば農園の大根です。
本来、大根は乾燥に強い野菜で、ちょっと位雨が降らなくても、どんどん育ってくれます。
むしろ収獲時期に高温で雨が降り続くと、軟腐病(腐敗菌が入って、とけて腐る病気)の方が心配なくらいです。
北海道は梅雨がないとはいえ、やはり本州の梅雨時期には、雨が多いので。  
 今、大根菜として出荷しているものは、大根の出荷時期が、雨の多い高温期に当たるので、これからは、軟腐病の季節に入ります。

 いつもこの時期には、株間や畝間を広く取り、後半は、土寄せして高畝にしてあげたり、チッソ肥料を少なめにしてあげたりして、風通しや、水はけが良くなるように工夫しています。
旱魃に強い不耕起
耕さないし(不耕起)、草もとらないでいる(不除草)と、土も乾きにくいので、今年のようにどんなに晴天と高温が続いたとしても、例年なら何度も水の必要なキヌサヤや、スナックえんどう、きゅうり、ナスなども、水なしでグングン育ってくれました。

 しかし、収獲が始まると、この乾燥したお天気では多少の水やりが必要になりました(福田君の0−1テストに従っています)。

不耕起で挑戦したきゅうりは、見事成功!
この時期出やすい病気もなく、葉もツヤツヤです。


不耕起にしなかった大根と人参  
いくら不耕起が良いとはいえ、根っこの深い大根だけはどんなものかと思い、20センチだけ(普通は3〜40センチ)トラクターで耕してもらいました。
 
すぐ近くにニンジンも植えましたが、不耕起にしてみると、幼苗の時は、乾燥の嫌いなニンジンですが、今年の旱魃にもかかわらず(不除草のせいも大きい)すくすくと育っています。
上はうまく草と共生できた人参。下は草をとり過ぎて成長が遅れた人参。頃合が難しい・・・。

不耕起のため、先がまっすぐきれいに整
ていません。
でも、味はしっかり深い!


 ところが、間引き(まびき)をしようと思っても、雨の降らないせいもあって、硬くてなかなか抜けず、葉っぱだけ切れて、半分以上は土の中に残ってしまいます。
 やっと抜けたニンジンは、下の方は形がガタガタで、どうやって皮をむけばいいんだろうと悩むようなものもありました。
「う〜ん、これは全体食しかないかもしれない」  
根菜類の不耕起は、作れても売れないかも・・・・・・!!

 でも、ミニ人参で出荷したらいつの間にか売れていました。
何ともありがとうございます。  
でも、ご安心下さい。
不耕起じゃないニンジンも比較の為に作っています。
根菜類は今後の課題です。
絹さやえんどう出荷中

竹縄さんのご主人が種をつないでくれた、きぬさやたち。

 不耕起で植えた自家採取の絹さやえんどうは、順調に育ち、ただ今出荷中。
去年、急死された竹縄さんのご主人が、ていねいに種とりして下さった(ボランティアで)ものです。

 朝、農園に下り立つと、絹さやえんどうの所から、竹縄さんのご主人が、いつものように  「お早うございます」  と、にこっと笑って出て来られるような錯覚におそわれます。

 だから、絹さやえんどうの収獲の仕事は、竹縄さんの奥様が担当することになっています。
種とりもお願いしてあります。  
「いつまでも、いつまでもこの種を絶やすことなく、より丈夫に育てていきますね。 失敗しないように見守っていて下さいね」
本当に改めて有難うございます。


こんなに大きくなりました。

 まほろば農園の苗たちがこんなに大きくなりました。

 中でもあまりにみすぼらしいので、さすがのまほろばのお客さまも敬遠されて、売れ残ってしまったナスもグングン育っています。
ハウスのナスはもう出荷が始まっています。
露地のきゅうりもピーマンも少しずつ出荷中です。 
 
農園で育てた貧弱な苗も、こんなに立派に生長してくれました。

 露地のトマトは、余りにも勢いが強いので、2本だてにし、ミニトマトは3本立てにしました。
一番果(一番下の段)も全部止まって、実をつけました。
とても、あの苗の姿からは想像できません。
0−1テストの正しさが証明できたのではないでしょうか?

 今年の苗の特徴は、植え傷み(活着するまでに時間がかかること)がまったくなかったことです。
家庭菜園の苗はいかがでしょうか?  
今年は苗作りに追われ、まほろば農園の定植は、家庭菜園より遅れてしまいました。
その上、不耕起は成長が遅いと言われています。

  ところが調べてみると、今年の方が成長が早いようです。
気温も高かったので、そのせいもあるようですが、去年のようにトンネルもビニールマルチもしなかったのに、ナスもキュウリも去年より10日ほども収獲時期が早いようです。
植え痛みしなかったことも関係あると思います。


無肥料栽培は可能でしょうか?

今は、無肥料栽培に関心があります。  

豆類とかは、根っこに共生した根粒バクテリアが、空気中のチッソを固定してくれるので、 肥料を自給することが出来、無肥料栽培は十分可能と思われます。

 しかし、ミネラルはどうでしょうか?
植物は、でんぷんやたんぱく質を作ることが出来ても、ミネラルを作り出すことは出来ません。
もし、永遠にミネラルを供給することが出来なくても、豆類を作り続けることが出来るとすれば、原子転換しかありません。

 雨水や地下水から供給される酸素や水素や、大気の二酸化炭素(CO2)から、太陽エネルギーや、宇宙エネルギーが、土壌微生物が作り出す酵素の力を借りて作り出してくれるしかありません。
不可能だとは言えませんが、もし出来たとしたら、植物が餓死直前の極限状況に置かれた時ではないでしょうか?  

 そんな時には植物は、自分の子孫を残すに必要な最低限の栄養成長しかしないと思うので、おこぼれは、人間のところまでは回って来ないのではないかと心配です。


検証できるのは10年先  
  有機物は5年から10年の歳月をかけて、
ゆっくり、 ゆっくり
植物に吸収されやすい形(無機)に変化していくそうです。

 
結果がでるのは、10年後?手前から白菜、
焼肉レタス、サニーレタス、クァトロセゾン
・レタス、レタス等
 まほろば農園の今の野菜を育てているのは、5年前に入れた有機質肥料なのだとしたら、今から無肥料にして、10年経たないと、本当に無肥料で出来るかどうか分からないことになります。

 10年経ってやっぱりダメだと分かった時、すぐに肥料を入れ始めても、あと5年経たないと立派な作物はとれません。
ちょっと実験するにはリスクが大きすぎるかな〜? 
15年もしたら、私は80歳近く?まだ元気で農業やってるかしら?
でも、魅力的な課題ではあります。


 人類だけが自然の生態系の中で突出せず、無肥料の農業が作り出す食糧で生き残れるだけの人口に激減すれば、争いも不平等も、メタボリックシンドロームも無くなり、世界は平和になるかも知れません。

ネコの首に誰が鈴をつけるの?  

 でも誰が自ら断食して平和を祈る事ができるでしょうか?
これは神様にお任せするしかありません。
ちょっと、話がそれました。 申し訳ありません。


果菜類の無肥料は難しいかも?

 さて、豆類はともかくとして、果菜類(ナス、トマト、キュウリ、ピーマンなど実のなる野菜) は、一度植えたら、北海道では、露地でも10月頃まで毎日収獲するわけですから(キュウリは朝・晩2回)
どうしても元肥も追肥も水やりも必要になります (恐らく自然農法で無肥料で作物を作られている方も、作ることの出来る作物は限られていて、果菜類は難しいのではないかと思います)。

 平たく言えば、ナスやトマトが子孫を残す為に、一生懸命花を咲かせ、実をつけて、種を充実させようとする直前に、次から次へと横取りするわけです。

 作物が丹精して創った加工品を戴くわけですから、原材料の一部(肥料)でも返してあげないと申し分けないような気がします。

 作物にとっては農業とは残酷なものですが、大きな生態系の流れの中では、植物は動物に食べられて、その血となり、肉となり、心となって動物に生まれ変わるわけですから、厳粛な大自然の摂理ではあります。
雑草と共生するキャベツ。
ふわふわの草に覆われ虫もつかず、立派に育っています。

自然は無料で無限

 植物の光合成作用に必要な光と空気と雨水は、無料で無限ですから、収獲したものすべてを土に返さなくても、たとえ無肥料では無理だとしても、一部だけ返せば、エネルギーの収支は合うはずです。

 光合成作用は、拡大再生産のエネルギーです。
つまり、投入したエネルギーより出てくるエネルギーの方が大きいわけです。
 しかし、放っておいても自然が育ててくれる草や木は、スキマもなく生えて多種多様ですが、人が育てるものは、草や木を倒して人間に都合のいいものしか育てませんから、自然循環にも多大なエネルギーロスが生じるし、出来たものもすべて収奪してしまいますから、土地はどんどん痩せてしまいます。
それを補うために有機農法では、堆肥を入れたり、遊休地を作って緑肥を植えたり、色々工夫がなされています。

 でも、一方で除草しながら、一方で堆肥を入れると言うのも、何か今一つ、自然でないような気がしてきました。
それに堆肥を作るのも、入れるのも大変な作業です。
有機農法で何が大変といっても、除草と堆肥入れほど大変なことはないのです。
自家採種用のエンダイブの花です。
自然が一番合理的

 それならば、作物を育てながら堆肥(草)も一緒に育て、共生できるぎりぎりの処まで仲良くしたほうが良いように思えます。
 究極的には、自然が一番合理的で、完璧だと思うので、できるだけ自然を壊さず真似した方が、エネルギー効率は高いはずだと考えました。

お願いだから草を畑の外に捨てないで!!

 不除草と言っても、野菜以上に背丈の高くなる草は、日当たりや風通しが悪くなるので刈り取って、野菜の根元にかけてあげます。
これがなかなか難しいものがあります。

 パートさんたちは、「軽くざっと草取りをして下さい」と言っても、きれいに全部とってしまったり、私のいない間に、除草した草を畑の外に出していたり、どうしても私の言うことが理解できないようでした。
このやり取りはもう5〜6年にもなるでしょうか。  

 この間、私も失敗を積み重ねながら歩んできて、やっと確信を持てるようになったと言う経緯もあり、信頼を得られなかったのだと思います。
無理もありません。
<草は畑の敵>と思って育って来られた農業経験者の方たちなのです。 理屈ではないのです。
 皆、野菜の為に良かれと思うことを、一人一人が主体的に考えて働いてくれているので、考え方が違うこともあるのです。

 今まで農薬を使って来られた農家の方が、農薬を使わない農業なんて考えられないと同じように、天動説が地動説に変わるようなものだったのです。  
そこで不除草や不耕起にした所とそうでない所を両方作って、比較して見てもらったりして、すこしずつ体験的に理解してもらえるように心がけました。
<論より証拠>です。

 今では大分理解してもらえるようになりました。
逆の立場になれば、変わった経営者なので、働く人も大変だと思います。  
これからも、スタッフ共々切磋琢磨しながら、より良い農法を探す旅を続けて行きたいと思います。
こんな変わり者のまほろば農園のお野菜を食べて下さるお客様も変わり者かもしれません。  

本当にいつもありがとうございます。
草と格闘する農園スタッフたち。
不除草とはいえ、実際には細やかな管理が欠かせません。

HBC「花テレビ」さん取材の様子。

相つぐテレビや新聞、ラジオの取材

 道新(6/25付)で自然農法が取り上げられたのを始めとして、HBCテレビ(はなテレビ・6/27)や、STVラジオ(7/4)でも取り上げられました(地産地消のコーナー)。  

地球と環境にやさしい農法が関心を持たれることはとてもありがたいと思います。
   

   
  2007年7月号


   

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