まほろばロゴ   サイトマップ

Eメール
まほろばとは エリクサー&オリジナル オンラインショップ まほろば自然農園 レストラン
About Mahoroba まほろばとは


 
まほろばだより−まほろば主人から−

まほろば主人

 

 

 

 

 菱和園さん・・・・・オーガニック茶の王道へ   

 

 

5月29日

 

 

 

 伊勢志摩での「磐座(いわくら)学会」の帰路、名古屋での一日を、菱和園さん、三河みりんさん、エコロジの児玉さんの会社を巡るために用意しておいた。

 菱和園社長のご長男・小尾哲史君は昨年半年ほど、まほろば農園で研修生として実習された。見事、褐色肌の筋骨隆々たる丈夫に生まれ変わった彼を、皆様は記憶されているかと思う。その彼が、嬉しそうに迎えに来てくれて、本当に懐かしかった。 市内を離れること20分ほどの、山林が多い田舎街にその菱和園さんはあった。着くなり、2〜30人の社員が正座して待ち構えていた。いきなり、「講演を」との要請にたじろいだ。しかし、皆さんの真摯な表情と態度には襟を正さざるを得なかった。  

 
 
 ここ名古屋は私にとって初めての地で、不思議と中部に今までご縁がなかった。 思えば、近代日本国家の礎を築いたのは、信長、秀吉、家康と続く三英傑であり、ここ尾張の地域と人物であった。ここをコンパスの中心として円周を描くと、見事に北は北海道、南は沖縄と外周が収まる。地理的にも磁場的にも日本の求心的な位置にある。それは、今もなお実質的に日本経済の牽引役として、世界に冠たるトヨタが君臨している。三河侍の末裔として、トヨタの底力の大きさと安定感は、他所の比ではない。
   


 そんな、地の利を得た中で商売する小尾社長は、我々素人にとって鑑ではなかろうか。その実直なる篤実さは、会社の端の端、社員の一人一人に行き届いており、清潔な気風と温和な空気は、誠実な商品作りを思わせるのだ。女性の責任者に案内された工場は質素で塵一つなく、静かで粛々として作業が進められていた。皆自主的に、意見を持ち合い、よりよい作業効率や効果を目指して、力を結集しているとの事。作業の一つ一つが女性らしく丁寧でかつ迅速な手さばきに感心しながら見て回った。これまでするのに、どれほどのご苦労があったか。

 数年前までは、自ら営業部長として全国を回り、不況の波に夜も眠られぬ日が続いたとか。が、今は全国から注目され、矢継ぎ早に注文が舞い込み、何と一社から一品三千から五千ものオーダーがあるという。商品のほとんどがJAS有機栽培のお茶で、その認証取得の裏話・苦労話を聞かされて、自ら省みて学ぶものが多かった。

 何と、年間三百万円もの費用がかかるという。一年のうち三ヶ月も認定委員が来て、仕事にならないほどの厳しいチェックを受け、何度も何度もの見直し。それこそ重箱の隅を突っつく指摘に、それは忍の一字で耐えて来られたと言う。また、大手OEM(相手先ブランドによる製造のこと)での包材負担は大変な数字に上る。

   しかし、一つ一つ壁をクリアして来られた歩みは素晴らしい、の一言なのだ。おそらく、全国的に見て、菱和園さんほどオーガニックのお茶を揃えられているメーカーさんは無いのではなかろうか。 神奈川県下に自らも茶畑を持ち、毎週社員と共に管理に出かけられるという。もう8年も農薬もやらず、今は無肥料でも育ち、その野生的な味わいは今回戴いた新茶に見事に反映されている。さらに、近い将来、三河近辺に一山買って、山ごと有機茶園にする計画で、名実とも日本一の茶園を目指される。生産も流通も本格的に取り組まれる会社は初めてであろう。
   
 そして、海外にも進出され、中国、インドなどオーガニック紅茶などの契約農家の輪も広がり、7月には、親子してセイロン視察に行かれるという。頼もしい限りである。 二代目になる哲史君の将来に期待が膨らむばかりだ。まほろばでの経験が、少しでも役に立ってくれれば嬉しいのだが。


 

 

 最後にセントレア空港まで送りに来て下さり、別れ際一緒にこのまま北海道に行きたい、などと言う。本当に菱和園さんとの末永い交流は今始まったばかりだ。

 

 

 

 

三河みりん・・・・ 古きを継ぐということ  

 

 「三河みりん」といえば、古くからの馴染みのお客様も多いはずである。  
 何せ、創業当初からのお付き合いで、それは大変な思いをしての今日だったからである。  

 アルコール度数14 %以上は酒類に入るから、自然食品店では本来扱えない法的縛りがある。  

 

 

それを扱うのだから、裏工作がいる。しかし、これも法的枠内でのことであり、和蔵会の片山さんの指導を受けた。それほど、三河みりんは無くてはならない魅力的なみりんなのだ。それは、利益なしの会員制度で、店が一括して定価で買って、分配するものだった。

 利益が無くても、使って戴きたい逸品だった。そういう思いの自然食品店が、全国にも居て、同じように「三河みりん」をお知らせした。そこには、みりんモドキの調味料にはない、厳然とした本物の風味が料理を支配し、まるで別格の気品と資質をお膳に供するのだった。それは、もち米から作り出した本格焼酎のみが醸し出す底力と伝統の気品である。誰もが、その前に唸り、納得する説得力が自ずから備わっているのだ。

   
 訪ねた碧南地方は矢作川が流れ注ぐ良質の水質と、北は尾張平野の米所、そして三河湾に位置する荷の出し入れは、流通に格好の地。醤油、酒、味噌、そしてみりんと醸造文化の華が既に開いていた。その五百年にもわたるみりん文化の地も、現在角谷さん一軒となってしまった。


 明治43年創業、一代目角谷文治郎商店の名を引き継いでの三代目、社長利夫氏。何故に一軒と問われると思う。あれほど「みりん」が出回っているではないか、と。しかし、そのみりんの多くは、まがい物というか代替品なのだ。今のところ「本みりん」は日本で二軒だけではなかろうか。三河さんと岐阜の「福来」さん。

 何故かといえば、本当のみりんとはもち米と米麹と焼酎からなる。一般みりんは、醸造用アルコールや甘味料や塩を添加したりしたみりん風調味料で、決して醸造醗酵して出来たものでないインスタントみりんなのだ。また、短期間に蛋白質が分解し切れないため醗酵製剤を使って強制醗酵をさせる。本来ならみりんという名を使うべきではないのかもしれない。

   

 甘酒を麹から造った方があれば、ご存知と思うが、炊き立ての米に麹を入れて、コタツの中にいれれば、次の日には甘酒に変わる。しかし、みりんは常温で三ヶ月かける。短期間では澱粉質が糖化するだけで、米の蛋白質は分解できないからだ。


↑画像をクリックすると拡大します。

 

 


 長期熟成させると、ゆっくりと米の蛋白質の18種類のアミノ酸が時間をかけて旨味に代わる。みそ・醤油は塩で醗酵調整し、みりんは43度の焼酎と、何より冬の寒さが醗酵調整となる。低温長期熟成が鍵なのだ。そして近代、酒と同じように、絞りの方法が連続やぶた式の圧搾機械に変わったが、反ってコンタミ(汚染)が出て、火入れせざるを得なくなった。しかし、角谷さんは旧来の自重加圧の酒舟式で今もなお熱処理しないで、もろみを搾って来た。

 みりんの発祥は戦国時代で、甘味の勝った焼酎由来の酒が求められ、これが女子子供でも飲める飲料となり、あるいは割烹やうなぎ屋で使われる砂糖代わりの調味料になった。

 

 

 ちなみに、蕎麦屋のかえしは、夏の土用二回越したものを使い、うなぎ屋のたれは、その以前の濃いものを使う。懐石料理の陰を支える味の中枢として、無くてはならぬ隠し味であった。やはり伝統の膳には、伝統の味(み)が凛(りん)として活きてなくてはならない。

  原材料のもち米は今日までの名産地の佐賀に加えて、道内の幌加内の白鳥もち米が品質収量の面で加えられてきているという。嬉しいことだ。それほど、道米がうるち・もちを問わず、全国的に評価されて来ているという訳だ。無農薬のJAS認証のみりんも加わり、万全である。さらに、江戸時代に流行った和製リキュール「柳陰」。そして、今回仕入れることになった「みりんの梅酒」も絶品で、世にこの右を出る梅酒はないのではなかろうか。   

 

 

 

 


 「良い食品を作る会」では札幌でしばしばお会いでき、またエキスポやフーデックスでは必ずお会いしていた角谷社長と現場でお目にかかり、何十年ぶりの想いがかなった。江戸時代には、ここ碧南地方は醸造蔵で溢れ、行き交う人々もごった返していたことであろう。それは今や昔話になってしまった。是非とも、この伝統の火が絶えることなきを祈り、三州三河の地を後にした。

 

 

「エコロジ」児玉さん



・・・ グルジアワインあれこれ
   

 

 

 

 ワインの扉を開いてくださったのが、この児玉さんである。
 平成13年、正式に酒販店の免許が下りてから世界のオーガニックワインを取り扱い始めた。  
 アラン・ギロさんなどの顔の見える関係が鮮明になって、それが酒の世界でも大切なコンセプトとなっている。特に、印象的なのがイタリア・パルマのランブルスコで、ここ2年ほど入荷がない。これほど大衆的で飲みやすく、美味しく印象的なものが無いのは寂しい。通の方には物足りないかもしれないが、ワインの知らない方にも大好評だ。何故かしらイタリアと日本の食で共通した繋がりを気づかせるにはランブルスコは格好のワインであった。

    フランス料理も元はといえば、イタリアから行ったものだし、今をときめく「ダヴィンチ・コード」のレオナルドもイタリア人か。(何を言わんとしているのか?)プロシュートやクラテッラの生ハムも格別で、パルミジャーノのアミノ酸は日本人好みの旨味成分の本質だ。話が逸れたが、ワインの扱い、殊にオーガニックに関しては、児玉さんは昔から第一人者である。

 

  そこは、三河さんからも、小尾さんの所からも近く、時間調整するのにすこぶる助かった。

 しかし、その日、あいにくご主人は、なんとグルジアに旅立っていた。また、ワイン探しなのだろうか。聞く所によると、黒海の沿、西アジア北端の国グルジアはぶどうのルーツで五百種類もあるとか。
 アンフォーラ(グエリブ)という紀元前からシュメール人が作っていた五百リットルもある素焼きの甕を砂漠の地中に何個も埋めて表面全体を粘土で固めて覆い隠す。約6〜8ヶ月して粘土を剥がし、蓋を開くと黄金色の強い白ワインが誕生する。酸化防止剤は一切不要。ぶどうの天然酵母と地下水の湿度と温度でワインを醗酵熟成させるそうだ。地中海を運ぶ船底にも両脇に耳のついた底の先鋭な円錐型の土器は、安定して都合がよかった。

 

 
 この古典的原始製法こそ、ワインの元祖である。大概はロシアに輸出されていたものが、今ロシアの強制封鎖に逢い、廃業農家が後を絶たず、伝統的ワインが無くなろうとしているらしい。ロシア人をご主人に持つ日本スローフードの立役者・島村奈津さんからの要請で、急遽その支援をすべく児玉さんが立ち上がってグルジアに渡り、買い付け交渉に行かれた。

 

 

まさにスローライフ・スローフードの証とも言うべきこのアンフォーラのワイン。良い意味で酸化した個性的な味わいは、いくら飲んでも頭が痛くなることがないという。7月末には船積みされる。その他、胡桃や蜂蜜のシロップ漬けなどが入るとか、いずれも絶品という。本当に、中央アジアのドライフルーツ・ナッツ類は、頬が零れるほど美味しい。また、入荷しだいご案内したい。ストーリーだけでも、とても面白い話を伺った。

 


 

 

  ご主人と奥様とは2年前、本店開店直前にまほろばに来店された。その奥様児玉裕美さんは、福田直樹さんというピアニストと「エマープロジェクト」立ち上げ、全国の各学校、施設を訪問して、コンサートを開き慈善活動をされておられる。老若男女を問わず、病弱であったり、心身に障害を持っている方々に希望と夢を、美しい音楽を通して叶える地道な歩みを、もう15年も続けられている。

 この7月、奥尻・小樽で慰問コンサートを開く予定で、その足で、まほろばでコンサートを開催する事を即断してしまった。持ち運びが可能なチェンバロ演奏会。

中島のコンサートホール「キタラ」でも演奏会を開いたこともあり、札幌ともご縁が深い。正式に後日公表、是非ご参加のほどを。

(おかげさまで大好評のうちに終了いたしました。写真はまほろば本店での演奏会の様子です)

 

          

 

 ぺカルト二代目 健闘中!!   

                    

5月2日

 


 

   もう二年以上経つであろうか。 まほろばオリジナル石鹸を作る構想を立ててから、ずいぶん過ぎてしまった。まだなかなか着手出来ないでいる。主だった材料は、とうに揃えてあるのに。しかし、あと一歩の所で、踏み出せないでいるのは何故か。そんなふうに躊躇している製品が、あと塩とサプリメントとチーズなど何点もある。  
   物事は時機というものが大事だ。きっと、時の熟成を待っているのだろう。 しかし、事が煮詰まってきたので、やはり一度、直接旭川の篠原さんの工場に出向かねばと立ち寄った。やはり、現場主義、人間主義でなければ、物事は進まない。行ってこそ、会ってこそ、一瞬にして解決することがある。実際、長く躊躇していたことが氷解して行ったのだ。  お亡くなりになった先代・元次さんの事々を大原槙子さんが「北の国のリービッヒ」という名で上梓された。それを出版される際、お母様から親しく私にあとがきを頼まれた。拙文ながら書かせて頂くと、たいそう喜ばれ、私も微かでも先代に恩返し出来て嬉しかった。  
     このお母様、先代の奥様は今もお元気で現場に立たれ、ご主人の意思を息子さんの泰成さんと共に継ごうと日々頑張っていらっしゃる。家内工業、家庭会社の典型を見るようで、この絆が一番安心で強いな、と感じた。
 無理をせず、最小の単位、最大の効率で、機械を使わず、出来るだけ人力でこなす。廃油を再利用するといった時代の先駆けの典型でもある故篠原元治さんは、まさに倹約・質素の人であった。そして、アイデアと手作りの人でもあった。例えば、海の波を利用した先端の水力発電なども、とうの昔から考えていたという。
     今二代目、泰成さんは、廃油を利用したディーゼル燃料のプラント作りに着手していた。既に補助金を受け、一億二千万円の工場を建てるという。これが完成すれば、北海道一の生産能力を誇る。しかも、廃油精製の精度が非常に高く、当然それに伴って、石鹸の品質向上に繋がる。これは、一石二鳥の事業である。きっと成功するであろう。
     時、折りしも石油価格が何十円も高騰した昨今のリッター85円、きっと注目されるに違いない。(しかしながら、来年度経済産業省の規制で、自治体向けだけになる模様。)  これも、きっと天上のお父さん元次さんが見守って指導しての共同作業なのだな、とほほえましく思えた。

 

 
 振り返って、昨日の下川訪問といい、本当に今日はとても心地の良い日だった。ついでながら、帰りの高速、美唄辺りでガス欠のランプが点滅して、0‐1テストすると、最後まで大丈夫だとの答えが出て、果たして無事帰れた事にも、何事も命がけなることを学んだ。

 

このオリジナル石鹸、その後エッセンチアの篠原先生と入念に打ち合わせた。さらに世界各地の珍しい天然材料が増え、極めて良質で稀有なものに仕上がるであろう。女性向きの化粧石鹸の決定版にする予定である。
   

BDF 廃食用油からデーゼル燃料の精製  

 レストランなどで使用された廃食用油を回収し、リサイクルして軽油代替油を精製することに成功しました。2004年の春より精製・製造するプラントを完成させ少量ながらも販売を予定しています。昨年(2005年)は6月〜10月末まで試験しました。その後本格的に販売を予定しています。地元旭川市では、2004年7月より4ヶ月間、ごみ収集車1台に使用し、試験運転を始めました。燃料の名称は「環境燃料BDF(バイオ・ディーゼル・フューエル)」。廃棄物として焼却されることが多い廃食用油をプラントで精製すると左の写真(上の写真中央)のように透明な軽油同等品(脂肪酸メチルエステル)に生まれ変わります。事前の実験で、通常の軽油より二酸化炭素は10%削減、イオウ酸化物はほとんどゼロに近いというデータが得られました。まさにクリーンなエネルギー。化石燃料に比べ、食用廃油はリサイクルで持続可能な資源。さらに、環境保全にも役立ちます。有機栽培農家のトラクター、またはディーゼルで動くものであればすべて可能です。


   




 

→過去の記事一覧



トップに戻る
トップページへ
まほろばとは
まほろばの商品構成について
仕入基準とO-1テスト
小国寡民
会社概要
社長ブログ
イベント
まほろばだより
まほろば主人から
折々の書
健康コラム
ココが知りたい
トピックス
小冊子のご案内