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まほろばだより−まほろば主人から−
 
「森下自然医学」3月号より
 

 新聞をめくると「TPP(環太平洋経済連携協定)参加」の世論調査の結果、賛成が56・9%、反対が25・4%との報道。
しばし、我が目を疑った。

 ゼロ関税の例外なき完全自由化の是非「平成の開国か、鎖国か」の論争が喧(かまびす)しい。
農林水産省の試算では、日本が加入すれば、食料自給率が40%から14%にまで落ち込み、輸入米が卸価格で57円/kgという途方もない価格で流通される。
その激震地・道内では、2.1兆円の経済損失、17万人の雇用を失い、七割の農家が営農不能に陥るという。これは最早尋常ではない。  
政府や財界・マスコミが挙って「TPPの不参加は、世界の孤児になる」と不安を煽り、国民は正常な判断が出来ないでいる。


 TPP参加10ヵ国のGDP(国内総生産)の割合は日米だけで9割を越える。即ち、これは環太平洋ではなく、日米協定そのもの、さらに詰めれば米国主導の専有利権であることは明らかである。
 しかも大枠の中国・韓国は参加せず、両国は独自にFTA(自由貿易協定)で協議する。TPPの思惑を見透かしているのだ。

 

 当の米国はドル安誘導政策を徹底して輸出を促進しているため、産業経済界が賛成する根拠、日本の工業製品の輸出が増える保証はない。
加えて米国産農畜産物の対日輸出が急激に増大して国内自給率が試算の如く急落するのは論を待たないだろう。
戸別保障制度も農家の赤字を補填するどころか焼け石に水。
米国の車・家電の僅か数%に満たぬ関税障壁を払拭するために、伝家の宝刀たる先祖伝来の農業を明け渡す愚挙は許されて良いはずがない。


 人は、生き死にの土壇場には食を選る。戦中、金財を積んでも一碗の米にさえありつかれず、食を蓄えられた農家の底力を思い知った。  

「『農は国の本なり』
古へより国本たる農業盛なる時は国豊富にして、 礼義礼譲行はれ、四民各その生を楽しめり
」 とは、尊徳翁の遺言。
 
 現在、世界規模の人口爆発で慢性的飢餓に陥り、各地での食糧争奪戦は年々激しさを増している。日本はTPPの孤児になる前に、食糧難の孤児となろう。

 

 遠く佛国は110%、米国は120%、豪州・加国に至っては170%の自給率、自足はわずか数ヶ国に限られている。
世界の大国は国家の大事をしっかと抑えながら、強かに外交に打って出る。
如何なる有事にも、食を手放さず、食を他に頼らないという政策を曲げず、その磐石たる農事立国。農作業を知らず、食の大事を知らない論客が、都会の奥殿で国の存亡を決する事は、甚だ危い。


 明治維新後「脱亜入欧」「富国強兵」の掛け声と共に、工業化の道を直走りに走った日本。
日清・日露の大戦で列強入りした凄まじい潜在的国力は、余勢を駆って太平洋戦争へ突き進み、大惨敗たる焼け野原も、高度経済成長の名の下に、瞬く間に復興を成し遂げた奇跡の日本は、世界の驚異でもあった。

 だが、駆け抜けたこ150年を、果たして是とするか、非とするか、猛省せねばならない。 抜け落ちた農政は一敗地に塗れ、国力たるその基盤を失った。いわば、日本の実態は、経済という鎧を纏った虚像、蛻の殻となってしまった。真の国益とは何か。
甲論乙駁、論議百出しても、今の日本が決すべきは、遠望巨視、帰根還元、百年千年先を見据えて、小利少益を捨て、大局以って事に当たることではあるまいか。

 何千年に亘る日本国家の伝統文化、田地田畑を今守らねば、後代守れようはずもない。
類稀なる緑豊かな四季の移り変わり、外国人に庭園とまでいわしめた国土の美しさ。
その風土に育まれた人情機微。
その磨き上げた情緒は文学に芸道に裏打ちされ、科学技術を後押し、工業立国の起爆力とさえなった。
それは田園・漁村の風景に染められた郷愁叙情から生まれた。  

 大学に曰く、
「物に本末有り、事に終始有り、
前後する所を知らば、則ち道に近し」。  


 

 立国の本と始まりは、自然の成り立ち、農にあるべき。金欲の市場原理、不当な為替操作の国々を前に、この公正の大義を毅然として貫くべきでなかろうか。
 

 彼のヒマラヤの膝元ブータン国では、1972年、時のJ・S・ワンチュク国王が、GNH(国民総幸福量)を打ち立て、世界の主流GNP の経済主義に対し、精神的豊かさ、幸福を目指すべきとの大胆な政策を中心に置いた。

何という聡明な盟主であろうか。
国政調査「あなたは今幸せか」という問いに対し九割の国民が「幸福である」と回答したという。

 日本は、開国来の壮大なる実験の末、国民のほとんどは喪失感、閉塞感に押し遣られ、詰まるところ「不幸」なのだ。
経済を最優先に追い求めた結果、我々は、やはり幸せにはなれなかった。
この結論に至るため、どれだけ人々の犠牲を強いて来たことか。
国を変えるのは、経済成長率からの脱却、価値観の轉換しかない。小賢しい主義主張、塔利党略をかなぐり捨て、「国民総幸福」への王道をみな一致して歩むべきだろう。

 栄枯消長は天地の運にして理。物事には退縮する時が必ずあり。日本も然り、地球も然り。
限界を見極め、止まる時、退く所を知る。今後アジア諸国の経済的急成長は、食のみならず深刻な資源や環境問題を突き付けるだろう。

 今こそ国も人も、拡むを止め、進むを抑え、足るを知り、内需縮小に向うべき時ではなかろうか。

 世界標準(グローバルスタンダード)という美名は、均等化・画一化で世界を近付け結び付けるようで、自国の拠って来たる文化・伝統・風習を抹殺し、喪失させかねない魔物なのだ。グローバリズムの前に、ローカリズムがある。
その際立った多様性・複雑系の違いこそ自然と言い、世界と言う。
大国に右倣いして小国のアイデンティティーを失う暴挙が、このTPPにも隠されている。真のグローバリゼーションは、各国が何処にも従属せず、何事にも自立出来てこそ、世界と繋がれるのだ。

 農を以って独立独歩する。国ぐるみで自給自足する。
国の一隅を照らす「まほろば」の「小國寡民」の社是も、日本の万隅を照らす国是も、寸分違わず同じであるはずだ。  

今こそ、思考の旧弊を斷ち、実践の勇猛を奮うべき秋(とき)である。




 
 

 

 

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