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まほろば自然農園
 
     

満開の菜の花畑にミツバチたちもうれしそう。

 

苗木を買って下さって 有難うございます  

 今年は、苗木を作って下さるところがなく(まほろばの条件が厳しくて)、まほろば農園の苗木だけでなく、店売りの苗木も作らなければならなくなりました。


 初めての大量の苗作りに挑戦することになり、かなり混乱しています。
自家採種、自然育苗トマトの苗たちです。

 多すぎたり、少なすぎたり、販売予定日までに、思うように大きく育ってくれなかったり、お客様にもご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございません。

  急遽、間に合わないので、幕別の長坂農園から大橋店長が取り寄せてくれました。大きくて立派な苗です(無農薬ですが、20パーセントの化学肥料を使用) それに比べて、まほろば農園のナス・ピーマン類のなんと小さくみすぼらしいことでしょう。


植えるとぐんぐん 大きくなります  

 ご安心下さい! 毎年の事ですが、小さくても生命力は抜群、植えるとぐんぐん育ってくれます。窒素分は少なく、ミネラル類はたっぷり入っているからです。 植えてからチッソ肥料をあげてくださいね(上から根のまわりにドーナツ状にふりかける) トマトは、ミネラルだけ入れたチッソ分のないところに植えて、実がつき始めたら、チッソ肥料をあげてくださいね。(チッソ肥料は、まほろば農園で使っているブラドミンがおすすめです)


極上のナス、ローザビアンカ  

 もともと自然農法の種から毎年自家採取しているものですが、直径10センチくらいになった時が収穫のタイミングです。

 1〜1.5センチくらいに輪切りにして、塩コショウし、大目の油でフライパンで焼き(フタをして半蒸しにします)最後にバターで風味づけすれば、もう最高のグルメです。

 

 本来は、煮物用なので、肉と共に炒め煮しても最高です。 普通より木が大きくなるので、株間70センチくらいで植えて下さいね。普通のナスより高めの温度が必要なので、露地ではビニールマルチした方がベストです(大きいゴミ袋が最適)。
米ナスのような大きいボール状のローザビアンカ(去年の写真です)



不耕起の白菜たち。

 


ちょっと聞いていいですか?  

 ある時、研修生で、ボランテイアの石川さんが、納得がいかないといった様子で話しかけてきました。

 農家の生まれで、几帳面な石川さんには、農園が草だらけなのが納得いかないらしいのです。無理もありません。農家にとって草は敵のようなもので、篤農家は、少しでも草を生やすのは恥ずかしい事だとされてきました。

 以下は、石川さんに話したことをもう少し詳しく書いてみました。


作物が良くできる所は草も良くできる  

 

 まほろば農園では、数年間ふんだんに堆肥やミネラル類を入れて来ました。結果、作物もよく出来るようになったけれど、草もよく生えるようになりました。

 土が良くなったところでは、草も密生して緑のじゅうたんのように生えてくれます。そして、さらに良くなると、ハコベ(母子草)のような背丈の低い草が生えてくるようです。

 土が痩せていると、びんぼう草(正式な学名は知りませんが、農家には嫌われている草です)が一面にびっしり生えるところもあります。

 


草の上から米ぬかを撒く。全身真っ白になりながら作業する石川さん。

草・クサ・くさ、夢にまで見る草  

 長年、草とお付き合いし、いかに草を制御することが難しいか、骨身に沁みて分かってきました。農薬や化学肥料を使わない農法なら、どんな農法も試してきましたが、いつも草に負けていました。

 

長い草を草刈機で刈った後、肥料を撒いています。

 除草剤を使わない農法がいかにたいへんか、年間通して、160種類も植えている4町5反の畑は、草取り専門の女性のパートさんが、(テーラーや、草刈機の使えないところだけ) 毎日二人ずつ草取り専門に働いてくれていても、間に合わないのです。

 パートさんは、時々草に追いかけられている夢を見るそうです。


除草剤は環境ホルモンの一種  

 農家が、どんな他の農薬はやめられても、除草剤だけはやめられないというのも無理はないと思えるほどです。でも、本当はどんな農薬よりも、除草剤が一番怖いのです。 0−1テストでは、無農薬で作っていても、除草剤を使っていたらアウトです。なぜそんなにいけないのか、理由は分かりませんでしたが、数年前、除草剤は環境ホルモンの一種と分かって納得できました。


除草剤がなければ、成り立たない現代農業  

 どんな農薬をかけても、虫が死んでも、菌が死んでも、作物が死んでも、強烈な生命力を持った草だけは死なないのに、除草剤は、その草を死なせてしまうのです。 20年ほど前、北竜のメロン農家(村井さん)を尋ねたときです。

 

 北竜は、都会の影の微塵もない、本当に田舎々したところでした。

 行く道々、色んな畑や作物を0−1テストしてみましたが、すべて×、縦横に走る農道まで皆×だったのには愕然としました。

 村井さんのお家に着くと早速家の周りの花や、自家用野菜、メロン畑など0−1テストしてみましたが、すべて○、多少の化学肥料や、時として殺菌剤などの農薬を使うこともあるとの事ですが(基本的には無農薬)、十分○でした。


北竜町の村井さんご夫妻。天皇陛下献上メロンでお馴染みですね。


 村井さんと他の農家の人との違いは何だろうかと色々質問したり、0−1テストしてみました。 その時、初めて除草剤の恐ろしさを知ったのでした。

 その当時すでに残留性が強いと言う事で、禁止されていたDDTやBHCの残留のせいかとも思いましたが、その後の多くの経験と実験によって除草剤の残留性と、ホルモン系の撹乱物質であることが確認されてきました。特に米など、一度初期に散布すると、収穫を終えるまで草が生えないと言うのは、特によくないようです。

 今では、一年草だけでなく、宿根草まで有効なものもあるとか。


農林水産省の見解  

 前号でお話しましたが、去年の6月に東京で開かれた有機農業の大会に出席した時のことです。

 

(写真上)除草剤を使わない村井さんの畑は、あぜ道も雑草でいっぱい。
 「農水では、農薬を半分以下に削減すれば、エコ農家として認定し、免税や補助金を受けられると言う事ですが、同じ半分といっても、一番良くない除草剤を使ってもいいというのは納得できないのですが、この点についてどのようにお考えでしょうか?」

 という質問をぶつけてみました。それに対しての答えは  

 

「除草剤を使わなければ、現代農業は成り立たないので、必要悪と認識して下さい」

 というものでした。これが現実なのですね。


草は宝の山  

 でも、こんなに憎まれている草も、ある時、宝の山だと気がつきました。 森が、雨水をゆっくり浸透させ、緑と湿潤を保ち、生命の川の流れを母のように支えているように、自然を破壊し、森を切り開いて作った畑において、せめて、草は森における木と同じなのではないかと・・・。それならば、土は、いつも緑に覆われているように、出来るだけ耕さないで、自然に、自然に使わせて戴かなければなりません。 草と共生できる農法を実現していかなければ、農業は自然破壊になってしまいます。 すでに、アメリカでは農業に地下水を使いすぎて、地盤沈下や枯渇の心配があるとか(テレビでみました)深刻なようです。


雑草たちと共生するまほろば農園の野菜たち。奥はサニーレタスとサラダ菜です。

 


ミミズや微生物に働いてもらわなければ  

 とにかく、地表面は裸であればあるほど乾きます。乾くと微生物もミミズなどの小動物 も昆虫も、生きて行くことは出来ません。微生物の繁殖には、適度な温度と水分が不可欠だからです。ミミズなどは、水分の多い深いところへもぐってしまいます。草の植相は複雑で、その複雑さに応じた生物群が育っています。

 

 太陽は、植物にとって、光合成のために必要なだけでなく、土中の菌が、有用菌優位になるように調節してくれる殺菌作用があります。しかし、トラクターで耕し、きれいに草取りした表土では、乾燥しやすいし、太陽の光が強すぎて、有害菌どころか、有用菌自体も繁殖しにくくなります。

 また、ミミズなどが動きまわって作ってくれる空隙は、草や作物の根っこと共に、天然の通気層で、空気や水の通り道にもなってくれます。出来るだけ耕さないのは、生物が天然に作ってくれる土の中の都市計画を壊さない為です。

 


ニンニクの横には、雑草に混じって去年種とりした時にこぼれたサラダ菜の種が発芽して、収穫を待っています。

作物と草はいつも綱引きをしています。生かさず殺さず!!  

 特に、作物が小さい時は、地表面を覆う葉っぱがないので、草でもないと乾燥しすぎてしまいます。しかし、作物よりも大きくなった草は、太陽をさえぎり、風通しを悪くし、作物にあげた肥料まで吸収して、作物の成長を妨げてしまいます。結果、ヒョロヒョロの緑の薄い軟弱野菜が出来てしまいます。草は諸刃の刃なのです。

 

 そこで、作物よりも大きくなりそうになった時を見計らって、草刈機で払い、日当たりと風通しを良くするようにしています。しかし、決して根っこまでは抜いてしまいません。土を裸にしないためです。

 

 

 しばらくすると、また伸びてくるので、また、草刈機で払います。 生かさず、殺さず、6対4か7対3くらいの割合で、作物の方が、常に優位になるように コントロールしていきます。


 しかし、作物にはそれぞれ性質があって、草がない方がよく育つものもあれば(大根やトウモロコシ、ほうれん草など)、青菜類のように、密植していて草刈機をかけられないものもあります。

 それぞれに管理の仕方を変えています。

 


草で覆われた畑に、よく見るとかぼちゃの苗が植えられています。

 

 


堆肥節約農法

 堆肥は作るのも大変だし、買えばお金もかかります。 そこで、ある程度、草が密生して背丈が高くなったところで、草刈機で払い、その後に上から肥料をふりかけて、穴あけ機で穴をあけ、果菜類や豆類、レタス類、白菜、キャベツなどの苗を植えています。

 

草も生き、野菜も生きる共生農法。不耕起キャベツです。

 

 この方法は刈った草や、根が残っているので、新たにすぐ生えてくる草によって、土の表面はかわきにくくなり、生態系を壊さないので、微生物やミミズも安心して繁殖できる楽園浄土になります。

 この方法は、草が堆肥の変わりになってくれるので、堆肥の節約になりますし、作物や草の根の作り出した水路(水みち)を出来るだけ壊さない方法でもあります。


ビニールマルチ返上農法

 また、ビニールマルチの変わりに、堆肥をマルチ代わりに敷きつめたり、よそから草を刈ってきてかけたりしていますが、大変な作業です。そこで、作物を植えてからも、一定期間ごとに生えてきた草を草刈機で刈って、マルチ代わりにかければ、土の保湿性の保持や、温度調節の働きもしてくれます。 従って、草をうまくコントロールできれば、水やり節約農法、肥料節約農法、堆肥節約農法になるのです。

 

マルチ代わりに草とオガクズを保湿のため敷き詰めています。
 後の問題-細かい種を植える時 細かい種を植えるときは、春一番の草が少ないときには、表面の草だけ軽く削って不耕起で種まきしていましたが、草が腰ほどの高さになってくると、そうも行かなくなってしまいました。

 

 仕方がないので、一度草刈機で払い、しばらく置き、その後トラクターでできるだけ浅く起こし(半耕起)、雨が降ったりして、土が締まるのを待ちます。その後カンジキでよく踏み固めながら(出来るだけ耕さないのと同じ状況をつくり、乾きにくい土を作るため)種を蒔きます。

 できるだけトラクターで耕したくないのですが、小さい種(青菜類など)は草に負けるので仕方がないのです。まだまだ、今後に克服しなければならない多くの問題があります。


現在出荷中の野菜たち

 サニーレタス・サラダナ・ニンニクの芽・ほうれん草・春菊・ルッコラ・ラデッシュ・パセリ・ニラ・みつば・ハーブ類(ミント、セントジョンズワート、)などです。

 

 サニーレタスや、サラダ菜、ニンニクの芽、パセリ、三つ葉、ニラ、ハーブなどは、今年植えたものではなく、寒い雪の下を生き延びてきた越冬野菜です。同じ越冬野菜の菜花はそろそろ終了です。

ほうれん草、春菊、ルッコラ、ラデッシュは、今年露地に不耕起で種まきしたもので、今年野菜の新デビューです。

今年もよろしくお願いいたします。

 

不耕起露地ほうれん草。
とれとれ・美味・安心と3拍子揃った、まほろば農園の野菜たち。次々と出荷中で〜す。

 

 

 今日(6/4日)のほうれん草の初荷、店長が一度も見ないうちに売り切れたとか、有難うございます。

   
   
   
   

   
  2007年5月号


   

      →過去の記事一覧

   

     


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